↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/32

第一話 RGGV、基本の4色⁉︎

透明な世界。建物や植物がある普通の街並み。だが、それらには色が無かった。透き通り、輪郭だけが残っている。そこで、誰かがつぶやいた。


「また一人増えたね」

その誰かは足元で倒れている人間を見つめていた。街並みと同じように色は失われている。


「新しい色をあげよう」

倒れた人間が彩色されていく。赤、黄、青…様々な色で、極彩色に彩られていく…。


OP


「陰山さんおはようございます!」

アルバイト先の食品スーパー極彩のバックヤードで俺、陽向天晴(ひなたてんせい)はいつものように挨拶をする。挨拶を受けた女性は振り返ると優しい微笑みを浮かべた、


「おはよう陽向くん…そういえば聞いたよ、大学決まったんだって?」

アルバイトの先輩、陰山木葉(かげやまこのは)さんはそう問いかけてきた。緑の髪、ポニーテール。眼鏡の奥の瞳はいつものように柔らかい雰囲気があった。


「はい!そうなんですよ!遂に決まりました!」

元気よく答えた。何事も明るく!が俺の心情だ。陰山さんはちょっと身じろぎした。声がデカすぎたかな?


「今の時期に決まるってことは…推薦か」


「そうです!いや、マジで大変だったんですよ!?バレー部の大会とかも頑張って…副部長やったし、勉強も…それなりに…!」


「誰も楽してるだなんて言ってないでしょ。まぁそういう風に言う人は結構いるんだけどね」

陰山さんは少し微笑み、続けた。


「合格おめでとう。ふふ…こういう時なんて言うんだっけ?」


「アッパレだな!」

俺の大きな声が響いた。


「やっぱりそれだよね。なんか安心する。

じゃ、あんまり話してるとサボリだと思われちゃうし?仕事しよっか!」

陰山さんは落ち着いた声で言った。170cmの俺より少し背の高い彼女。母親みたいだな…と心の中でこっそりと思ってる。


「そうしますか!」

また大きな声が響いた。


「アッパレうるさい!」

従業員から突っ込まれた。

今、発されたアッパレはあだ名のようなものだ。名前が『天晴』でてんせいと読むが、本来一般的な読みはあっぱれ。そこから派生したあだ名だった。


謝りながら店内へと向かい話し続ける。


「いいよね。陽向くんの『アッパレ』っていうあだ名」


「はい!小さい頃はてんせいだ!って言ってたんですけど、段々好きになってきました!」


「ふーん。陽向くんらしいね」


「そういえば陰山さんは俺のことアッパレって言いませんよね」


「そうだね。まぁ…陽向くんは陽向くんかな。わたしの中では」


「そうですか。ま、なんでもいいですよ!」


「ほらまた声が大きい。いいところだけどね、そういうところ元気いっぱいって感じで」


「ありがとうございます!」


「もう…。でも出会って一年くらい経ったから慣れたよ。それが陽向くんだもん」



時刻は21時を過ぎていた。高校生の俺は陰山さんよりも先に仕事を上がり、帰宅し始めていた。


「くはー!寒いっ!」

俺の吐く息は白くなっていた。12月だし珍しくもない。帰るための電車に乗ろうと駅へと向かう。

駅前は栄えておりまだ活気付いてる。仕事帰りの人、食事を終えた人、今からどこかへ向かおうとする人、色々いる。そこをネオンや電気看板、街頭などの光が鮮やかに彩っていた。


ん…?


