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2-29.初授業

気まぐれにトーカさせていただきます。

Σ( ̄ロ ̄lll)…っ‼

学園案内が終わった頃には既にお昼ごろだったので、アレクとアイリス、ランバートの三名は寮の食堂で昼食を採って団欒を楽しんでいた。



「昼休みだってなのに人少ないな…」


寮の食堂には俺たち合わせて数十名ほどしかおらず、ガラガラだった。



「みんな昼食は王都街で食べてるんじゃないですかね?」

「そうなのか?」


今思えばこの学園の生徒ほとんどが貴族だったな。

そりゃ食堂で食べるよりも王都街に食べに行く方が性に合ってるのかな。



「まぁそれもあると思うけどよ… おそらくみんな研究会の入会届を出しに行ってると思うぜ」


ランバートが俺とアイリスの話に割り込む。



「そういえばアレクにアイリスは研究会入らないのか?」

「んー… 考えたこともないな」

「私も特には考えてないです」


正直、どこも物足りない。

『ダンジョン研究会』というダンジョンを攻略、探索することを目的とした研究会には少し惹かれたけど、別に研究会入らなくても攻略できるんじゃね?って思ってさ…



「生徒会の入会試験受けないのか?お前ら二人なら余裕で合格すると思うけど」


生徒会か…

正直興味すら起きない。何が楽しくて学園の雑用しないといけないんだ。



「毎年Sクラスの生徒ほとんどが入会試験に挑むらしいぜ。今年も俺たち以外は全員入会試験受けるらしいしな」

「へー… でどのくらい受かるんだ?」

「さぁ年によって違うけど、毎年Sクラスから二人くらいしか合格しないらしいぜ。まぁ今年のSクラスはみんな合格してもおかしくない面子なんだけどな」


そりゃ第三王女に四大公爵家の跡取りに剣聖の実の妹…

中々に濃い面子がそろってるからな…。



「って今思ったんだけど、アイリスって俺に対して手加減してたんだろ!」

「えっ!?」

「昨日の模擬戦だよ!アレクと戦ってる時のアイリスの動き… 正直俺見えなかったぞ!」

「いや… でもアレクくん相手だと殺す気で戦わないと私がやられますので…」

「そりゃなんだ!俺は物足りないってことか!」

「いや… そ、そんなことは…」


昨日の俺とアイリスとの模擬戦の審判を務めたランバートがアイリスに突っかかっていってる。

ギャアギャアと騒がしい昼食を終えたころに昼休憩の終了を告げる鐘が鳴り響いた。


急いで昼食のトレーを片付け、午前中に案内された第八校舎にある『第四魔法演習場』に移動する。演習場には既にほとんどの生徒が集まっており、皆少し緊張したような、それでいて少し楽しみな様な表情をしている。


第四魔法演習場は日本でいう弓道道場のような作りをしており、的の代わりに人型の的が用意されている。ここでは放出系の魔法の威力測定を行ったり、魔法の練習を行う演習場である。


やがてジョナ先生が演習場にやって来た。

ジョナ先生が教室に入ってきたところで皆整列し授業の開始を待った。



「よし、全員居るな? 遅刻欠席者はなしっと。 それでは、学園で最初の授業を始める」


「「「「よろしくおねがいします!」」」」


「じゃ最初の授業内容を説明する。といっても、もうすでに見てわかると思うが、あの的に向かって魔法を撃ってもらう」


ジョナ先生が指をさした方には人型の的が置いてある。それも十体。



「一人ずつあの人型の的に向かって魔法を放ってもらう。あの的には『抗魔』の付与がされているため、並みの攻撃じゃ破壊できないから安心して全力で魔法をぶつけてもらって構わない。 クラスメイトの魔法を見ることで各自学べるところを探すことが目的だ。 質問とかあるか?」


「質問がございますわ!」


翡翠色の眼に髪を短くカットしたショートヘアーの女の子が手を上げてジョナ先生に問いかける。

たしか名前は…


「ディップだな。 どうぞ」


そうそうディップ=フォン=ローズレイだ。

確かローズレイ伯爵家の令嬢様だったな。名前が男っぽいけど、一応女性だ。胸ないけど。



「魔法剣や魔道具などの使用はありでしょうか?」


「いや今回は禁止とする。あくまで君たち自身の実力を測りたいのでな。杖などの魔力媒体になるものも禁止だ。 他に質問とかあるか?」


魔力媒体とは魔力を発動する上で魔力を増大、威力上昇などの恩恵を与えてくれるモノだ。少ない魔力量で高威力魔法を放つために杖の先などに付けられている魔石などが当てはまる。



