2-44.トールの切り札
気まぐれトーカ!
※雷霆羽衣鎧が《ラギアクルス・ドレス》になってましたΣ( ̄ロ ̄lll)
現在は編集して雷霆羽衣鎧に編集してます。
※文章が若干おかしかったので少しだけ編集して文章や表現を変えました。
(2019.5/17)
「…確かに鋭くキレのある斬撃だったけど、まだまだ練度が足りない。 初見の相手には有効かもしれないが、本物の実力者相手には使わない方がいいかもね」
そう言い放ったアレクに全員の視線が集まる。
アレクは何事も無かったのように、木剣から手を放し、トールから距離を取った。トールも反射的にアレクから距離を取って構える。
(あ、ありえない… あの斬撃を素手で…止めれるはずがない!)
トールは自分の一撃を素手で止めらたことに驚愕していた。初見殺しの必殺技を破られたことより、斬撃を素手て止められたことが何より信じられなかった。
雷魔法で貫通力と斬撃力を増した斬撃は防御不可能の斬撃と化す。しかし、目の前のアレクはその一撃を軽々しく素手で掴んで止めた。百歩譲って躱したのならわかる。もしくは、アレクが同じく武器に魔力を流して防御したのならまだ説明は付く… しかし、アレクは素手で止めたのだ。
(そ、そんなバカなことはない…。 僕の斬撃が素手で… 素手で止められるはずがないんだ!)
未だに思考が纏まらず、さっき起きたことに終始狼狽えているトールの姿にアレクが声を掛ける。
「…自分の理解を超えた出来事にいまだに納得いかないのか?」
「……っ‼」
「簡単な道理だ。 お前の放った一撃が、俺の普段垂れ流している魔力を超えれなかっただけだ。 魔力を纏った同士の戦いは魔力の多寡の勝負。 当然、より魔力を注いだ方が勝つし、魔力が弱い方が弾かれるのが道理だろ? ただそれだけのことだ」
「……僕の一撃が、君の手に流れている魔力に競り負けた、というのか?」
「まぁ、そういうことだな。 お前が俺を斬る為に武器に魔力を纏わせた魔力量より、俺が普段垂れ流している魔力の方が強かっただけだ。 確かにあの斬撃は鋭くキレがあったが、如何せん魔力がショボすぎる。まだ雷魔法を覚えたてって所かな? 覚えたての魔法に慣れていない魔力付与の斬撃… はっきりいえば未熟だな、ってところだ」
「…すべて、お見通しって訳かい?」
さっきと違い、少し落ち着きを取り戻したトールがアレクに顔を向ける。トールの言葉にニッとした笑みで返すアレク。
「敵わないな… 今の僕じゃ…勝てそうにないよ……」
トールは、自分の負けを認めざる得なかった。
実際、アレクの指摘通りにトールはまだ雷魔法を覚えたばかりなのだ。そして魔力操作もまだ未熟、剣に纏わせることが出来るものの、持久力に難があり多用できるものではなかった。
(僕の―――――――――――完敗だ…)
自分の力は相手には通じない。ここで潔く負けを認めて、模擬戦を終わらせる。
普通ならこう考えるが、この模擬戦は自分が仕掛けた戦い。負けを認めても、勝負を諦めるわけにはいかなかった。
(どうせ負けるなら… 精一杯やって、コテンパンにされてでも食らいついてやるっ‼)
アレクに対してニッと強がりの笑みを浮かべる。
そこにはもう、自分の力を証明したいだとか、アレクの力を見たいだとか、そんな念は含まれておらず、敗者なら敗者らしく潔く散ってやるという気も感じない。一人の男として、戦いを挑んだ者としての責任と、それを受けてくれたことに対する敬意をこめた力強い目線をアレクに送っていた。
そんな敬意の眼差しを向けられたアレクは、受けて立つとばかりに木剣を上段の構えで構える。
