覚え書き その5 特定外来種ゲロガエル
〇主な登場人物
・海福ブレイド玲奈
主人公の高校1年生の女子。クルド人との「ハーフ」。現代の生物学で否定されている「群選択説」を信奉し動物集団と人間社会の類似性により自己へのいじめと差別を必要悪とみなし、受忍している。肉食を嫌悪しているが本人はヴィーガンではなくバターはOKなベジタリアンだと思っている。小学生のとき学校で飼育していた豚が死んだ責任を負わされて以来、豚に由来する蔑称をつけられる。
・津玉茉佑香
ブレイド玲奈の所属するクラスカースト上位グループのボス。小学生のころからブレイド玲奈をいじめるだけでは飽き足らず、新しく出来た彼氏との関係上、目障りになった元カレ「ジンベイ君」を押し付けようとする。スペイン人との「ハーフ」。
・ジンベイ君
身長が2メートル前後あるジャマイカ人との「ハーフ」。本名:蘭堂駿平太
人類の歴史を人間と人間の争いであり人間と自然の争いと捉える。中学時代のある出来事により目の前のいじめは恵まれた体格を生かし阻止しようとしている。中学時代の津玉によるブレイド玲奈へのイジメには気が付かなかった。
・大島タケル
由緒正しき日本生まれの日本育ちの日本人。ルッキズムを持つブレイド玲奈からイケメンと認識されている。小学生のころから一貫してブレイド玲奈の容姿を嫌ってイジメている。
「外来種」という言葉はナチスの優生思想に通じる差別用語である。外来種から在来種を守るとは、ようは「元からいる種を汚されたくない」という純潔思想であり人種の純血思想と全く同じ発想である。日本の左欲の人たちですら外来種による生物の多様化に反対するのか正直悩む。
アタシが多目的ホールに向かおうと廊下を歩いていると前から会いたくない二人組が歩いてきた。
「よお、特定外来種ゲロガエル」
前前前世紀の人種観をご披露頂いたこいつは大島タケルという。韓国アイドルグループによくある化粧でうまくコーティングされた顔をパク った みたいな見た目をしている。こいつは1-C組のいじめグループのリーダー格らしい。
「こんにちは大島君と土井君」
アタシは笑顔で返事を返した。邪険な対応をすると余計絡んでくるし、慣れた。
金魚の糞、大島が側にいなければ何もできない大島直属の子分、渡来人たちに犯される前の縄文人みたいな平たい丸顔糸目の土井孝雄が追撃してきた。
「知っているか?お前みたいな外来種どもが日本で悪さばかりしている。ブラックバスやアメリカザリガニのような外来種は元々の豊かな環境を破壊して元からいる在来種を駆逐するんだ。そうなる前に駆除しなければ。おまえみたいな外来種を日本から駆除すれば日本人の安全安心な生活と社会が守られると思わないか?」
頭ワル。
「思わないですね。外来種も受け入れた以上、駆除すべきではない。命は皆平等と小学校で教わらなかった?」
「おまえみたいな雑種が日本の社会を汚染し、日本人の美しい生き様に悪影響を及ぼすんだ」
アタシの反論に対し金魚の糞は吐き捨てるように言った
「だったらもう手遅れですよ。こんな田舎の学校ですら10人に1人はアタシのような雑種や外来種ですし。都内の学校では半数以上のところも珍しくない。そのうち日本人の在来種もトキやニホンカワウソのように絶滅危惧種になるんじゃないの。あ、日本に今いるトキは中国産のトキの血を引くから思いっきり外来種との雑種じゃないですか。そもそも、そんなことをいうなら日本人にも優生種と劣等種があるでしょ。劣等種は駆除されるべきじゃない。例えば高校生になっても彼女がいないオスはメスから子孫を残すべきでない劣等種とみなされているからじゃないの」
ヒトモドキのレベルに知性を落として反論するのは気分のいいものでない。だがアタシのでたらめな反論は金魚の糞の方には効いたらしい。まあ絶対刺激してはいけない大島は付き合っている彼女がいることは知っていてのでたらめな反論だが。
