2-34.決闘戦vsサザーン
( *´艸`)気まぐれとーか!
(´▽`*)令和が始まりましたねぇ!
(≧▽≦)新しい年号になって一発の更新だぁ!
「今日から確か一年生の学年ランキング戦が開催される日ですけど、やけに人が少ないですね」
金髪を肩まで伸ばした女性が野外訓練場を回りながらつぶやく。
「んーまぁそうだな。今年の一年生はえらく大人しいじゃねぇか」
赤髪を短めでカットしたガッチリした体形の男性がその質問に答える。
二人は今日から開催される一年生の学年ランキング戦を見学、又は違反行為などがないかの見回りのために野外訓練場グラウンドや屋内闘技場・訓練場を回ってみていたのである。二人はともにこの学園の生徒会に所属する生徒で共にこの学園の代表生徒でもある。
金髪の髪を肩まで伸ばしているのが生徒会長のセシリア、赤髪を短くカットした男性が副会長のアルフレッドである。二人は血縁の兄弟であり、二人ともこの国の第二王女と第二王子である。
「しかし珍しいですね。 普段なら其処ら中で素振りなり訓練している人がいらっしゃるはずなのに、一人も見当たらないなんて…」
「まぁ珍しいっちゃ珍しい光景だな。マジで人っ子一人もいやしねぇや」
セシリアとアルフレッドが周りを見ながら疑問に思う。今二人がいるのは野外訓練場グラウンドであり、放課後なら必ず人が集まる場所である。しかし今日はなぜか一人も訓練している人がいない。物家の空なのだ。
「セシリアお姉様、アルフレッドお兄様!」
二人が悩んでいると後ろから元気な声が聞こえてきた。二人が後ろを向くと、セシリアと同じ金髪の髪を背中まで伸ばし、ふんわりパーマをかけたようなふんわりとした髪型をしている女性が走り寄ってきた。
「あら! リアちゃんじゃない!」
「お? リアじゃないか!」
二人に声を掛けたのは実の妹でこの国の第三王女でありながら今年の主席一位で合格し入学したアクアリアであった。
「お姉様にお兄様どうかなさいましたか? どこかお悩みのご様子でしたので」
「リアちゃん、ここは公の場でもないから普段通りにしゃべってもいいのよ?」
「そうだぜリア 俺たちは兄弟なんだぜ?普段通りしゃべろうや!」
「わかりました!セシリア姉さん!アル兄さん!」
「そうそう、その調子!なんかリアに警護使われると背中痒くなるわ!」
「あ、奇遇ですね!私もなんか痒くなってきました!」
「もぉ!兄さん姉さん 酷いです!」
「あ、そういえばリアちゃん! 生徒会入会おめでとう!」
「ありがとうございます!!」
兄弟のたわいもない会話をした後、セシリアが本題をアクアリアに告げた。
「それにしても、今日はやけに人が少ないですね。訓練場も闘技場も関係なく一人も訓練してないし、ましてや決闘戦すら見当たらないの… リアちゃんは何か知らないかしら?」
「実は私も知らない… Sクラスのみんなはほとんど家に帰ってしまわれたし、トールくんもミルも今日は用事があると言って王都に出かけていったわ」
「なぁリア… 今年の一年生はそんなに大人しいのか?」
「んー… みんな普通に訓練やら模擬戦やってるところよく見かけますけどね…今日は見当たらないの」
「今日のところはコレで見回りを終わらせて、後は生徒会室でお茶でも飲むか?」
「そうね… 誰もいないんじゃ見回る必要もないし… リアも一緒にどう? リアの友人関係とか恋人関係とか知りたいし!」
「あ、それ俺も気になってたわ!、でリアどうなんだ?いい男でも見つけたか? 一緒に生徒会入ってきたトールって奴はどうなんだ?」
「セシリアお姉さんもアル兄さんも冗談はそこまでにしてください!」
アルフレッドが生徒会で団欒でもどうだと誘い、それに乗ったセシリアとアクアリアが生徒会室に向かう途中、一人の生徒が走り寄ってきた。その生徒は同じ生徒会に所属する生徒で会計を担当する生徒だった。
「ハァハァ… セシリア会長!あ、それにアルフレッド副会長にリアさんまで!」
息を切らして走り寄ってきたのは生徒会会計担当のトニー=フォン=ヒッチコックだった。茶髪の髪の毛をアルフレッドと同じく短くカットした髪型にしている。どうやら彼自身、アルフレッドに密に憧れを抱いているそうなのだ。
「どうしたのトニー? そんなに息を切らして…」
「セシリア会長…聞きましたか? 今室内闘技場αで行われている決闘戦をっ‼」
闘技場αとはこの学園で最も大きな室内闘技場で、講堂の横にある室内闘技場だ。普段は学園のイベントや代表選抜戦を行うときに使われる闘技場なのだ。普段は解禁されているが、あまりにも豪華で大きな闘技場なので使おうと思う生徒はまずいないのだ。
「…戦っているのは誰と誰?」
「えっと… たしかSクラス所属の序列7位アレクとBクラスの序列41位サザーンの二人の決闘戦です。なんでもサザーンがアレクに挑んだようです」
