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2-13.水の都

気まぐれトーカ!


※一度投稿したのに、なぜか投稿されずに消えてしまったため、再度書き直しての投稿。

精神的にダメージにより岸辺轍が重症を負いましたΣ(゜Д゜)

「おお!すげぇ綺麗だなぁ!」

「綺麗…」


ライルさんの馬車に乗せてもらって三日目

俺とアイリスは目の前に広がるその光景に目を奪われていた。


大きな滝を背にそびえ立つ、中世ヨーロッパ風の真っ白なお城に、それを囲む白い城壁。凄く手の込んだ作りの白い外壁が王都を包み込むように囲みこんでおり、さらに奥に見える滝が城をより幻想的に見せている。


ここがアスラエル王国の王都フォールス。

滝から流れ出る湖のほとりに位置するこの国の王都である。まさに「水の都」という言葉が似合いそうな幻想的な光景だった。



「お二人は王都に来るのは初めてだったのかな?」

「はい!初めてきました!」


ライルさんの問いかけにアイリスがキラキラした眼差しで答える。

しかしアレクにはその会話が耳に入ってこなかった。芸術ド素人でもあるアレクが、『これこそが幻想的な光景だ!』と、胸張って言えるほど美しい光景に見惚れていたのだ。



「どうやら見惚れているようですね。 ええ分かります、その心すごく分かりますとも。私も初めて訪れた時の感動は今でも覚えています」


その言葉すらアレクの耳には入らなかった。

アイリスが苦笑いしてアレクを肘で少し突っつく。

それでようやく俺は気が付いた。



「あ、すいません… 完全に見惚れてました」


その声にアイリスとライルさんがクスクスと笑い始めて、後ろに乗っていた冒険者たちが大声で笑い始めた。馬車の中は凄く笑顔にあふれた空間に変わっていた。





◇◇◇




「本当にここまでで、よろしかったんですか? もしよければ学園まで送りますけど?」


俺とアイリスは王都の城門を超えた後、馬車を降りた。ライルさんは有名人だったらしく、俺もアイリスもすんなりと王都に入ることが出来たのだ。


俺とアイリスが馬車を降りた理由は好奇心によるものだ。

この幻想的な場所を自分の足で歩いてみたい、散策してみたいと思う好奇心からくる行動だった。



「そうですか… また困ったことがあったいつでもクラヘラ商会に寄ってくださいね!」

「本当にここまで乗せて下さってありがとうございました!」

「本当にありがとうございます!」


俺とアイリスが御礼を言って、ライルさんが護衛の冒険者を連れて馬車で去っていった。

ライルさんから一枚の紙を貰っている。その紙には王都の簡単な地図とライルさんの紹介ある場所が描かれていた。俺は既に脳内地図に記録しているので、この紙はアイリスに渡す。アイリスはその紙を貰うと、異空間収納に大切にしまい込んだ。




「俺はこれから、王都の冒険者ギルドに向かうけど… アイリスはどうする?」

「んー… 私も冒険者登録しておきたいし、一緒に行ってもいいかな?」

「お!行こう行こう!王都の冒険者ギルドはデカいって聞いたことあるし、少し楽しみだ!」

「そうなの! ところで冒険者って私あまり詳しく知らないんだけど… 大丈夫かな」

「ああ!冒険者ギルドっていうのは――――――――」


俺とアイリスは冒険者ギルドのことを語り合いながら冒険者ギルドへと歩を進めた。

場所は門番から聞いておいた。なんでも、門番さん曰く「見たら一目で分かる」だそうだ。

まぁ『盾にクロスした剣』の紋章が付けられている看板があるのが冒険者ギルドだから、確かに一目でわかるだろうな。



場所は王城へと続く大通り沿いにあるそうだ。さすがは王都の大通りだ。至る所に出店や露店があり、賑わっている。さすがは王都だというだけあって凄い人だかりだった。



数分くらい歩くと冒険者ギルドらしき木造の建物が見えてきた。

王都の建物は一般的にはレンガ性の建築が一般的なのだが、なぜか冒険者ギルドの建物は木造建築という拘りがあるそうで、支部から本部まですべてが木造で建てられていた。


俺とアイリスが冒険者ギルド建物前まで行くと、その建物の異様な外装に絶句した。


木造建築三階建ての大きな建物にドデカく『ようこそ!冒険者ギルドのアスラエル王国本部へ!』と書かれていたのだ。木造なのに、どこかペイントされていて、凄く見た目がカラフルだ。言い方を変えればチャラく見えるのは気のせいだろうか。しかもパラダイス風デコレートされている。『盾とクロス剣』の紋章が小さく見えるんだが、大丈夫か?



