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25.忘れた頃にやってくる。

気まぐれトーカ。


※キリが良かったのでキリました。もしかしら編集してこの話と全話を合併するかもしれないです。

オークが棍棒を振り上げ、振り下ろす。それを半歩の距離で躱し、頭が下がった所でオークの眼目掛けて剣を一閃する。その一閃でオークは目を潰されのたうち回る。普通ならここで追い打ちでもかけて確実に息の根を止めるのが先決だが、あえて放置する。


俺が今巡視すべきことはあくまで騎士たちが逃げ伸びるための最低限の時間を稼ぐこと。

魔物の討伐ではない、あくまで足止めだ。


オークやトロールは図体だけのデカブツなので動きを読んで眼潰しや脚筋を斬って動作封じで対処できているが、オーガには出来なかった。オークやトロールみたいな図体でありながらも、その動きは素早く、また皮膚は硬く、断ちづらい。


オークとトロールの動きは確実に封じて、オーガやレッドグリズリーの攻撃は確実に回避する。それが今取れる最善の手だった。


もうすでに予め準備しておいた回復薬なども既に尽きている。投擲用の短剣やロープ、様々な道具を入れておいたポーチの中はすでに空っぽだ。こんな事に首突っ込むとは考えてなかったので最低限の準備しかしてこなかった。異空間収納の中には、まだ投擲用短剣や回復薬の予備が入ってるだろうが、こうも攻撃躱しながらだと異空間収納を開ける暇がない。


あ~あ… やっぱり大人しく自分で冒険者ギルドに報告して助け呼べばよかった。門番の人に頼んだ救援要請は恐らく、信憑性が足りないとして保留状態にされているだろうな。騎士たちは無事に逃げ切れたかな?ここからならリルクヴィスト領まで一時間ちょいかな?俺後何分時間稼ぎすればいいんだ?


だめだ、圧倒的に情報不足だ。考えても答えが出ない。それに余計なことを考えられる余裕もない。一瞬でも気を抜けばその時点で終わりだ、一瞬で思考を切り替えて目の前の魔物たちへと意識を集中する。幸いなことに俺はまだ肉体的被害はほとんどない。かすり傷程度しか傷は負っていないし、精神的には疲れてはいるが、ぶっ倒れて気を失うほどではない。


もう騎士たちの姿は見えない。脳内地図で検索したらすでに四キロも離れている。そこまで逃げ切れば、俺もそろそろ撤退を始めても大丈夫だろう。隙を見て俺も撤退することにするか、と思い確実に逃げれる好機を窺う。


しかし、俺はあることを忘れていた。こんな魔物たちよりも禍々しい反応が存在していたことに。

オーガやレッドグリズリーよりも恐ろしい存在がすでにすぐそこまでやってきていることに―――――



◇◇◇





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