「ブハッ! アハハハハハハハ! おいおい!何の冗談だ? Bクラスの奴がSクラスの生徒相手に挑んだってのか! なんだそのイカレ野郎は!面白そうじゃないか!」
「アル!笑い事じゃないと思うんだけど… まさか開幕初日にBクラス生徒がSクラス生徒に挑むなんて…前代未聞よ! すぐに止めないとBクラス生徒が危ないわ!」
「あ、はい! すぐに案内しますっ!」
セシリア会長とアルフレッド副会長がトニー書記の先導の下、急いで向かおうとしたところで後ろのアクアリアから声がかかった。
「あ、たぶんですけど… 大丈夫だと思いますよ? アレクくんは優しい人なのでっ!」
「「「…どゆこと?」」」
セシリア、アルフレッド、トニーが初めて息の揃った瞬間であった。
◇◇◇
セシリア、アルフレッド、アクアリア、トニーの生徒会所属の生徒4名が講堂横にある室内闘技場αに到着した頃、闘技場内から凄まじい歓声と実況の声が聞こえてきた。どうやら本当にこの闘技場で決闘戦が行われているみたいだ。それもなぜか実況付きという謎の試合スタイルで。
「おい… あの実況、絶対アニの奴だろ!放送研究会のアニだろ!なにしてんだあのバカは…」
「そうみたいですね… どうしますか? 止めてきましょうか?」
「いや…もうほっとけ。 今年の放送研究会の研究費削減でいいんじゃね?」
「分かりました!今年の放送研究会の研究費削減の方向で会計しますね!」
「なにバカなこと言ってるんですか! とりあえず試合を見ますよ!」
副会長と会計の会話を会長が止める。
会長に注意されたことで二人は大人しく試合が行われている闘技場の方に目を移す。
闘技場では今まさに決闘戦が行われている最中だった。それも一方的に…
“おぉっと!またアレク選手が躱したぁあああ! サザーン選手の持つ火炎の付与がされた魔剣の一撃をことごとく躱していく! なんだあの身のこなしは!!”
放送研究会のアニの実況の下、闘技場ではアレクとサザーンの決闘戦が行わていたが、その光景は異様なモノだった。まず、アレク選手は武器を脇に挟み腕組みをしながらサザーンの放つ攻撃を全て躱しているのだ。
ひらひらと見事に躱していくアレクにサザーンが怒りながら斬撃や魔法を繰り出していく。
「…あのアレクって奴、結構やるなぁ」
「え?そうなんですか!」
「あぁ、全部相手が攻撃する前に動いて躱してやがる… 未来でも見えてるのか?」
トニーがもう一度闘技場で行われてる戦いを見る。
サザーンが剣を振りかぶった瞬間、アレクが右に半歩動く。すると先ほどまでアレクが立っていた場所にサザーンの剣が振り下ろされた。斬撃を見てから反射で躱しているわけではなく、相手が構えた瞬間から既に回避に移っている。それも全てあたかも分かっているような動きで躱していく。
「……相手の少し動作から次の行動を予測している、という訳ですか?」
「…さぁな。少なくともあんなに正確にできるような代物じゃないだろ…」
「相手の予備動作から次の行動を予測し、躱す… 一流の剣士なら可能な芸当ですが、学生レベルで既にあそこまで完成された動きで出来るのですか…あの彼は」
「いやそれだけじゃねぇ。 そもそも、あんな芸当は幾千と同じ相手と戦い続けた先にできるものだぞ。強ければ強い奴ほど見たまま反射で戦うのが強者だ。 初見の敵の動きをあそこまで完璧に把握できる奴なんてまずいるはずがねぇよ」
「ひらひら、ひらひらっと‼ 貴様真面目に戦う気はあるのかっ!この不敬者が‼」
サザーンがキレ気味にアレクに斬りかかる。しかしそれを、全て完璧に躱される。決闘戦が始まって以降、いまだに一合も打ち合っていないのだ。サザーンの斬撃をアレクが躱す、ただそれの繰り返しなのだ。
「いい加減に戦いやがれ‼」
「だって… お前弱すぎるんだもん…」
ブチッ‼
「貴様ぁああああ! 私を愚弄するのもいい加減にしろぉ!」
アレクの挑発的言動にさらに怒り出すサザーン。攻撃はさらに単調になるばかり。ただでさえ、二人の間には大きな実力差があり、それを埋め合わせるだけの技術や戦略をまるで行使しようとしないサザーンの攻撃がアレクに届くはずもない。
(それに…いい加減にあの三バカなんとかしないとな…)
アレクが闘技場の壁際に目を向ける。
そこには隠蔽魔法を使って自分の姿を隠しているサザーンの取り巻きの姿が見える。何か魔法を発動しているようだが、アレクにはまったく効果が無かったのである。
(…弱体化魔法かな、それも遅延性って所かな。 まぁ俺にはまったく効果ないようだけど)
(クソッ!クソッ!クソッ! どうしてこいつは、まだこんなに動けるんだ!普通ならそろそろ動けなくなるころだぞ! あいつら何をやっているんだ!)