「あ、そういえば… 俺の本気を見せてほしいって言ってたよな? なら、今度はこっちからいくぞ?」
うっかりしていた、とばかりにアレクがトールに声を掛ける。
「なにをいまさら?」と言いたげなトールだったが、次の瞬間に状況が一変する。アレクの言葉が終わると同時に、濃密な魔力がアレクの躰からあふれ出す。
溢れ出した濃密な魔力が訓練場全体をごっそり包み込む。
「…っ‼」
余りにもケタ違いな魔力が重圧となって訓練場に居た全員に襲い掛かる。
その尋常で濃密な魔力に圧倒され、言葉を失うトール。
トールの頭の裏に鮮明に浮かび上がる明確な『死』の映像。
トールの本能が理性に訴える。
『いますぐ逃げろ!』
『戦うんじゃない!』
『勝負を放棄しろ!』
このまま戦ったら間違いなく――――――――――『殺される。』
鮮明な死のイメージが脳裏をチラつきながらも必死に本能に抗う。
恐怖心に身体を振るえながらも強い理性で押さえ込み、身体を従わせる。
トールは手に持っている木剣をアレクに向けて武器を構え直す。
恐らく今の自分の顔はとても見れたものじゃないだろう、今すぐ逃げたくて、泣きだしたくて仕方がない。それほどまでに圧倒的なまでのアレクとの実力差。それでも戦う意思を見せる。
(これは蛮勇で、ただの僕の我儘だ。)
そう理解していたも、ここを逃げ出してはいけないというプライドがトールの躰を突き動かした。
「は、ははは… とんでもない魔力だ… だけど、僕は負けないっ‼」
引きつった笑みでアレクをグッと睨みつける。
桁違いの魔力を放ち、訓練場を包み込む濃密な魔力は、押し潰されたと錯覚させられるほどの重圧となってトールや審判を買って出たランバートや観客席にいた全員に襲い掛かった。
「な、なんなんだよ… この魔力は!?」
「あ、ありえないわ。 へ、平民がこんな魔力を秘めているなんて…」
「グッ… い、息苦しい…。 なんて濃密な魔力なんだっ!!」
今までに感じたことのない重圧に息苦しさと恐怖を感じながらも、なんとか意識を保ちつつアレクとトールの模擬戦を見守る観客席の生徒たち。
(さすがアレクくんだ… やっぱり…敵いそうにないね…)
かつて一度だけ、本気のアレクと向かい合ったことのあるアイリス。
学園に入学する前の十日間、アレクとの訓練はほとんどがアレクのこの重圧の中行われる戦闘訓練だった。
初めてこの重圧を浴びたときは、気を失いそうになったが、アレクにたたき起こされてひたすら戦ったことを昔のように思い出すアイリス。他の生徒たちは気を失いそうになったり、震えてたりしているが、アイリス自身はそこまでの震えは無い。
(私もあれから… 強くなったのかな?)
始めてみた感じた時よりも、今はこの重圧の中でも自分の動きを出せそうな気がしているアイリス。
自分が少しは強くなった、アレクに近づいていると感じてほのかな愉悦に浸っていた。
Sクラス生徒の大半はすでにパニック寸前に陥っていた。
異常なアレクの濃密な魔力に、この場にいる全員が感じ、そして確信したこと。
それはトールじゃ絶対にアレクに勝てないという事実。
それを逸早く感じ取ったジョナ先生が動いた。
アレクから発せられる濃密な魔力による重圧の中、訓練場にジョナ先生が飛び降りる。
「両者、そこまでだ! これ以上の試合続行は中止とさせてもらう。 両者ともいいな?」
ジョナ先生が試合終了を告げる。
このままでは、トールの身が危険だと判断しての行動だった。もはや学生レベルの話では済まないアレクの異常までの濃密な魔力。間違いなくこの先の模擬戦はただの惨劇と化す。
そう判断しての行動だった。
「…俺は別に構いませんが……」