何か違和感。なんとなく後ろを振り返ってみる。人々が歩いてる、なんの変哲もない景色。気を取り直し前を向き歩き始める。


またも違和感。


ふと、電気看板に目をやると、光がグニャリと捻れていた。


なんだ…疲れてるのか?俺…。


目を擦り、もう一度確認してみると捩れは消えていた。


「気のせいか…」


深くは考えず歩みを進めた。



翌日…


学校に登校すると、クラスがざわついていた。


「すげー!宝城、ホントにあの大学に受かったんだ!」

クラスは大騒ぎだ。


「勿論。そのための努力は惜しみませんでしたから。」

嫌味なく答える女子生徒が騒ぎの中心だった。宝城玲花(ほうじょうれいか)、宝城家というこの地域では割と有名な家の一人娘だ。正にお嬢様…っていう感じ。内巻きのカールした金髪。柔らかそうな雰囲気はあるけど、目はキリッと力強くて、高貴さみたいなものが感じられる。


「おっ、アッパレテンセイも来たのか。聞いたか?宝城が…」

騒いでいたクラスメートの一人が話題を振ってきた。


「どうやらアッパレなことになってるみたいだな」

被せ気味に返答する。


「わかってんのか!じゃあさ、宝城にいつものアレ言ってやれよ」


いつものアレ…もちろんわかってる。


「宝城!アッパレだな!おめでとう!」

俺の声がクラス内に響く。それを聞きクラスメイト達は大盛り上がりだ。


「出ました!アッパレ!」

やっぱりコレだよと言わんばかりの盛り上がり。いつものアレを聞いた宝城はこう返してきた。


「貴方ならそう言うと思っていました」

自信に満ち溢れた顔でこう続ける。

「ありがとうアッパレ君」


「うお、珍しい宝城が人をあだ名呼びするなんて」

別のことで盛り上がり始めるクラスメートたち。そこへ担任の先生が入ってくる。

ホームルームの始まりを察知して、自分の席へと皆、散っていく。


俺と宝城は席が隣だ。皆が席につくまでの間少し話す。


「どういたしまして!いやでも宝城はすげぇよ。ホントアッパレだ」

少し笑う宝城。あんまり笑うイメージが無いから、少し違和感があった。


「2回も言われてしまいましたね。…今のは忘れます」

「ん?なんでだよ?別に何回言ってもいいだろ」

「ダメです」

「えぇ…?褒められるってさ、何回でも嬉しいじゃんか」


「あんまり褒められ慣れてないんです。くすぐったくて」


思い返してみると宝城に対してはアッパレと言った記憶がなかった。覚えていないだけかもしれないが…。


「…ふーん、じゃあ慣れたほうがいいんじゃね?アッパ…」


「申し訳ないですが3回目はいりません」

凛々しい表情に戻った宝城にキッパリと断られた。



学校が終わり、皆帰路に着く。人によっては部活、塾、遊びに出かける…それぞれだ。


今日は予定が無かった。バイトもシフトに入ってないし、真っ直ぐ帰ろう。

クラスメートたちに別れを告げ家路につく。


それにしても…


もうすぐ冬休みだ。終わればもう高校生活も終わり。どう過ごそうかな…。大学生活もあんまり想像つかないし…。


「ま、どうにかなるか。盛り上げればどうにでもなるだろうし」

そう。テンション上げてけば、大体のことは解決する。考えるよりも動くのが一番だ。

 

帰り道、学校近くの公園に1人の少女がいた。…中学生くらいか?紫の髪。ショートヘア。身長は…160くらいかな。

その子は1人ぶつぶつと木の前で喋っていた。気になったから、ベンチで本を読むフリをして何を喋っているのか聞き耳を立てる。

なんか、よくないことをしてる気がするけど好奇心には勝てなかった。


「この未明刀の錆にしてくれよう。悪人どもこの剣士"十六夜"が貴様らの罪を断ち切ってくれる…」

何かポーズの様なものをとっている。


「いや…違うよ…こんな感じじゃなくてもっとクールでカッコいい…」


そのセリフに聞き覚えがあった。前にテレビで放送されていたアクション映画。


役者目指してんのかな?

と思ったけど彼女の目はいわゆるマジだった。もしかして…厨二病というヤツ…?


不意に少女がこちらを向く。

どうやら自分の世界に入り過ぎてこちらには全く気づいていなかったみたいだ。


「見てた…?」

細く、鋭い目が困ったように見開かれていた。沈黙…いや、黙っててもしょうがないか。


「ちょっと」

また沈黙。

やべ、どうしよう。変な雰囲気だ…何か、何か言おう!