一方に動きの落ちることないアレクに苛立ちを露わに斬りかかるサザーンの姿はまるで赤子の戦い。見ている観客席の生徒たちも実況によって盛り上がっているが、いつまでも決着のつかない戦いに飽きと疑問を感じ始めていたのだ。
観客席に集められた生徒たちは実はサザーンの取り巻きによって集められた生徒たちなのだ。
「平民のアレクが卑怯な手段を使ってSクラスに所属している!その平民をサザーン様が粛清してくださる!」と取り巻き達がD~Aクラスの生徒たちに一斉に声を掛けて集めたのだ。
この学園の生徒はほとんどが貴族、それもほとんどが上級貴族の嫡男や次男なのだ。彼らも実は心中ではなぜ平民が序列7位でSクラス生徒入り出来ているのか謎だったのだ。そこにサザーンという次期侯爵家当主が「その闇を暴いてやる!」「このサザーンが卑怯者を粛清してやる!」ときたものだ。生徒たちはいっせいに食いつき、ほとんどの生徒たちが闘技場に集まったのだ。
しかし一向に勝負の始まらない決闘戦に、見てわかる圧倒的実力差。
サザーンの猛攻を軽くいなし、躱し続けるアレクの姿に生徒たちは薄々気づき始めていたのだ。
これはサザーンのでっち上げだと。
ならもうサザーンに興味はない。あとはあの序列7位のアレクがどのようにサザーンを倒すのかに期待の眼差しを送っていたのだが、一向に仕掛けようとしないアレクの姿に観客たちも疑問を持ち始めているのだ。ここまで実力者が開いているのに、なぜ勝負を決めないのか、と。
一番近くで隠蔽魔法を掛けながら見ている取り巻き達もそのことには気づいていた。
「(おぃい!あのアレクって奴! 本当はマジでヤバい奴じゃないのか!)」
「(だ、だけどサザーン様が言ってたじゃないスか!)」
「(いやいやそんなこと言ってる場合じゃないだろ!早く弱体魔法を掛け続けろ!このことがバレたらサザーン様も俺たちもあのアレクって平民に報復されちまうぞ!)」
「(そ、それもそうだな!はやくサザーン様 あの平民をたおしてくださぁーい!)」
「(っていうかなんであの平民!こんなにも弱体化魔法くらっているのに、なんで動きが落ちないんだ!)」
「(しるかよ! とにかくかけまくれ!)」
「(そうだそうだ!毒でもなんでもいいから使うんだ!バレたら俺たちの命が危ない!)」
※※※
「………もう飽きたわ」
「貴様…っ‼ まだこの私を侮辱するか!いい加減にしろよ平民風情が!」
「いい加減にこの茶番も、あそこで隠蔽魔法で隠れながら弱体化魔法を使っているバカトリオにも飽きた、と言っているんだ」
その言葉にサザーンは一瞬ビクっとなるが、すぐに表情を戻し強がりを見せる。
「クッ! なんのことだが分からないな!証拠なんてないだろ!」
事実サザーンの眼には隠蔽魔法で隠れている取り巻きの姿が見えていない。隠蔽魔法は魔力も遮断することが出来る、それにサザーンはこの時のために、一族秘宝の魔剣に弱体化魔法の効力を無効化する魔道具、取り巻きたちには魔力遮断のマントを渡しているため気づかれるはずないと思っていたのだ。
「…別にどうでもいいよ。そろそろロイスとの訓練の時間なんでな。いい加減にこの茶番を終わらせようか」
「ロイス…? まさかあの無能か! 貴様っ‼ Sクラスの生徒でありながらあの無能と訓練だと!どこまでこの学園を侮辱するのだ!あんな無能なんぞ学園から追い出せばいいんだ! それを一緒に訓練をしているだと!恥を知れ!この愚か者がぁ!」
「……少なくともロイスはお前よりは強いぞ?」
「な、なんだと! 貴様私を侮辱するのも大概にしろっ‼この次期侯爵家当主のサザーン様があの無能如きに劣るというのか!」