「よし、それじゃ早速始めていくか。序列順にランバートから行くぞ」


「りょーかいっ!」


ランバートが元気よく前に飛び出す。

たしか自己紹介の時に堂々と脳筋発現してたけど、一応魔法扱えますって言ってたもんな。どのくらいの威力だせるんだろうな?と少しランバートの魔法に興味が沸いた。



「じゃ! いくぜっ!」


おっさすがはSクラスだ。無詠唱で魔力を手のひらに集め始めた。

茶色に魔発光しているので、土属性の魔法だな…



「うおおおりゃぁあああああ!! いけぇ《アース・ブラスト》ォオオーー!!」



ランバートの手のひらから土属性魔法の《アース・ブラスト》が放たれた。

ゴルフボール代の石粒を六個ほど出現させ、的目掛けて発射する。



ガッガッガッガッ‼


物がぶつかる音が演習場に響く。

ランバートの放ったアース・ブラストの石粒が四発、見事に的に命中した。

しかし的はほとんど無傷だ。



「うむ! すばらしい魔法に魔力操作だ!よくやったランバート」


放った六個中、四つも命中させるとはなかなかの魔力操作だと先生もランバートを褒める。



「では次、グレル!」


「オッス! では行きますっ!」


茶髪を角刈りにした中肉中背の青年が前に出る。

ランバートのように無詠唱で魔力を手のひらに集め始める。



「ハァアアアアア!! 破ッ‼」


お?あれは風中級魔法の《風球(エア・ボール)》じゃないか。

空気を圧縮して相手にぶつける簡単な魔法だが、威力は絶大。



ドォ――――――――――――――ンッ‼



演習場に空裂音と共に轟音が鳴り響く。

凄まじい音だが、空気の塊をぶつける魔法だけあって威力はあるが面の破壊力に欠ける。

地面に固定されている的が少し動いた程度の威力だった。


「さすがは風使いのグレルだわ」

「『手数』の風魔法でこの威力… さすがですわ」

「さすがは風使い一族 ウォーマー侯爵家の次期当主様だな」


クラスメイトたちもあまりの轟音にグレルに称賛の声を掛ける。


「うむ!素晴らしい魔法だったぞ!さすがはグレルだ! いずれは()()()風使い(ウィンド・マスター)≫の称号を受け継ぐことができるのではないか?」


「当然っすね!いずれオイラがオヤジの≪風使い(ウィンド・マスター)≫の称号を受け継ぐっす!」


グレルが右上で大きく天に掲げ宣言する。

それを先生が「頑張れよ!」と称賛を送り、次のアイリスの呼ぶ。



「次、アイリス!」


「は、はいっ! ではいきますっ!」


アイリスは確か無属性に風、光だったな。

どの魔法を選択するんだろう?


「スゥーハァー」


アイリスが深呼吸を始める。そしてを両の手を前に突き出した構えをする。独特な構えをとるアイリスの姿にジョナ先生もクラスメイトたちも全員釘付けになる。「どんな魔法を放つんだ?」とみんな興味津々にアイリスを見守る。


アイリスが右手に光魔力を集め、左手に風魔力を集め始めた。



(ま、まさか……っ‼)



俺の嫌な予感は見事に命中した。


アイリスは両手にそれぞれ別の魔力を集め変換した。その魔力を胸の前で合わせる。合わせた両掌から『バチバチィ―――———ッ‼』と何かが弾けているような音が聞こえ始めた。間違いない。



風魔法と光魔法の合成魔法から作り出される魔法

―————————————《電離気体(プラズマ)》だ。



まだ豆粒ほどの小さな形態だが、間違いなくアレはプラズマだ。

まさか合成魔法まで使えるようになってるとはな…



「い…いきますっ‼」


アイリスが準備できたようで、撃ちますの合図を出す。


アイリスの掌には豆粒代の大きさしかない魔法が完成してした。

青白く輝く豆粒代の魔法に全員が釘付けになっていた。それは見たことがなかった魔法のようで先生すら食い入るように見入っていた。


そして、アイリスが豆粒ほどのプラズマを発射する。


操作もバッチリだ。

放たれたプラズマは的に吸い込まれるように命中し、そして爆ぜた。





ドガァァァァァァァアアンッッ‼‼





グレルの撃った風弾以上の爆裂音に全員が耳を塞ぎ目を瞑る。

眼を見開いた先を見て先生やクラスメイトたちもその眼を疑う。



(ま、豆粒ほどの大きさであの威力か…)


展開されていた魔力障壁が吹っ飛び、壁に大穴が開いていた。

『抗魔』の付与がされた的も一緒に粉々に破壊されていた。


「す、凄い…」

「あ、ありえない…」

「こ、こんなことがあるのかっ!?」

「あんな魔法、見たことない…」


皆愕然としてる。

先生ですら「これは夢か…?」と震えている。



「まだ発射までに時間がかかりすぎますね… まだ威力も大してない… まだまだ練習の余地が必要ゴニョゴニョ…」


撃った本人のアイリスが自分の放った魔法にまだ不満があるようにぶつぶつと考えている。いや十分凄いからな…。俺ですら合成魔法は作ったことがないし、使ったことすらないよ。どこで覚えたんだ、あの魔法は。


二つの属性を合わせるだけで、これほどの威力が出せるとはな…

少し実戦で使えるかどうか検討してみようかな。



「よ、よし。よくやったアイリス… 次いこうかと言いたいが、まさか展開されていた障壁まで破壊するほどの威力とは思わなかったぞ…」


「あ… す、すいませんでしたーーー!!!」


アイリスが自分が破壊してしまった半壊した演習場を見て先生に土下座する勢いで謝り始めた。


「あ、いや… 大丈夫だ。これはあくまで授業で起きたことなのでアイリスの責任じゃない。が、凄まじい威力の魔法だな…。あの魔法はなんなんだ?」


「あ、えっと。まだ練習中の合成魔法です!」


「ご、合成魔法だと!? もうそこまで扱えるのか! 今年は豊作だと聞いたが、凄まじいな…。演習場がこのざまだともう続けられないな。今日はここまでにする。明日の朝一の実技訓練を今日の続きにするので今日はこれで解散とする!」



演習場が半壊してしまった。

まさかの最初の授業でアイリスの魔法により授業続行不可能という結果で幕を閉じた。




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