「演技の練習とか?アッパレだな!凄く迫真っていうか本物みたいな迫力?みたいなの感じたよ!」


俺が答えると少女は顔を赤くしたが、すぐに凛とした表情になった。そして


「ふっ…この十六夜紫電の背後を取るとは…。中々の手だれと見た。」


シデン…?

映画の主人公って十六夜ってだけだったと思うけど…


「少し…試すか」


「えっ…試すって?」


少女がこちらに突っ込んでくる。


「ちょちょちょっと待て!」

ヤバい!この子ヤバい子だッ!

逃げよう!


「覚悟ッ!」


瞬間、俺とその子の間に捩れが起きた。空間が歪んだみたいな。昨日見たのと同じような捩れ。でも、それは昨日のよりも大きく深い捩れだった。


意識が遠のく…。



目が覚める。

「何が起きたんだ…?」

俺は仰向けに倒れていた。起き上がりながら周りを見渡すと公園じゃなかった。


「どこだよここ」

この空間は現実の世界とは思えない場所だった。地面は真っ白。上を見上げると様々な色が混ざって捩れたり、まるで絵の具を溶かした水のような空だった。

地面はどこまでも続くようだ。所々、小規模な岩山のようなものが見える。果ては見えない。異質な空間。


「さっきの女の子は!?」

彼女もここにいるのだろうか。明らかに自分よりは幼かった彼女の身が心配だった。


「おーい!」

身を起こし叫ぶ。


返事はない。

名前…名前を呼んでみるか。

取り敢えずさっき聞いた名前を呼んでみる。


「おーい!十六夜ちゃーん!」

下の名前で呼びたかったが忘れてしまった。かんでん?えのでん?じてん?


「いないのか…?」


瞬間、不安に襲われる。少女を心配している場合じゃない。自分の身を心配すべきだ。


ここはどこなんだ?なんでこんな所に?さっきまで公園にいたはずだろ?帰れるのか?夢じゃないのか?足がすくみ始める。


どうする…


「出口…出口があるはずだよな?」


こんな時は取り敢えず動く。じっとしているのは性に合わない。何かしないと頭がおかしくなりそうだ。


歩き始めようとすると、足元に何かが落ちているのが見えた。

右の手に取ってみる。


「なんだコレ…絵の具?」

落ちていたのは絵の具のチューブのようなもの。赤色…だということはわかった。

下の方に数字の10が刻印されている。なんか意味あるのか?


と、後ろのほうに何か気配を感じた。異様な気配。慌てて振り向く。


「なっ、なんだお前!?」


透明な影?のようなもの。人間ではなかった。シルエットは確かに人型だけど、輪郭はおぼろげだ。

こちらへ近づいてくる!?


「うおおおお!…来るな!なんなんだよ!?」


イロ…イロ…


何か言ってる…色々?

何言ってるんだ!?俺は色々なことが起きて今困ってるんだ!


手に力が入る。はずみで、チューブの蓋にあたる部分を捻ってしまう。


蓋の先から赤い突起が出てくる。丁度、リップクリームみたいに。そして赤い閃光が迸る!


「なっ、なんだこれ!?」


透明な影は怯んで後退りした、閃光が走り俺の左手に赤い輝きが灯る!


「なんだ、槍か?コレ!?」


気がつくと左手には槍が握られていた。身長170cmの俺よりも少し大きな赤い槍。

不思議とあまり重いとは感じない。呆気に取られていると、透明な影が襲いかかってきた!


「うわっ!」

反射的にかわす。こいつは明確に敵意を向けてきてる!


「ど、どうする…。どうしたらいい」

焦りから言葉が口から出てしまう。

槍を振ればいいのか?違う、突くのか槍は。


瞬間、何か飛んできた。それは透明な影にぶち当たり、吹っ飛ばした!