「実力はまだお前には劣るが、少なくともロイスは… お前より強い魂を持っているぞ」
「き、貴様ぁあああ‼」
「それに… お前如きじゃ俺にはキズすら付けられないよ」
ブチブチブチッ‼
「いいだろう… 我が最強の魔法で‼ 貴様を黄泉に送ってくれるわっ‼ 数々の貴族に対する無礼に侮辱!次期侯爵家当主として貴様をここで断罪してくれるっ‼」
サザーンが俺から距離を取り始めた。
バックステップを壁際まで一気に飛び去る。
「《大空に舞う大いなる風よ! 我が意思に応え荒れ狂え! 風は暴風となり、荒れ狂い、暴風の塔となりて――――――――――――」
“おぉっと!サザーン選手が壁際に引いたと思ったら… なんと詠唱を始めた!しかし…なんだこの詠唱はっ!わたくし、まだ一度も聞いたことない詠唱だ!これはなんの詠唱なんでしょうか!!”
「こ、これは改変詠唱っ‼ それも上級魔法じゃない!」
「へぇ凄いなあのサザーンって奴!」
「ちょ、ちょっと!そんなこと言ってる場合じゃないでしょアル!」
サザーンの詠唱を聞いたセシリアが急いでこの試合を終わらせようと動こうをするが、それをアクアリアが止める。
「ちょ、ちょっとリア! 話しなさい!あのアレクって子が大変なことになるわよ!」
「セシリアお姉さん… 大丈夫です!」
「何が大丈夫なのよ! 確かに彼の動きは凄かったけど!あの詠唱からしてあの魔法は広範囲魔法! おそらく風上級魔法の【暴風乱舞】よ! いくら彼でも食らえば一溜まりもないわ!」
必死に止め動こうとするセシリアをがっちりとアクアリアが阻止する。
「だからお姉さん! 大丈夫だって! アレクくんを信じて!」
“こ、これは妙なアレンジが含まれていますが間違いありません!広範囲風上級魔法の一つ【暴風乱舞】です!な、なんとサザーン選手! 一年生ながら上級広範囲魔法を行使しようとしております! す、すごい才能だぁ!”
実況が叫ぶように声を荒げる。
しかしアレクはいつも通り平常心だった。
(へぇ… あれが上級魔法の詠唱か… っていうか長いし隙だらけだな)
「おい平民! 最後の警告だ! いままでの無礼を謝罪し、降伏するというなら赦してやるぞ!さぁ私に膝魔付け!」
詠唱を終えたサザーンがアレクの方を向きながら、勝ち誇った笑みで問いかける。
「意味が解らん。さっさとその魔法を撃ってみろ! いい加減飽きたぞ」
「へ、減らず口をっ‼ くたばれ平民風情が! 《我が敵を、暴風の塔となりて、打ち崩せ!【暴風乱舞】》‼‼」
サザーンが圧縮していた魔力を一気に開放して上級魔法を放ってきた。
さらに放った後に素早く魔法剣を自分の放った魔法に振りかざす。
「我一族に伝わる【火炎の魔剣】よ! その力を今、解き放つ‼」
サザーンの持っていた魔法剣から炎が噴き出した。噴き出した炎がサザーンの放った風魔法に吸収され、炎を纏った暴風となってアレクに襲い掛かる。
(まさかこれは…疑似的な風魔法と炎魔法の合成魔法かっ‼)
“な、なななななーんと!サザーン選手がまさか魔剣の火炎の力と自身の発動した【暴風乱舞】を掛け合わせたぁああ! こ、これはすごすぎる! 暴風が炎を巻き込んで舞い踊っていますっ! す、すごすぎるぞサザーン選手!これが次期侯爵家当主の力なのか!”
「ハハハハハ!くたばれ無礼者の平民風情がぁあ! これが我が最強の魔法!【暴風炎乱舞】だぁあああ!! 消し炭になるがいいわぁあ!!」
平成が終わった…
そして令和が始まった!
そして朝のバイトが終わったので執筆始めた…
そして執筆が終わった!
ってことで新しい年号が始めってもよろしくお願いします!
暇つぶし程度に読んで下さいね(´▽`*)




