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プロローグ

新作です!

ペースはまだ未定ですが、コツコツ書いて行きたいと思います。

みなさんの意見や感想も送って下さい!

誤字や脱字があれば教えてください、どうぞよろしくお願いします。

四月、高校受験を無事に合格して、晴れてこの春から高校生になる今川信仁《いまがわしんじ》は新入生として北乃山高校に入学する。

中学の友達の多くとはバラバラになってしまい不安も残るが、また一緒に過ごす人間がいることに安心感もある。


「咲月起きろ、いつまでも寝てたら入学式に遅刻するぞ」

「う~ん、あとちょっと……」


水無瀬咲月《みなせさつき》、信仁と家が隣どうしで幼いころからよく遊んでいるいわゆる幼馴染みで、成績優秀、容姿端麗、おまけに人当たりもよく友達も多い。欠点をあげるとするなら、たまに気が抜けているところだ。

そのため、出発時間になっても家から出てくる気配のない咲月を信仁がが迎えにきている。


そこへちょうど、咲月の母親が部屋に入ってきた。


「ごめんなさいね、信仁くん。少し油断したらすぐこれだから」

「大丈夫ですよこのくらい」


両親同士の仲もよく、咲月の父親と信仁の親父は会社の同僚で、よく一緒に通勤していることがある。そのこともあって、母親同士のつながりも強い。

信仁と咲月もベランダからお互いの部屋を行き来するような関係でもある。


「おばさん、どうしたら起きると思いますか?」

「そうね……あ、眠ったお姫様を起こすのは王子様のキスがいいと思うのだけれど」

「え、あの、それってまさか……」

「いいじゃないべつに、それに二人とも付き合ってるんでしょ?」


そう、信仁と咲月は幼馴染みであり、恋人でもあるのだ。

信仁は中学の卒業式の日に咲月に家の前で告白され、信仁は即座に返事をした。

信仁も咲月のことは好きだったし、咲月も信仁の気持ちには気付いていた。

お互いに告白するタイミングをつかめず、ずるずると引っ張っていた想いを咲月が打ち明けた。


「いや、付き合ってると言っても、そんなついこの間のことですよ?」

「今更なにいってるの、周りから見ても2人とも恋人同然だったわよ?」


返す言葉もなく赤面しながらうつむくと、咲月の頬がわずかに紅くなっているのが見えた。

二人の会話はしっかりと咲月に聞こえていた。


「咲月、起きてたなら早く言えよ!」

「だ、だっていきなりあんなこと言い出すから起きようにも起きられないよ!」

「あらあら、咲月としては信仁くんのキスで起こしてほしかったのかしら」

「も、もうお母さん!」


咲月の顔がさらに紅くなる。

こんな場合でも、怒った顔も可愛いと思ってしまう信仁である。


「二人とも着替えるから出て行って!」

「ご、ごめん」


咲月に部屋から追い出され、二人揃って階段を降りる。


「ふふふ、孫の顔を見るのはまだまだ先になりそうね」

「おばさん孫って、気が早くないですか?」

「そうかしら?」


そう言って微笑み、階段を降りていく。

自分の母親もそうだが、咲月の母親にも敵わないことを改めて実感した信仁。

しばらく外で待っていると咲月が両親と一緒に出てきた。


「おはようございます、おじさん」

「おう、おはよう。毎度毎度すまないね」

「いえいえ、もう慣れました」


すると、俺の家からも両親が出てきた。


「咲月ちゃん、おはよう」

「おはようございます、おじさま、おばさま」

「今日から二人とも高校生か、早いなぁ」

「あら、あなたったらまだこれからよ、結婚式も孫の誕生だってあるのに」


なぜだか、今日はまだ一回も顔を合わせていない両家の母親が、同じことを言っているのを聞いて信仁は苦笑する。


「気が早いって、それに結婚式も………こ、子どもも……きちんとそのと気になったら話すからあんまり言うなよ……」


これ以上言われたらまともに顔上げて歩けなくなるくらい紅くなりそうだから釘を刺しておく。


「そうか、それじゃあ後で入学式を見に行くからね」


父親たちは有給をとり、今日の高校入学式は四人とも来ることになっている。そもそも、こういった学校行事は毎回来ている。

それは自分たちを大切に思ってくれているからだと思い、邪険にしたりせず素直に喜ぶ。


「ありがとう、行ってきます」

「行ってきます」

「「「「行ってらっしゃい」」」」


四人は声をそろえて見送ってくれる。

いつまでもこんな日々が続くと思っていた。

しかし、四人を見るのはそれが最後だった。

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