「くそっ!今度は!?」

飛んできたものに目をやると紫色の衣装を纏った人間だった。


「ぐっ…この十六夜紫電を追い詰めるとは…中々やるな…!」

顔には半透明の紫のバイザーを付けているがわかった。さっきの女の子だ。


「さっきの…十六夜ちゃん!無事だったのか…っていうかその格好は何!?」


「むっ…先ほどの手だれか…。これは十六夜紫電としての真の姿。天啓だ…先ほど拾った絵の具でこの力を解放したのだ!」

手には刀が握られていた。


「絵の具の形をしておるのだ解放の仕方は明白」

「いや、確かに絵の具って蓋開けて使うけど…」

自分は槍を手に入れたが姿は変わっていない。どういうことなんだ?


「来たかっ!」

少女の目線の先を見る。

そこには人型の異形がいた。

先ほどの影とは違う。輪郭もはっきりとしている。ドギツイ青の炎のようなシルエットをしていた。コイツは…なんだ?


「手だれよ!手に持っている絵の具を武器に挿すのだ!」


「えっ…あっ、なんて?」


「絵の具を武器に挿す!」

一瞬、普通の女の子のみたいな喋り方。


「挿すったって…」

と言っていると槍の付け根あたりに穴があるのがわかった。ここか?


「早く!怪物はそこまで来ている!」


「わ、わかった!」

絵の具を穴に装填する。槍の先端が赤く光りだした。


「そうしたらボタンが武器のどこかにある!そこを押すのだ!」


「えっと…ここか!」

槍の持ち手の上部分にあるトリガーを引いた、先端から赤い奔流が流れ、天晴を包む!


「叫べ!彩色顕媄と!」

少女が言う。

「サイショクケンビ!」

言われるがままに叫んだ!


天晴の姿は変わっていた。衣装は先程の少女と一緒だが、赤い。


「なんだこれ…いわゆる変身ってやつか?」


「考えている場合ではない戦うぞ」


「…どうやらアッパレなことになりそうだな」

こうなればヤケクソだ!やるしかない!震える身体を無理矢理動かす!


異形は突っ込んでくる!少女も突っ込み、刀で斬りつける!

激しく火花が散る。


「今行くぜ!」

突っ込む!槍は身体の一部のように自在に触れた。敵を一閃!貫いた感覚は無く、弾き飛ばすような感覚があった。


唸りながら吹っ飛ぶ敵。

「やるな…流石、私の背後をとっただけはある…」

少女からの賞賛。


「俺からも君はアッパレだって言っておくぜ」

「何それ?」

キョトンとした顔


「すげぇってことさ」

「ふっ…当然だ」

また凛々しい顔つきに戻った

叫び声が聞こえた。


「おいおい…まだ倒せてないぞアイツ!」

「中々手強い」

なんと…叫びに共鳴するかのように透明な影が湧き出してきた。


「多いぞ!」

「全てこの未明刀の錆にするまで」


武器を構えた。

瞬間、後ろから緑の閃光と金の閃光が走り、透明な影たちに襲いかかる!

消し飛ぶ影たち!


「なんだ!?」

少女と共に振り返ると岩山の上に2人の人影が見えた。緑と金の衣装に包んだ…女性?


「その声…もしかして陽向くん!?」

緑が叫ぶ。


「えっ、陰山さんですか!?」

岩山の上から2人が飛び降り、こちらに駆けてくる。


「まさか陽向くんも変身してるなんて…わたし達初めてなんだけど…何か知ってる?」


「いや、俺も…って宝城!?」

金の衣装の女性に目をやるとクラスメイトの宝城玲花だった。


「えっ、2人知り合いなの?」

陰山さんは困惑している。


「陽向くん貴方も…」

宝城は落ち着いた表情でこちらを見つめる。

「ああ…だけど…」


俺は敵の方に向き直る。

「話は後だ!」


青い炎の怪人はまだ立っていた。

「とにかくアイツを倒そう!」

「きっと、アレが親玉だよね。透明なのは簡単にやっつけられてるけど、アイツは結構しぶといみたいだし…」

陰山さんの分析。やっぱり、安心できるなこの人。


槍を握り直す。さっきまであった恐怖心は薄れていた。今は…盛り上げていく!