アイリスは「本当にここ冒険者ギルドなんですか?」と俺に目で訴えてくる。


いや、俺も自信持てないな。

もっと質素なイメージだと思ってたんだけど…。あれ建物間違えたかな? けど、でっかく『冒険者ギルド アスラエル本部』って書いてあるし、おそらくギルド本部なんだろうけど。


俺とアイリスは微妙な雰囲気の中、建物の前で立ち止まっていた。このまま立ち止まるわけにはいかないので意を決して中に入ることにした。その中に入る直前、俺は(この冒険者ギルドのギルドマスターにだけは会いたくないな)と心に深く決めた。



ギィギィと音の五月蠅い扉を潜って中に入る。

中は外装と違ってしっかりとしている。おかしいのは外装だけだったようだと安心した。


内装は酒場に受付カウンターに素材提出カウンター用の面積の広いカウンター。ほとんどメルキド支部と同じだ。ただ受付カウンターの量がメルキドの二倍くらいか。昼間なのに冒険者の数が多い。酒場で酒を飲んだり、依頼掲示板を眺めている冒険者がちらほらいる。



俺とアイリスは一番左端の受付カウンターへと向かった。


アイリスが「なぜ左端行くの?」と聞いてきたので、なんとなく「一番左端が落ち着くんだよねぇ」ってアイリスに説明する。俺自身、なぜ左端をこだわるのか分からない。ただホッとするんだよね。




「すみません!冒険者登録お願いしたいんですけど…」


カウンターの向こう側で仕事をしていた栗色の髪をした美人受付嬢に声をかける。



「冒険者ギルド本部へようこそお越しくださいました。冒険者登録でよろしいでしょうか? 登録なさるのはあなた様と後ろの彼女のお二人でよろしいでしょうか?」


「あ、いえ。俺は既に登録しているので、後ろの彼女の登録をお願いします。」


と言って、後ろに控えていたアイリスを前に押しやる。



「畏まりました。では、こちらの登録用紙に必要事項を記入してください。書き終わった後、合否を判断する実技試験を受けてもらいますがよろしいでしょうか?」


「え、え!? 実技試験ってあるんですか?」


「はい、ございます。」


スッパリだ。マジですか。



「メルキドでは試験なんて無かったんですけど…」


そう切り出すと、後ろの冒険者たちが一斉に笑い出した。


「なんだ田舎者かよ!」

「ここは王都だぞ!」

「本部の冒険者なめんなぁ!」


は? そこ笑う所なのか?



「すみませんが… 王都の神聖な冒険者ギルド本部とメルキドの辺境の小汚い冒険者ギルド支部を比べないでいただけますか?」


や、やけに棘のある言い方するじゃないか。



「ここはこの国一番の冒険者ギルドです。国中のギルドや冒険者たちを纏める本部です。

当然ながら王都所属の冒険者はみな気高く、そして強い冒険者たちしかおりません。

メルキドのような辺境地ではどうか知りませんが、ここは試験に合格しなければ冒険者登録させるわけにはいかないのです!」


「そーだそーだ!」

「俺たちはアスラエルのエリート冒険者様だぞぉ!」

「辺境地でくすぶってる冒険者モドキと一緒にするな!反吐がでるぜ!」

「お前!それは言いすぎだろ!けど否定できねぇ!ギャハハハハハ!」

「「「「「「ギャハハハハハハハハ!!」」」」」」



本当にコイツら気高い冒険者たちなのか?メルキドの冒険者たちとはあまり交流無かったので分からないけど、少なくともコイツらは気高くはないな。


アイリスがだんだん不安になってきて「冒険者登録もういいから… 行きましょう」って言いだした。

心なしか涙を浮かべている。周りの罵声や笑い声に恐怖を感じたんだろう。


俺もこんなバカが多い冒険者ギルドで活動したくはないな、と思って「もう登録は結構です!」と言ってアイリスを連れて建物を出ようとすると後ろから呼び止められた。



「オイ!小僧! メルキドなんていう辺境で登録した小僧くん!よかったら俺が本部所属のエリートっていう力を見せてやろうか?ギャハハハ!」


周りの冒険者の中でも一際大きな冒険者が前に出てきた。



「小僧ォ~! 俺様がわざわざ教えてやろうって言ってんだぜ?返事はどうした?」


「ギャハハハハ!おいダズ!辞めてやれよ!」

「そうだぜダズ! 見ろよ!泣きそうだぜ!」

「もしかしてチビってんじゃねぇーのか!」

「違いねぇ ギャハハハハ!」



聞くに堪えない下等生物の声。

アイリスが怖がっているので俺は無視してホールを出ようとすると肩を掴まれた。



「小僧! シカトしてんじゃねえよ! 俺が教育してやるって言ってんだよ!」


ん?コイツ頭おかしいのか?俺がいつ「してほしい」って言った?



