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覚え書き その6 楽しい思い出

〇主な登場人物

・海福ブレイド玲奈

主人公の高校1年生の女子。クルド人との「ハーフ」。現代の生物学で否定されている「群選択説」を信奉し動物集団と人間社会の類似性により自己へのいじめと差別を必要悪とみなし、受忍している。肉食を嫌悪しているが本人はヴィーガンではなくバターはOKなベジタリアンだと思っている。小学生のとき学校で飼育していた豚が死んだ責任を負わされて以来、豚に由来する蔑称をつけられる。

津玉茉佑香まゆか

ブレイド玲奈の所属するクラスカースト上位グループのボス。小学生のころからブレイド玲奈をいじめるだけでは飽き足らず、新しく出来た彼氏との関係上、目障りになった元カレ「ジンベイ君」を押し付けようとする。スペイン人との「ハーフ」。

・ジンベイ君

身長が2メートル前後あるジャマイカ人との「ハーフ」。本名:蘭堂駿平太

人類の歴史を人間と人間の争いであり人間と自然の争いと捉える。中学時代のある出来事により目の前のいじめは恵まれた体格を生かし阻止しようとしている。中学時代の津玉によるブレイド玲奈へのイジメには気が付かなかった。

・大島タケル

由緒正しき日本生まれの日本育ちの日本人。ルッキズムを持つブレイド玲奈からイケメンと認識されている。小学生のころから一貫してブレイド玲奈の容姿を嫌ってイジメている。

 便所飯は少なくともこの学校でやる者はいない。トイレの個室で弁当を食べようものなら、天から濡れて汚れた雑巾やトイレットペーパーのロールが降ってくる奇跡が起こるからである。

 教室やトイレの個室でも食事がとれないものは昼食時開放される多目的ホールでジンベイ君の側にいれば、食事を済ませてやってきたカースト上位種にも襲われない。

 むしろ便所はカースト上位の生徒が、人間の他の動物と異なる特徴「年中発情」の処理に使われており、ここではどんな強い個体も無防備になるので紳士淑女協定が暗黙の裡にかわされ、個室でヌいている最中には誰も邪魔しないことになっている。(だから個室を長時間占拠する便所飯は嫌われる)


 アタシが学年集会など行われる多目的ホールを覗くと今日も、ジンベイ君の周りにはコバンザメのように群がって陰キャの男女たちが弁当を食べていた。

その中で退屈そうにスマホをいじっているジンベイ君の向かい合うように席に座りやたらと何か話しかけているのはおそらく学校一嫌われ者で同じ1年生「金ゴンザレス」である。

 前髪をエッチなゲームキャラの主人公のように目が隠れるくらい伸ばしている(本人も意識してやっているらしい)が、顔つきは「ゴンザレスらしくなく(檜山曰く)」まっ平らな顔面に細い目が埋め込まれている典型的な東アジア人の顔つきで、そのギャップでいろいろと昔からいじられている。だがこいつの場合やられたことよりもやったことの方がはるかに問題で、入学して早々、高校生がやるべきでないエッチなゲームの主人公のように好意を抱いた複数のキレイ系の女子に学校内で会うごとに声をかけまくり(会話すれば好感度が上がって恋人同士になれると思ったらしい)結果的に全員に気持ち悪がられ、教師に叱責された。ふつう、そこであきらめるものだが彼は斜め上の行動をとり、自分のスマホに「催眠アプリ」なるものを入れたそうである。何人かの女子が全くのインチキアプリを見せつけられたが、この「催眠アプリ」はタダのインチキアプリではなくウィルスが仕組まれていた。ゴンザレスの同級生全員に学校からもらった専用のアドレス宛に彼の裏アカの内容がアップされる暴露系サイトのリンクが送られた(らしい)。