「アッパレに行こう!」

俺の掛け声に他の3人も戦闘体制に入る。

一斉に敵に突っ込む。とにかく敵を倒すことを考えよう。


紫の少女が誰よりも早く敵陣に切り込む!

「1人は危ない!」

陰山さんが叫ぶが聞こえていない。


「何やってんだ!」

俺は加速する。


陰山さんの武器は弓、少女を襲おうとする影を射抜く!が、1発だけ俺の頬を掠めた。冷や汗が出る。


「ごめん!陽向くん!」

「大丈夫っすよ!当たって無いですから!」


「やはり、武器は皆ある程度扱えるようですね」

宝城が、呟きながら武器であるステッキを敵にかざす。先端から金の光線が放たれ影を吹き飛ばす!少女は爆風を、時折ぶつかる透明な影をものともせず青い炎の怪人に突っ込む!追いついた俺は、共に怪人に武器を突き立てる!


怪人の身体から青い炎が吹き出した!

俺と紫の少女は吹き飛ばされ、体勢を崩す。2発目が来る!


炎は放たれた…しかしなんとも無かった

金色のオーラが2人を守ったのだ。


「こういう使い方もあるわけですか」

宝城のステッキから発生するバリアだった。


「ナイス宝城!」

体勢を立て直し、一気に距離を詰める!

「行くぜ十六夜ちゃん!」

本名かわからないけどそう呼んだ。

「無論!」

俺たちは武器を振りかざした!


『アッパレストライク!』

『十六夜流剣技 落雷!』

全力の突き、縦一文字の一閃!

とにかく叫んだ、敵を吹き飛ばす2人の一撃!


「ぐおおおおおおお!」

叫びながら怪人は爆散した。

影達も消えていく…。爆発の中から薄い青がどこかへ飛んでいった。


「よっしゃぁ!アッパレ!」

景気良く槍を振り回す。

…と十六夜の刀にぶつけてしまった。

「ごめん」

謝ったけど十六夜は気付いてないみたいだった。

自分の世界に入ってる?空を見上げて、何かを見ているみたいだった。


…と、俺たちの元に陰山さんと宝城が追いつく。

Red.Green.Gold.Violetの4色。


「終わったんだよね…?」

陰山さんの問い。声が震えてる。やっぱり怖かったのかな?


「どうやらそのようです」

答える宝城。その声も少し震えていた。


「なんか…とにかく勝てたな!」

俺は正直疲れていた。でも、勝利を盛り上げようと思った。全然、揃ってない4人だったけど勝ちは勝ちだ。


「初陣にしては私も貴様らも中々の出来であったな」

自分の世界から戻ってきたのか十六夜が言う。


「えっ…初めてなの君!?」

妙に小慣れてるから前々から戦ってたと思ってたのに…。


「勿論。私は十六夜紫電。この程度のこと造作もない」

十六夜は得意げだ。


「かなり危なかったと思います。陽向くんが追いかけていかなければ、どうなっていたかはわかりません」

宝城は淡々と言う。


「ふん…」

十六夜は気にしていないようだった。


「まぁ取り敢えず勝てたんだから…ね?」

陰山さんが場を取り持つように話す。


「取り敢えず…どうにか…ですね…。上手く戦えていたとは思えません…」

宝城は何か考えているみたいだ…何考えてんだろ。


「いや、結構いけるもんだよな!で…帰れるのかこれ?」


光に包まれた。

何も見えない。

意識が遠のく。



気がつくと公園だった。

戻ったのか…?

横を見ると十六夜が倒れていた。


「大丈夫か!?」

駆け寄る。

「ふふっ…私は十六夜紫電…ふふ」

どうやら眠っているようだ。


夢だったのか?

違った。

俺の手にはあの絵の具が握られていた。


「夢じゃ…ない」

驚きと困惑…頭がぐちゃぐちゃだ。

でも…。


「アッパレじゃんか…」


戦いが続く気がする。俺は自分を盛り上げるみたいに呟き、絵の具を…握りしめた!



次回ッ!第二話 謎の世界、失われる色!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。