アレクはジョナ先生の静止を聞いて、構えを解いて重圧となっていた魔力を引っ込める。魔力の重圧が消えたことにより、観客席の生徒たちもジョナ先生も安堵の表情を浮かべる。
ジョナ先生や観客席にいる生徒たちは「これでよかった…」「もう大丈夫だ」と思って安堵の表情を浮かべていたが、次のアレクの言葉で場が凍り付く。
「…トールがまだ戦いたい、というなら俺は相手をしてもかまわないが? どうするトール?お前の判断次第だ」
アレクがトールに問いかけるように言う。
生徒たちやジョナ先生は「何をバカなことを」と思っていたが、トールの方を向いてさらに凍り付いた。
魔力の重圧が消え、死の恐怖から解放されたトールだが、その顔はしっかりとアレクを睨みつけ、なにより武器を構えて、まだまだ戦えます!と戦闘継続の意思を見せていた。
その姿にジョナ先生が急いでトールに静止の声を掛ける。
「おいトール! この模擬戦は実技監督権利で終了とする! 武器を引っ込めろ!」
ジョナ先生の声にトールは無反応。
いつまでも武器を引っ込めないトールの姿にジョナ先生が焦りを覚える。
「僕は… 僕はまだ…っ‼ アレク!君と戦う!」
「…上等っ‼ こっからはお互いの譲れない物を掛けた男の勝負といこうや!」
「や、やめないか!試合は中止だ! 俺のいう事を聞け、貴様らっ‼」
ジョナ先生の静止を訴える声が虚しく訓練場に響くが、二人とも既にその声は聞こえておらず、戦いを始める。アレクとトールがお互いに木剣を投げ捨て、そして異空間収納からアレクが魔刀:笹雪を取り出し、トールが魔剣を取り出す。
もはや、この戦いは必然。
誰も止められない事を全員が悟った。
せめて両者とも無事に生還してくれ、とジョナ先生含めた生徒たち全員がアレクとトールの模擬戦を見守った。
アレクが重心を下げ、魔刀の剣先を水平より少し下げた構えを取ってトールに突っ込む。一足でトールの間合いを詰め、下段からの斬り上げで強烈な斬撃を叩き込む。
その一撃をトールはギフト《空間歪曲》の能力で躱し、アレクの背後を取る。アレクは斬撃を空ぶって無防備になっていた背中目掛けて、トールが渾身の斬撃を繰り出す。
しかし…
「笹雪:四の太刀【裏斬】」
かつてアイリスが俺との模擬戦で見せた騙し切りの技、その本家。
後ろの敵を斬り裂くための騙し切りの斬撃だ。
重心はそのまま、手首だけをスナップさせて、腕を振る。
アレクの【裏斬】は後ろから斬りかかってくるトールの魔剣を見事に弾き返す。
「…ウグッ‼」
渾身の斬撃をアレクに防がれ、大きくバランスを崩すトール。そんな大きな隙を見逃すはずもなく左足に重心を置いて円運動の要領で勢いよく振り向く。振り向きざまに横一閃の斬撃を繰り出すアレクだが、またも《空間歪曲》の能力で確実に躱していくトール。
距離を取ったトールが息を整える。
(今の戦いは… いわば様子見、前哨戦だ。 ここからが正真正銘の本気の勝負だ!)
気合を入れなおしたトールが瞬きを一瞬したその瞬間。
眼と鼻の先に、剣を振り上げたアレクが立っていた。
「ッ!?」
咄嗟に《空間歪曲》の能力で回避を図ろうとするが、回避用に空間を捩じらせた空間がアレクの斬撃で見事に斬り裂かれた。
能力を防がれたことに動揺しているトール目掛けてアレクの裏拳が繰り出す。動揺していたトールは一瞬反応が遅れ、アレクの裏拳がガスッと嫌な音を立てて命中し、トールが数メートル飛ばされて地面に転がるが、すぐさま起き上がり迎撃の態勢を整える。
しかし内心では、いまだに動揺していた。
(は、速すぎるっ‼ それよりも、僕の能力が…斬られた!?)