 そこには他の生徒や教師の罵詈雑言がたくさん並べているだけでなく、彼のいびつな性格もさらされる羽目になってしまった。(当時、檜山さんに言われてみてみたが「自分は普通の高校生だが、周りの程度が低いから良く見える」「俺の真の実力は異世界イシュトバーンでないと通用しない」などなど高校生になっても中二病が激しいようである)

 ゴンザレスはクラス中から集中砲火を浴び教室には居場所がなくなったので、授業以外の時間で教師の目の届かない時間には同じ中学出身で面識のあるジンベイ君のもとに身を守る意味も含めて一緒にいることが多い。(ジンベイ君もゴンザレスに「でかくて頭まで血が回らない、俺の指示で動く弥助」とまで書かれているが気にすることなく一定の距離を保って接している)

 はっきり言ってアタシはゴンザレスが苦手である。クソキモクソイモ陰キャのくせに中学時代いじめグループにうまく取り入りアタシをいじめていた。


今でも思い出す。


 アタシが中学3年の9月中旬のある日、生活美化委員として学校に早く行くことになった。学校近くの住宅街の通学路を歩いていると電柱に貼られたポスターにアタシの電話番号と高校の名前と紐水着を着たアタシの合成写真が貼ってありセフレ募集中と書かれてあった。慌ててポスターを剥がそうとしたが電柱にビッチリ張り付いていて爪で端をすこし削れるだけだった。コンクリにこびりついた紙をガシガシと少しずつ剥がしていると後頭部の髪を掴まれ、思いきり押され電柱に額をぶつけさせられた。痛みに耐えながら振り向くと、そこにはゴンザレスとその飼い主で顎の幅が頭の幅よりも広く見える同級生の宮本賢治がいた。

「おまえちゃんと前を見て歩かねえから頭ぶつけるなんて、バカだなぁ」

 そうニヤケながら言った飼い主の方がアタシを電柱にぶつけたようである。飼い犬の方は180後半ある飼い主の後ろでにやけていた。


 宮本がアタシにこのような所業に及んだのは数日前に、男子か女子かだれが言い出したかわからないが、アタシがヤリマン女だという陰口がクラスに流された。それを真に受けたのか、宮本がアタシに直接「一発やらせろ」という身もふたもないことを言ってきた。当然断ったが、すぐ要求から脅迫になり、力づく で 床スペースの広いバリアフリートイレに無理やり連れ込もうとした。アタシは体格で劣るが抵抗しもみ合いになったが、なんとか貞操が性欲に打ち勝ち、アタシが宮本に馬乗りになって押さえつけた。その時になってようやく教師が駆けつけ二人は引き剥がされた。その件はどういうわけか過剰防衛とまでいかないのに喧嘩両成敗ということで話がついてしまった。宮本は痛み分けで自分に非があるのに逆恨みして、アタシを電柱に突き飛ばしたのである。ビラを作ったのはゴンザレスのほうであろう。


 嘲笑いながら去っていく彼らを無視して、定規を使って何とかアタシと特定されそうな箇所を削り終え学校に向かうと、校門近くで先ほどのビラが点々と撒かれて、それを教師が拾ってゴミ袋に入れていた。

教師はアタシの姿を見るなりいきなり腕を掴んで引っ張って校長室に連れていった。そこには地域住民と称する黒髪が白髪に進化しそれすら素敵に、素敵に禿げつつある大和系の中年ネイティブ・ジャバニーズがなにか人語でまくし立てていた。

「そいつが犯人か」

 アタシを見るなりそのヒトモドキは言った。アタシが否定するより早く教師が

「おそらく……」

と余計で曖昧なことを言った途端、一気にヒトモドキがさらにボルテージを上げまくし立て怒鳴った。


 いいか悪いか別にしてアタシは怒鳴られると、脳がシャットダウンして一切の人語らしきものを受け付けない。

 こういうクレーマーは基本いくら怒鳴ってもすっきりするということはない。ヒトモドキが延々と怒鳴り続けさすがに疲れて息が切れてきたところを見計らって校長がアタシの側にやって来て

