表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/98

2-26.模擬戦

(´▽`*)気まぐれトーカっ!

Σ( ̄ロ ̄lll)言うんかいっ!


※本日二話目です。

アレクが用足しを終わった後、訓練場に戻ると既に模擬戦が始まっていた。

丁度訓練場グラウンドの中央でアイリスとランバートが互いに剣をぶつけあっていた。



「やぁああああああああ!!」

「うりゃあああああああ!!」


アイリスが上段から斬り下ろし、それをランバートが下段からの斬り上げで受け止める。闘級の数値的にはアイリスの方が圧倒的に上だ。しかしどうもアイリスの動きがおかしい。いつものキレがない。


何かを狙っているな…


アイリスの木剣とランバートの木剣が鍔迫り合いに入る。

単純な筋力勝負ならまずアイリスに勝ち目はない。

アイリスの持ち味は敏捷性(アジリティ)的確な攻撃(クリティカル)



「うおおおおおおおおお!!」


ランバートが力いっぱい木剣を押し込む。

アイリスも何とか踏ん張ってはいるが、時間の問題なのは誰が見ても明らかだ。


ランバートの木剣がもう少しでアイリスに届きそうになり、ランバートがさらに力を入れる。

「これで決めてやるぜ!」とさらに力を上げ押し込み、アイリスの表情が険しくなる。



(俺の… 勝ちだ!)


ランバートは勝利を確信した。が、アイリスがその表情を見てニヤっとした。

あぁやっぱり…これを狙ったのか。



『敵が勝利を確信した時こそ、()()()()()



俺が師匠から教わり、そしてアイリスに教えた()()()()()()逆撫清流(さかなでせいりゅう)】だ。

その極意は鍔迫り合いからの反撃。

剣の持つ手を緩め、敵の剣をまるで水のように受け流す。

流し後で放つ一撃で相手を斬り抜く反撃の一太刀。



アイリスがほんの少しだけ身体を横に動かし、受け流しの体制を整える。体制が整ったら、腕の力を一気に抜いて、ランバートの木剣を受け流し、身を翻して躱す。ランバートが呆気にとられた顔をして、アイリスに受け流され体制を崩す。緩めた木剣をもう一度ギュッと握りしめ体制を崩したランバートの無防備な背中目掛けて一撃を叩きいれる。



「ガハッ…っ‼」


その刹那。

ランバートが訓練場の観客席前まで転移した。致命的な一撃を観測し、ランバートが致命傷を負ったと訓練場に付与された魔法が判断したのだ。



つまり…



「私の勝ちですねっ!」


アイリスは一人残った訓練場グラウンドの真ん中からブイサインをする。


「は、ははは… 参ったぜ… 俺の負けだ…」


ランバートが苦笑いしながら、両手を上げて降参のポーズをとる。



「いやぁいい勝負だったなっ!」


訓練場グラウンドの観覧席から声を掛ける。



「あ、アレクくん!おかえりー」

「おうアレク!やっときたかよ!」

「あれ?アクアリア殿下は?」


そういえば先ほどからアクアリアの姿が見えない。


「あー殿下ならな。先に訓練場に来ていた序列二位のトールに連れていかれたよ。

なんでも「私と一戦してくださいませんか?」とかいって連れて行ってしまったよ」


序列二位のトール…

あぁトール=フォン=ヴァーミリアンか。

たしか四大公爵家の一つ《ヴァーミリアン家》の次期当主候補だったな。


この訓練場内には六つの訓練場グラウンドがある。

俺たちがいるのは『野外訓練場グラウンドγ(ガンマ)ーAグラウンド』


一番手前に設置されている訓練場だ。

グラウンドには縦30-縦20の長方形型に支柱が設置されている。その支柱内では致命傷を受けたと判断された場合、外に弾き出される魔法が付与されているのだ。冒険者ギルドの訓練場に設置されているものとほとんど同じものだ。



「ほー… まぁ仕方がないな。どうするアイリス、ランバート 俺とやるか?」

「よっしゃ、やってやらぁー! と言いたいけど、少し休憩させてもらうわ」

「じゃ私戦いますね!」

「えっ…!? 俺と戦った後なのに、まだ戦う気力あるのかよっ‼」

「ランバートさん、力に頼りすぎだと思いますよ。おかげで捌きやすかったです!」

「ガハッ…っ‼」

「あーそれと… 攻撃の筋も単調で見切りやすかったです!」

「グフッ…っ‼」

「あーそれに剣を振るたびに「オラオラオラ!」って言っててうるさかったです!」

「グハッ…っ‼」

「まだまだありますよ!えーっと…」

「そこまでだアイリス」


「え?」とキョトンとしたアイリスにランバートの方を指さしておく。

指さした先ではランバートが胸を押さえて倒れていた。


「……それ以上言ってやるな。いくらランバートが脳筋だからって」

「グハッ!!」

「「あ…」」

「どうせ俺は… 末席ですよ…力自慢ですよ…脳筋ですよーだ! ケッ…」


((やさぐれちまった…))


しまった。俺がトドメ指してしまったみたいじゃないか…。

やべぇランバートがぶつぶつ言い始めたぞ…。呪詛でも唱えてんじゃねぇのか。



「(ちょ、ちょっとアレクくん!言いすぎですよ!)」

「(いや… その前にアイリスがボコカスに言ってたじゃないか!)」

「(わ、私はそこまで言ってません!)」

「(いや!ドドメを指したのは俺だけど、アイリスだって散々言いまくっただろ!)」


アレクとアイリスがお互いランバートに聞こえないように言い合いを開始する。その間もランバートが地面にぺたんっと座り込み、指で地面に絵をかいてぶつぶつと何かをつぶやいていた。