トールの顔は焦りに満ちていた。
まるで動揺を隠しきれていないトールにアレクがぶっきらぼうに話しかける。
「能力を破られたくらいで動揺するなよ。 この程度で動揺してたら――――――――――」
「…ッ‼」
アレクの姿が掻き消えたと思ったら、目の前に突然現れた。
「——————————死ぬぜ?」
アレクが一切の躊躇なく剣を斬り下ろす。
その斬撃をトールは持っていた魔剣を咄嗟に水平に構え、アレクの斬撃を防ぐ。
しかし、アレクの斬撃を受けたトールが地面に少しめり込む。一体、あの細腕のどこからこんな馬鹿力があるのかと考える余裕すら貰えない一撃にトールは戸惑う。
(こ、こんな斬撃… ふ、ふざけるなよっ‼ たかだか一撃で… たった一太刀で… 気力も体力も全て削ぎ落とされた気分だ…っ‼ なんてふざけた馬鹿力だよ…‼‼)
アレクがさらに力を上げ、トールの足がさらに地面にめり込む。
「うぐ、ぐぐ… く、そっ…」
このままだとじり貧だ!
なんとか打開策を…
しかしそんな余裕がない、考えさせてもくれない。
このまま潰されるか、斬り裂かれるしかないのか…‼
必死に頭を回転させて、思考を巡らせる。
しかし、これといった打開策が思い浮かばない。
(このままじゃ… やられるっ‼)
元々勝てないのは分かっていた。
それでも戦いたくて挑んだ。
このままジリジリと負けるのだけは、絶対に嫌だ!
しかし、打開策がない…
なにかいい方法はないのか!?
少しでいい…
ほんの少しでいい…
何か… 何かないのかっ!?
必死に頭をフル回転させて考える。
しかし、この状況から打開できる案が一向に浮かばない。
そんな時、訓練場に声が響いた。
「トール! しっかりしなさいよ! なに情けない顔しているのよ!こんなところで諦めかけてるんじゃないわよ! 私に勝ったんでしょ! この私に勝ったのでしょう!? このまま負けるつもり!? こんな、ただ本当の全力を出さずして、ただ潰されるの!? その程度の男に、私は負けたっていうの!? 私に勝ったのだから… もっと最後まで本気で抗って、全力で戦いなさいよっ‼」
声の主を見る。
そこには観客席から闘技場に身を乗り出しているミルベリア=フォン=シルヴァの姿が見える。ミルベリアの眼には薄っすらと涙が見える。僕と彼女は幼馴染で小さい時から、ずっと一緒に修行してきた親友で、ライバルだ。
(そうだ… まだ僕は全力で戦ってないじゃないか! アレクは僕よりも圧倒的に強い。なら遠慮する必要は… いや、遠慮は失礼だ。これは僕が挑んだ真剣勝負っ‼ 何を考えているんだトール! 相手は僕より断然強いアレクだぞ! なら僕は…僕は…っ‼ まだ本当の全力をだしてもいいじゃないか! 全力を出さずして負ける。それは騎士として… いや、一人の男として、ただ情けないだけじゃないか!)
「う、うぉおォおォおォおおおオオオ‼」
トールがアレクの一撃を押し返す。
トールの必死な形相を見てアレクはうらやましそうな表情を浮かべる。
「…彼女の喝が効いたのか?」
「あぁ… 僕は… ミルの為に… 負けるわけにはいかないんだっ!」
(僕は同世代最強の剣士の異名を持っていたミルベリアを… 騎士の名家である《シルヴァ家》のミルを剣技で打ち倒したんだ。 そして僕が同世代最強の剣士の称号を手に入れたっ!)
