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2-10.眩しい入学動機

気まぐれトーカ!


※次回からヒロインの育成と旅路編1~2話書いて入学編に入れたらなぁ、と考えています。

「…え? あ、はい…大丈夫です!少し歩き疲れて休んでいました。どうかお気になさらないでください。」


突然声を掛けられて、少し驚きながらも返答してきた。

驚き方が少し可愛かったのは口に出さない方がいいだろう。変質者と思われたくないのでな。


それにしても、少し歩き疲れたって感じの疲労ではない気がする。

それも何時間もぶっ通しで歩いてきたかのような疲れ具合だ。


お気になさらないでください、か。

はい、そーですか。ではさらば! とはいかないよな、もうすでに話しかけてしまったし。このまま見捨てるくらいなら初めから声掛けたりしてないよ。


俺は薄桃色の髪をした女の子の近くまでいって、そのまま腰を下ろす。

いきなりすぐ横に座るなんて無粋なことはしてないぞ!ちゃんと一メートルくらい離れたところに腰を下ろした。



「もしかして、王都に向かっているのかな?」


俺はそのまま話しかけた。

何となく推測して視た限り、王都に向かっている気がした。

俺と同じくらいの年齢で一人旅、そして大量の荷物に片手剣だけとはいえ武装もしている。駆け出しの冒険者って感じでもない、それなら考えられるのは俺と同じ王都に向かう入学希望者か、行商人見習いかだ。



「えぇ、よくわかりましたね」


俺の言葉に肯定してくれた。やはりそうか… なら、



「…王立アスラエル学園に入学するため?」

「はい、そうです。今年の入学試験に合格できたら入学しようと思ってます」

「そりゃ奇遇ですね、俺もアスラエル学園に入学しようとおもってんだ。もちろん合格したらだけど… それよりも、もしよければ一緒に王都に向かわないか?もしかしたら合格して同じクラスになるかもしれないし」

「いえ、お構いなく。それに、さきほど乗っていた乗合馬車からどうして降りたんですか?学園に入学するなら、さっきの馬車であのまま乗っていけばよかったのだと思いますけど」

「んー… 馬車の旅に飽きたんだよね…。ずっと揺られているだけだったし。 それに、旅は道連れ世は情けって言うでしょ。旅仲間が居た方が何かと楽しいと思うよ、それにお互いに有意義な情報交換もできるだろ?」



女の子が俺に疑惑の目線を向けてきた。ちょ、なんか疑ってる…?

うまく言えたつもりなんだけど、なにかおかしかったかな…?



「あ、そういえば自己紹介がまだだったな。俺はアレク!平民出身のただのアレクだ。故郷は(一応)メルキドだ」


とりあえず、私は怪しいものではないですアピールをしておこう。

しかし、返事が返ってこない。ありゃ、失敗だったかな?

むしろ、さっきより視線が厳しくなったような。


「……、私はアイリスと言います。リルクヴィストの小さな農村出身です」

「アイリスっていうのか。よろしくね、アイリス!」


いきなり馴れ馴れしくしすぎたかな、またアイリスの視線がさらに痛くなってきたぞ…。

と、とりあえず話題を変えないと… や、やばい話題がない…。

と必死に話題になりそうなことを周りをキョロキョロみていると話題がすぐ目の前に転がっていた。

当然そこには疲れ切っているアイリスの姿があった。



「あ、アイリス… もしよかったら握手しよう」


あ、あれ…?さらに視線が… 険しくなったんだけど…。

ちょ、そんな不審者を見るような目やめてくれ!


しかし既に右手をアイリスの前に差し出している、このまま下げるわけにはいかない。

やり通す!根気勝負じゃぁあ!


それから数分くらいたって一向に手を引っ込めない俺についに折れたのかアイリスが手を握ってくれた。よし、これでやっと魔法が発動できる。



「【疲労精神回復(リラクゼーション)】」


俺は握ったアイリスの手をギュッと掴んで魔法を発動する。

この魔法は俺が編み出した魔法で、体力や精神疲労を回復できる魔法だ。


発動条件は俺が触れていること。

正直アイリスの肩とかに触れて流しても良かったんだけど、あのまま触ってたら、さらに俺は変質者扱いを受けていただろう。自分から触れに来てもらわないと俺の精神(メンタル)が持ちません!