「と、とりあえず俺とアイリスで模擬戦するか! おいランバート!審判頼むな!」

「よ、よろしくおねがいしますね!ランバートさん!」


「あぁまかせろ… ケッ」


((まだやさぐれてやがるよ…))


俺とアイリスが模擬戦のグラウンドに降りて中央に行く。俺とアイリスの武器は模擬戦用の刃引きした武器ではなく、あえて木剣を使っている。木剣の方が手にしっくりとくるのだ。それに常時木剣に魔力を纏うことで折れないようにコーティングしつつ魔力操作のレベルも上げることが出来る。



「そういえばアイリスとの模擬戦戦歴は俺の圧勝だったな」

「…たしか78戦78敗です!ですが、今日こそ一本取らせてもらいますよ!」

「おー!強く出たなぁー!」

「ええ!必ず今日こそは一本取らせてもらいますから」


「さて、始めるぞー!」


ランバートが開始を告げて、俺とアイリスの模擬戦が始まった。



開始の合図と共に、アイリスが上段から斬り込んでくる。その一撃を躱し、すり抜けざまに丸腰のアイリスの胴目掛けて振り抜くが、それを軽快な躰捌きで躱す。躱しざまに木剣を振り抜いてくる。不安定な状態から繰り出された一撃であっても、アイリスの一撃は正確なのだ。


俺の喉元目掛けて振り抜かれていた。


「おっと、危ねぇ」


喉元への振り抜きを逸れ身で交わし、体制を崩したアイリスの背中目掛けて振り下ろす。

入った!と思ったがその一撃はアイリスの剣ではじかれた。


これは…


(…騙し斬りの太刀【裏斬(うらぎり)】)


前を斬ると見せかけて後ろを斬る騙し切りの一撃だ。

まさかアイリスめ… 俺の技をまた奪いおったな!


技を奪われて悔しい気持ちとよくやったと思う気持ちがせめぎ合って微妙な気持ちになる。しかし、それでてを緩めてやるほど俺は優しくない。即座に無防備なアイリスに追撃を仕掛ける。


裏斬を放った後は、剣を後ろ引ききってしまっている。

剣を前に出すのに多少の隙が生まれるのだ。

その隙をついてアイリスに斬りかかるが、今度は弾くのではなく身を捻って躱された。

 


(弟子の成長は嬉しいものだなっ!)


アイリスとひたすら木剣を打ち合う。

カンッカンッカンッとリズミカルに木剣の打ち合う音が辺りに響く。



「アイリス… また強くなったな…っ‼」

「おかげ様です… よっ‼」


アイリスの一撃一撃がさらに鋭くなっていく。

キレが増したか…っ‼ 

さすがに俺も捌き切れなくなってきたよ…



俺は久しぶりにアイリスのステイタスを鑑定する。

==========

【名前】アイリス

【人族/女性/15歳】

【称号】愚者の弟子

【闘級】16,230

【属性】無・風・光

【技能】

剣術Lv.7

魔剣剣術Lv.2

直感Lv.3

状態異常耐性Lv.1

魔力操作Lv.5

魔力制御Lv.6

魔力探知Lv.6

【贈与】剣術《極》

【加護】魔導神の加護

【所持魔剣】

・幻霧氣琉の魔剣

==========


【闘級】が少しずつ上昇していく。

俺と打ち合うたびに強くなっていってる。


(ハァ… まったく… ほんと… イヤになってくるよ…)



本物の()()って奴は――――――





アイリスの上段からの斬り下ろしを放ってくる。それを流そうとするが、流しきれずに被弾する。

右腕上腕部を少しカスった程度だが、初めてアイリスから受けた被害(ダメージ)だ。


ついに俺の躰に刃を届かせることが出来るようになったか。と思ったらアイリスが木剣を下段に構え、左手を木剣の刃部分に添えた。剣を下段に構え、手を添える。 



(抜き手の構えか…っ‼ まずっ‼)


急いで迎撃の準備をするために、反射的に一歩後ろに下がってしまった。

その一瞬の隙を逃さないためにアイリスが一気に懐まで入り込んできた。



(間違いない… 居合斬りだっ‼)


アイリスの戦闘はその敏捷性(アジリティ)正確な一撃(クリティカル)

抜刀術系の居合斬りや抜き手はアイリスとは()()がいい剣術だ。


俺の居合を模倣(コピー)したのか…っ!?


しかし、俺の居合をアイリスに見せたのは()()()()だった。

それも一瞬でアイリスを気絶させたはずだ。

まさかたったあの一瞬で模倣したのかよっ‼


懐まで入られたら必中の技だ。回避はもう間に合わない。

「返り討ちだ!」とばかりに上段から一気に斬り下ろす。



勝負は一瞬。

俺の一撃が一瞬速いか、アイリスの居合が速いか。


「うおおおおおおおおお!!」

「いけぇえええええええ!!」



(……決まるっ‼)


審判をしていたランバートがそう思った時…
















「僕を鍛えてくださああああああああい!!!」






訓練場γーAグラウンドに大声が響き渡った。

その声に、技を放とうとした二人の動きが止まった。


登場は突然にっ‼

次話をお楽しみにっ‼



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