「まったくうちの生徒が全く申し訳ありません」

 アタシの頭を掴んで無理やり下げさせた

「本人もこの通り、深く反省しているようですし、今日のところはお引き取り、いただけませんかね」

 と取り成した、というより早くこの場を収めたいのだろう。いろいろとヒトモドキが人語モドキで捨て台詞は吐いた後、Theヒトモドキは帰っていった。嵐をやり過ごせた教師たちはアタシに「説明」を求めた。アタシはビラには全く関りがない事、宮本賢治に電柱に頭をぶつけられた、その証拠に額の打撲跡も見せ、宮本とゴンザレスが犯人ではないかという見解を述べた。校長と教師たちは宮本の名前が出た途端、顔を見合わせた。すぐにアタシは解放され、教室に戻り授業を受けた。幸い朝早くの出来事だったので話は思ったほど広まらなかった。


 その日、学校からは親に連絡がなかったがアタシが帰ってから親に事の顛末を話した。本当にアタシが問題を起こしたというなら親に連絡すると思うのだがしなかったというのは、本当はアタシが犯人ではないと思っている証左ではないだろうか。学校に押し掛けたアタシの父の抗議も、ボイスレコーダーを置いて「脅迫と問われる言動があるなら証拠として警察に提供します」と脅しかけるというモンペ対応を悪用したクソ対応をされ、父も父で腰砕けになり適当にあしらわれ帰ってきた。


 宮本は元々よその学校の生徒だがいろいろやらかして転校させられたらしい。前の学校の連中には持て余した格好で転校先にモンスター級の問題児を押し付けるなと思う。バカ共が。転校したところで反省しないやつは反省しないでここでもやっていることを前の学校でやっていたことを信じて疑わない。ウサギ小屋にいる狼が兎を襲うから他のウサギ小屋に移せば兎を襲わなくなるか。ならないだろう。バカ共が。  どんだけそういうよそからやってきたいじめる野郎にいじめられる人がいるという発想にならないのだろうか、一生モノのトラウマを植え付けられ社会人になっても仕事にも支障をきたすことがあるような人ができてしまうとは思わないだろうか、大体そんな問題あるやつをきちんと対応できるところに転校させないのはどうかしているし、引継ぎとかおそらくしていないだろうがクソ野郎どもが。


 子がこんなのだから親も親である。宮本の両親は教師を退職に追い込むほどのモンペで、攻撃に対する最大の防御は先手必勝先制攻撃であるというセオリー通りに息子がトラブルを起こすと、怒鳴り込んで捲くし立て話のすり替え責任転嫁し、もみ消してきた(そうである。)

今回も学校は下手に特級モンペを相手にするよりも組みやすい相手を「犯人」として話をまとめたいのであろう。一連の出来事は全てアタシが悪いということで決着がついた。

 だが、宮本がその程度では逆恨みは収まらず増長し子分も使ってさらなる嫌がらせをしてきた。ステック糊で死ね、バカなどを机に書かれる。ザーメンか糊かわからないものが体育着(しかも内側に)や教科書に付着している(教科書はやられた個所がダメになってしまった。縮れ毛がついていることもあった)。

 担任の男性教師には頼れないと女性の副担に相談したものの、その女教師は糊をつけられた件をいたずらで処理しようとし、犯人を捜すように求めるアタシに


「DNA鑑定でもするの?あれは犯罪歴がないと引っかからないから無駄よ」


と軽くあしらわれた。モノをダメにされるイジメ以外にもやつらに、すれ違いざまに蹴る叩く足を踏むなど幼稚な暴力を振るわれる、そのほか性的な嫌がらせなど、いろいろあってメンタルをやられアタシは気分が悪くなりしばらく学校を休んだ。


 2週間後に学校に行くと宮本のいじめの対象がアタシから他の生徒に移っていた。それが先に述べた大島や土井たちのイジメ対象の河合美幸さんで、宮本たちがいじめに加わったことでさらに凄惨なものになった。


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