金魚の糞はうまい反論が思いつかないのか口を半開きにして黙ってしまった。こいつに思想はなく、いじめにヘイトスピーチを利用しているだけである。
低次元の言い合いとはお互い論理破綻しているので、論破というものはなく、うまい返しができないほうが負けなのである。
金魚の糞の本体の韓流アイドルモドキはというと糞野郎がアタシに言い負かされたのを見て薄っぺら く笑っていた。
中学時代からこいつは、手下をけしかけて、いじめをしているのを見て楽しむというヒトモドキである。いじめっこといじめられっこを闘鶏か闘犬のように、けしかけ争わせ楽しんでいる。
我らが甲信県立展星高校の生徒の大半は100Mを「いかに速く」走ることや泳ぐこと、ネットに球を入れる数に全力をかけること、に全く意味を見出さないが、かといって学業も今一つである。ギリ普通以上秀才未満が大半で、普通未満の同世代を多分にバカにしている。唯一秀でているのはいじめぐらいだろう。特にこの大島はいじめや体罰を学校で禁止するから日本人はダメになった、とかいうことを面白半分に口走る韓流風イケメンでタチが悪い。
「相変わらず体臭がきついな。ちゃんと風呂に入っているか。」
飼い犬が負けたのが気に食わないのか韓流パチモンはお上品に白いハンカチで鼻を覆った。体臭は父親譲りで中学に入ってひどくなったが中二の時に手術で対策済みでそう匂わないはずである。汗をかきまくる夏場はともかく10月初頭なので収まっているはずだ。こいつはことあるごとに過去のいじめネタを持ち出してくる。
「外人のあそこは毛深いからカビで発酵でもしてるんじゃね?」
金魚の糞も追撃してきた。
「風呂には毎日入っています(嘘、シャワーのみ)、それに・・・」
言いかけている最中に韓流イケメンマガイはハンカチを左右に振った
「おまえ口もくさいからもうしゃべるな。失せろ」
いじめバトルに飽きた(のか)韓流アイドルクローンが言い放ったのでアタシは横を通り過ぎようとしたが金魚の糞がすれ違う際に足を蹴飛ばしてきた。ルーズソックスを履いていないとアタシの脚は痣だらけだ。
こいつらは中3の時、同級生一人をいじめで自殺未遂に追いやっているのに全然反省していないようである。中学卒業で「禊」が済んだと思っているのだろうか。そもそも彼らはもともと罪の意識すらないのかもしれない。学校も学校でいじめの加害者や被害者が卒業すれば問題は無くなったというようなスタンスだったのでこいつらに反省する機会を与えなかった。
203X年日本も「いじめ対策先進国」の韓国を真似て最近、公立学校のいじめ加害者は内申点が減点され、公立の高校・大学(大学入学共通テストの得点から減点される)などの入試で不利になるようにされている。
だがアタシの同級生が自殺未遂したのが中3の12月だったので彼らの高校入試には影響していないはずであろう。土井は3次募集でやっと合格したバカなので、いじめ認定されていればこの高校にいなかった。
韓国のいじめ対策もそうだが、ペナルティとしては内申点などを減点するいじめ対策は問題がある。まずいじめ認定は厳密に行われなければならないので仕方ないが長い時間がかかる。またいじめ認定された加害者側の異議申し立ても認められ、異議申し立て中はいじめ認定は保留され、内申点から減点されることがない。そして中学のいじめは、公立の大学入試や高卒対象の公務員試験に反映されない。
いじめ対策は結局、教育予算を増やし監視の目を増やし、そもそもいじめが起こらないようにするしかない。そのためにはもっと税金を教育現場に注がなければいけないのに税金の負担を増やすのは難しい。税の負担のはなしになると皆、生活弱者になる。
これほど人々が税金を払いたくない日本で、相続する家族もおらず、あの世に持っていくこともできないのに総額1兆円ものNISAや投資でこしらえたオカネを握りしめたまま多くの人が亡くなって国庫に納められている。しかし生まれてくる人数の3倍もの人間が毎年無くなっているのに一人当たりのおカネが増えないのはなぜなのだろうか。




