表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明館殺人事件  作者: シッポキャット


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/45

10 F

 岸本氏は取り出した付箋に名前を書いた後、並べたトランプに貼っていった。

「マークの色は、黒が男で赤が女。スペードとハートは先に到着していた者たち。クローバーとダイヤは後から来た者たち。数字は招待状に記されていた数字と名前に一致する、というわけだな」

 机に並べたカードを整理すると、


 【♠A】水元悟 ○✓

 【♠2】中塚尚樹 ×

 【♣3】岡林祐一 ○

 【♣4】八木芳和 ×

 【♥5】服部紹子 ○

 【♦6】町田真衣 ×

 【♦7】東原由夏 ○

 【♦8】福本郁実 F

 【♦9】洲崎倫子 ○

 【♣10】立山紘一 ○


 となった。


「JOKERの(はてな)一先(ひとま)ず置いといて、あとは(まる)×(ばつ)(エフ)(チェック)の解釈ですね」

「Fは福本のF、✓は死亡か報復済み、と言ったところか」

岸本氏はグビリと缶コーヒーを飲んだ。

「○と×は何なんでしょう? 敵・味方? 好き・嫌い?」

最近は、勝手な決めつけはやめようと心掛けているので、全く見当がつかなかった。


「根本的な質問をするが、いいかな?」

岸本氏は煙草(たばこ)の封を切り、火をつけて言った。

(うなず)いてから、一服するのを待った。


「黎明館事件の被害者は何人だ?」

「同窓会の招待客十人のうち、立山紘一を除いた九人ですよね?」

「確かに『ある囚人の独白』には、九人の死体を立山紘一は()の当たりにしている。だが調書によると、招待客の死体は五人しか発見されていない。残りの四人は別人だった」


「え? ……おっしゃっている意味がわかりません。()(くだ)いて教えてくれませんか?」

混乱した頭で問うと、岸本氏は缶コーヒーを(すす)めて言った。


「黎明館事件で発見された九人の死体のうち、五人は立山を除く○印の付いた招待客だ。残りの四人、×印が付いた招待客三人とFは、()()()()()()()()()()()()()

「じゃあ、その四人は何者なんですか? 赤の他人がクラスメートでもない同窓会に出て何が楽しいんですかね?!」

ほとんどやけくそになって叫んでいた。


「まぁまぁ、落ち着いて冷静にな。恐らくだが、幹事の水元はクラスメートを集める事が出来ずに替玉(かえだま)を雇ったか、知り合いにタダで宿泊できると誘ったかだろう。ただ、死んだ四人の中にFが含まれているかはわからない」

「Fは生きていて、身代わりの死体を用意したって事ですか? 話がややこし過ぎませんかね」

こめかみを押さえて岸本氏に訴えかけると、くゆる煙草の煙をじっと見つめて答えた。


「立山の自宅のポストに招待状を投函したのがFだと仮定すると、いろいろな繋がりが見えて来ないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