「んん? ヒューッ! 偉くかわいらしいお嬢さん連れてるじゃないか!よし小僧!その女置いていけや!俺が代わりに面倒みてやるからよ!ウハハハハ!」


「ヒューヒュー!ダズかっこいいじゃないか!」

「いよっ!オットコマエェ!」


あぁ? 人の実力を見抜けないような三下が何を言ってるんだ? なんでお前みたいな下等生物に俺がアイリスを置いていかないといけないんだ? 寝言は寝てから言ってほしいものだな。まったくサルよりも頭悪いじゃないかここの冒険者たちは。



「おい!シカトしてんじゃねーよ! 女おいてさっさとお家に帰れ小僧! お前みたいな貧弱な小僧が来ていいところじゃねーよ!」


「そーだそーだ!」

「お前みたいな貧弱が冒険者語るな!」

「そこの女は俺たちが有効活用してやるからよ!」

「お家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってろガキィ!」

「ハハハハ!そーだそーだ! ママに泣きついちまえ!」

「「「「ギャハハハハハハ!!」」」」



聞くに堪えない話声だな。


俺は無視してホールを出ようとするが、俺の肩を掴んでいる男がぐいぐちと引っ張ってくる。

服が破けちまうだろうが!そろそろいい加減に離してくれないかな。



そう思って俺は肩に置いてあった男の手を軽くはじいた。



「お!いっちょ前に抵抗してくるじゃないか! かっこいいねぇ!力の差を分からない奴は!」


「は? 力の差が分からないマヌケはお前のことじゃないのか?」


さすがに我慢の限界だったので言い返した。

アイリスが心配そうに俺を見ている。


「おぉ!勇ましいね! 俺はこう見えてAランク冒険者だぞ? Aランク冒険者様に盾突いて無事で居られると思ってんのか?」

「ハッ!人を見かけて判断してはいけないってママから教わらなかったのか? お前長生きできないタイプだな」

「ア゛ァ゛!? そこまでデケェ口叩けるなら俺と模擬戦(戦え)や!今更びびってんじゃねぇーぞ!オォ?」

「はぁ?お前みたいな図体だけのデカブツ相手にビビるかよ。寝言は寝て言わないと耳が痛いぞ」


煽られた目の前の冒険者の顔がみるみる内に赤くなっていく。どうやらめちゃめちゃ怒っているようだ。

血管が浮き出て今にも破裂しそうだ。煽られた程度で怒る奴ほど戦場では簡単に死んでいく。怒気は冷静さを欠けさせる一番の要因だと知らないのか、ド素人が!



「おっしゃ上等じゃゴラァ!! 模擬戦やんぞ小僧!その舐めた口二度と叩けねぇ用にしてやるっ!!!!」


ダズという冒険者がギルドに設置されている訓練場に向かって歩いていく。正直一番イラってさせられたのはこのダズなんだけど、それ以前にコイツラ冒険者も同類同罪だ。



(……一緒にお灸をすえてやろう!!)




「お前らみたいな三下も一緒に纏めて教育してやるから… お前らもかかってこいよ!口だけの男じゃないのならな!」


俺はそう言い残してダズの後についていく。Aランクのダズでこの怒りようだ、軽く煽るだけでもコイツラ全員ついてくるだろう。と踏んでいたがどうやら考えていた通り単細胞なバカ共だった。



後ろでは俺の挑発に乗った冒険者たちがキレだして「上等だ!ガキ!」「ボッコボコにしてやる!」と息巻いて、俺の後に続いて訓練場に入ってきた。


アイリスも心配そうに俺の後に続いて訓練場に入ってきた。




さすがは王都の冒険者ギルドだと思う。

メルキド支部で一度見た訓練場よりは綺麗だった。造りは訓練場というより闘技場(コロシアム)に近いな。まわりを魔法障壁で囲ってあるが、中の模擬戦フィールドにはもう一つ別の魔法障壁が展開されてあった。その周りを円形に観客席が設置されている。


模擬戦用フィールドには二つの魔法障壁が張ってあり、魔眼で効果を確認するとどうやら致死性の被害(ダメージ)を受けると外に弾かれる仕組みのようだ。




これなら少し本気で戦っても大丈夫そうだ、と安心する。




アイリスや数名の冒険者たちは観覧席に行き、俺とダズ含めたほとんどの冒険者が闘技場に降りた。



闘技場ではアレク一人に対してダズ含めた冒険者たちがそれぞれの武器を手に向かい合っていた。訓練用の刃引きされた武器ではなく、しっかりと刃のついた剣を持っている。対するアレクは腰に指してある二本の剣ではなく、異空間収納から取り出した()()を持って構えていた。



その光景に冒険者たちがさらに怒り出す。が、アレクは動じないどこか挑発する。

曰く「お前らごときにはコレで十分だ」と。



面白半分で審判を買って出た受付嬢が面白くなさそうに模擬戦の開始を告げる。

その声に一斉に冒険者たちがアレク目掛けて襲い掛かる。




実力(チカラ)の差を教えてやるよ… 三下冒険者ども!」



(アイリスを怖がらせた罰を受けてもらうぜ!)



一人対四十八人の模擬戦が始まった。





小説を書いてる人たちに忠告です。

本当にこまめに保存しながら執筆、もしくはメモ帳などに書いてから「貼り付け」で投稿したほうが安全です。私のように投稿寸前でバグで全てがおじゃんになる可能性がありますのでご注意ください。


執筆始めたの朝11時

執筆完成したのは18時


アハハハハハ!ほんと自己最高記録の執筆時間だよ( ゜Д゜)

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