(僕はミルを打ち倒して称号を奪ったのに、ミルは悲しそうな、悔しそうな顔をせず… それを僕と一緒になって喜んでくれた。 なんで喜んでくれたのか分からないが… でも、一つだけはっきりわかることがある‼)
ギィィイ――――――ンッ‼
金属が弾かれた音が闘技場に響き渡る。
トールがアレクの一撃を完全に押し返し、距離を取った。
「僕の本当の全力を出さずして… 負けるわけにはいかないっ‼」
確かに今まで戦ってきたのは自分の全力で、本気の斬撃だった。
しかし、全て防がれた。
たしかに僕は今持てる力をを出して戦った。
だけど、敵わなかった。
だけど僕には、まだ全力が残っているっ‼
これを出したら、もしかすると僕は彼を誤って殺してしまうかもしれない。
制御しきれない莫大な力に飲まれて暴走してしまうかもしれない。
かつて、切り札を使った時には、飲まれ暴走してしまった。
その時は偶然近くに居た剣聖によって事なきを得たが、死者を出してしまう所だった。
暴走事件後に剣聖に言われた「自分で制御しきれない力を使うものじゃない」という言葉。
たしかに僕はまだ未熟だ。
この魔剣を完全に把握していないし、制御しきれない。
三分も立てば、精神疲労で魔剣に精神を乗っ取られ暴走してしまう。
剣聖の言葉は納得できるもの、いや当たり前のことだ。
自分が制御できない力は使ってはいけない。
だけど、それは本当に「僕の全力を出した!」と、言えるのか?
「持てる力を全て使って負けた!」と、胸張って言えるのか?
答えは―――――――――否だ!
自分の全力。
即ち、自分の持てる力を全て使って全力で戦う事。
たとえ制御できない力であっても、これを含めた力こそが本当の全力であって、それを出さずして「本気で、全力で戦って負けた」は、ただの恥でしかない!
「これが… 僕の本当の全力だ‼」
トールが魔剣を制限の構えで持ち直す。トールの持っている魔剣から魔力が放たれる。その放たれた魔力は先ほどのアレクの魔力を上回る量の膨大で濃密な魔力だった。
「…おいおい、まじですか…」
とてつもない膨大な魔力にあっという間に訓練場が包まれる。
そして魔剣を向けられているアレクには魔力が重圧となって襲い掛かる。
ビリビリとくる感覚。そして何よりあの魔剣から感じる嫌な気配。
間違いなく、古の魔剣そのものの気配だ。
「目覚めろっ‼ 一時の愉悦をくれてやる‼————————————雷霆ケラウノス!!」
トールの解詞の言葉に反応して魔剣が目を覚ます。
先ほどまで持っていたトールの魔剣は一瞬で変貌を遂げ、その形を変形させる。
両手剣の中央に黒い溝のようなものからバチバチっといた黒い稲妻のような魔力が放たれ、トールと両手剣の周りをぐるぐると周り、やがて魔剣を持つトール目掛けて稲光と轟音を交えた黒い雷が落ちる。
衝撃によって土煙が舞い踊り、トールの姿がその中に消える。
もはや絶句の一言に尽きる。
誰もが言葉を失っていた。
やがて土煙が晴れたころ、トールの姿が見える。
バチバチバチッと電気が走る音に漆黒に輝く稲光、それが両手剣の刃を巡っている。そして、なにより変貌を遂げていたのは、その剣を持つトール自身だ。
黒い雷のような衣をまとった鎧のような雷がトールの躰を纏って、鎧を化していた。纏う魔力も、両手剣が放つ魔力も、かつてのトールが放つ雰囲気も魔力の質も大きく変わり、よりどす黒く変わっていた。
なによりトールから感じる魔力の総量が俺の持つ魔刀:笹雪の比じゃない。
「ははは… すげぇじゃん…っ」
乾いた笑い声がトールの持つ魔剣から発せられるバチバチっとした雷鳴にかき消される。
「これが僕の切り札! ヴァーミリアン家の代々当主に受け継がれる伝説の魔剣《雷霆ケラウノス》に《雷霆羽衣鎧》だ! さぁ… こっからが本気の勝負だ‼」
その声と共にバチィッの効果音と共にトールが掻き消える。
次の瞬間、アレクの目の前にトールの現れ…
「うぉりゃあぁあっ‼」
凄まじく強烈な雷を纏った斬撃をアレク目掛けて放った。
あと三話くらいで生徒会騒動終わらせたいと思います…。
トールとの模擬戦が思ったより熱が入って… あはははははは(´▽`*)
次話、お楽しみに( *´艸`)
暇つぶし程度読んで下さいね!




