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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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76話  意識する遥!?

 仕事を終えた僕は、誰よりも早く服を着替えて更衣室を後にした。今はまだ教習所に居てるけど、気持ちは既に家に向かっている。

 

 そんな矢先、更衣室から出た所で、長谷川さんとばったり出くわしてしまった。


「おぅ、片瀬。今から焼肉食べに行くで~?」


 え~、いきなり~!?これは立ち止まったら最後、長谷川さんに連れて行かれる!!

 

 身の危険を感じた僕は、「すみませ~ん。また今度誘って下さ~い」と言って、後ろを振り返らずに階段を下りて行った。


 ふぅ~、第1関門突破。


 すると今度は、校舎から出た所で、教習を終えて校舎に戻って来る相原と出くわした。


「お疲れさ~ん」と言って通り抜け様としたら、相原は、バスケットボールの選手みたいに両手を広げ、通させない様にブロックをしてきた。


「な、何!?」


 僕は、左右から通ろうとするけれど、彼女も僕の動きに合わせて左右に動いてくる。

 

「さぁ、早くしないと帰る時間が遅れますよ~」


 明らかおもしろがって邪魔してるよなぁ。うぅ~、めんどくさい奴め。


 フェイントを使って一瞬の隙を突いて突破。

 

 去りゆき際に、「また明日な~」とひと言言うと、相原は、「この~、薄情者~~!!」と僕の背後から捨て台詞を吐いた。


 バイクで帰っている時、信号待ちの時間が何だかいつもより長く感じられた。 家の駐輪場でバイクを止め、軽い足取りで階段を上って行く。呼び鈴を押し、自分で鍵を開け玄関を開けると、遥が玄関まで出迎えてくれていた。


 あ~、いいなぁ、これ。いつもは帰ってから真っ暗な部屋に電気を点け、洗濯物を取り入れたり、ご飯を作ったり、食べた食器を洗ったりと、なんやかんやしていると直ぐ時間が経ってしまい、後は寝るだけみたいな生活だったけど、遥が待っててくれてるだけで、何だかほっこりとした気持ちになる。


「ただいま、遥」


『お帰りなさい、片瀬さん』と、彼女は微笑みながら口だけを動かした。


 うん?何だかいつもの遥じゃない様な・・・。


「遥、しんどいの?」と聞くと、彼女は、『うううん』と首を振って答えた。


 気のせいかな?


「お腹すいたけど、汗かいたから先にお風呂に行ってきま~す」


『慌てずに、ゆっくり浸かって下さいよ』と、今度はスマホに文字を入力して送信してきた。


 スマホの画面を見た僕は、「は~い」と言って、お風呂場の前の仕切り用のカーテンを閉め、「おっふろ、おっふろ、上がったらご飯~♪♪おっふろ・・・」と、僕は即興で何だか訳の分からない歌を歌いながら体を洗っていた。

 

 それから暫くしてお風呂から上がった僕は、さっぱりした後、遥の手料理を味わいながら、些細な幸せを噛み締めていた。


「あれ、もうこんな時間だ。明日も仕事だから布団敷こう」


 彼女は『うん』と頷く。

 

 僕等は寝る迄の僅かなひと時を、お互いスマホを使って会話をする事にした。


『昼間、片瀬さんの子供の頃の写真見ました♪( ´▽`)』


「あぁ~、食べてる写真ばっかりだろ」


『はははは、そうでしたね。何かしら食べてましたね(笑)』


「わざとそんな写真を撮ったんだってさ、父親がそう言ってたのを昔聞いたことがあるよ」


『そうなんですか~』と言って、彼女は微笑んでいた。

 

 遥は僕のスマホに送信するのに少し間があったので、僕は彼女の次の言葉を待つ事にした。すると突然、僕のスマホに「ブーン、ブーン」とバイブの音が響いたので画面の文字を読んでみる。読み終えてから彼女の方を見ると、さっき玄関まで出迎えてくれた時の彼女の表情と何だか似ている気がした。


『ねぇ、片瀬さん。1つ聞いてもいいですか?』


「うん!?いいけど、どうしたの、改まって」


『あの~、麻衣さんって、どんな方だったんですか?』








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