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視界は暗闇一色だった。
何も見えない。
いや、正確には見ていない。
あの出来事は夢だったのだろうか?
・・・否。
私は確かにあの駅で
少女が宙に浮かんでいるのを
この目で見た。
ありえない事だが・・・。
だが、百聞は一見に如かず。
見てしまったのだ。
信じるほかあるまい。
「こんなとこで人が
寝てるなんて・・・。」
「・・・見たこと無い顔だな。
誰かこいつ知ってるか?」
「知らねぇな。傷も無ェようだし、
一旦清瀬様に見てもらうか?」
「んだ。それが一番ですたい。」
何やら周りが騒がしい。
気を失ってる間に
酔っ払いとかと勘違いされて
野次馬が集まったか。
このタイミングで起きてしまうと
周りの反応は冷ややかなものと
なるだろう。
それこそ"お騒がせ野郎"などと
題してネットで晒し者に
されるかもしれない。
ここは警察や消防が来るまで
意識を失ったふりを
しておくのが得策か。
幸い私は単身で田舎から都会に
移り住んだ為、
近所には私の友人や知り合いは
住んでいない。
つい先程会社も解雇されたから
迷惑もかからないだろう。
次に目覚めるのは病室か、
それとも拘留所か・・・。
できれば今日起こった事全てが
夢であって欲しい。
そう願いながら、
私は一度戻りかけた意識を
手放した。
次回から物語開始となります。
長くなると思いますが、お付き合いの程
よろしくお願い致します。