俺の手を通して、アイリスに俺の魔力が流れ込む。

徐々にアイリスの顔色が良くなってきた。どうやらうまく作動したようだった。ちなみに人に使うのはこれが初めてだったので、効果があるか少し不安だったのは心中に留めておこう。



「わあ、あ… こ、これって魔法ですか?」


自分の身に起こったことに驚きながら、すっかり顔色が良くなったアイリスが身を乗り出して聞いてきた。


「あ、あぁ… 魔法だよ。疲労精神回復魔法【リラクゼージョン】。一日の疲労や精神の疲労を取り除くことができる魔法だよ」


少し食い気味にアイリスが聞いてきた。ちょ、ちょっと落ち着いてほしいんだけど。


「あ… ご、ごめんなさい。すみません、私魔力は高い方なんですが、どうしても魔法が使えなくて… その… す、すみませんでした」


あー… なんとなく察した。

アイリスの故郷は農村と呼ばれる農業が盛んな小さな村だ。

まわりに魔法を教えられる人がいなかったんだろう。それにアイリスは意外と魔力量が多い。そこらへんの冒険者の軽く二倍はある。そんな量を有していても使われた形跡が一切ない。苦労してきたんだな、と思った。


「もしよかったら、俺で良ければ魔法教えようか? 魔法使えれば学園入試に有利になると思うし!」

「え?い、いいんですか…? けど私…なんにもお返しすることができないですよ、貧乏な家出身なので…」

「別にお返しなんていらないよ。はじめに入っただろ、お互いに()()()()()()()()でもどうだって。一緒に王都に向かいながら情報交換でもしよう!」


それども、どこか踏ん切りがつかないようだったので、少し手荒だがアイリスの大荷物を俺の異空間収納にしまい込んでやった。当然、アイリスは「えっ 私の荷物どこやったんですか!」と驚き出したけど、すぐ異空間収納から取り出して、この魔法を教えてあげるから!と、今アイリスが最も覚えたいであろう魔法を披露してあげた。



案の定―――――――― アイリスは飛びついた。




フッ 俺の勝ちだ!





それにしても異空間収納に一度閉まったから解る。

この荷物()()()()()()ぞ。おそらく数十キロはあるだろう、こんな荷物をリルクヴィストから背負ってここまで歩いてきたのか。それに、こんな大きく重たい荷物を背負って王都まで行くつもりだったのか、と少し関心する。体力に自信のある男でも根を上げるくらいキツい。それに、まだ王都までかなり距離がある。徒歩なら半月はかかるだろう。案外、ここで巡り合えたのは良かったことかもしれなかったな。




ここで、このままずっと話していたら日が暮れてしまうで、体力も気力もバッチリ回復したアイリスと一緒に歩き始めた。ちなみにアイリスの荷物は俺の異空間収納の中に閉まってある。



「私、学園を卒業したら騎士団か軍に入団して、お金いっぱい稼いで… 弟たち妹たち、そして私を育ててくれた両親にいっぱい仕送りしてあげたいと思っているの。私の家は凄く貧乏だから… 少しでも私が頑張らないとって思って…」


め、めちゃめちゃいい子やん。親孝行娘や!優しさが具現化されたような女神様やないか!

そんなご立派な夢を持って学園に入るのか… ま、眩しすぎるぞ!この子の純粋さが眩しい!



(こりゃ俺もできる限り力にあってあげないとな。)

と、お節介の虫が鈴を鳴らしている。




「そういえばアレクさんも今年入学試験受けるのですよね、どうして受けようと思ったんですか?見るからに冒険者として既に働いているように見えるのですが?」


「あ、あぁ… 俺かー」


返答に困る質問だな…。

簡単に言えば俺の野望の為であり、失った欠片を見つけるために入学する予定だ。

まぁ端から入学したってどうせ変わらないだろう、そう思ってるけど。



「俺は… とりあえず将来のために入学しようと思ってるかなぁ。ほらー 何かと学園出てたら〝箔〟って奴がつかないか? ほ、ほらっ『俺は学園を卒業したぞぉ!』って」


す、少し苦しい言い訳に見えるが大丈夫だろう。

というより、アイリスご立派な入学動機に比べたら最悪も最悪だけど、これしか思いつかなかった。



「箔ですか。私にはちょっと、あまりパッとしませんね」

「…まぁ大人になればわかるさ~ HAHAHAHAHAHA」


し、視線が痛い。

こ、ここは必殺『話題の変更』だ!



「アイリス、そろそろ異空間収納について教えようか?センスがよければ、すぐ使えるようになるよ!」


「ほ、ほんとですか? 知りたい! お、教えてください!」



フッ アイリスはどうやら魔法の知識に飢えているようだ。

チョロいぜ。と思いながら俺はアイリスに魔法の使い方を教えてあげた。




ここまで読んで下さりありがとうございます!


分からないところや「ここおかしいぞ!」のご指摘などありましたら、お気軽に感想欄にご記入ください!気づき次第、返信を書かせていただきます。


こんな趣味に走った自己満足小説を読んで下さりありがとうございます!

これからも頑張って執筆していきますので、応援よろしくお願いします( *´艸`)

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