72話 遥と初めての夜(2)
遥は肩をすくめて、少し緊張した感じに見えた。
するとその時!!!!!!!!!!!
頭の上にアラームとして置いていたスマホから突然、「リリリリリ~ン」、「リリリリリ~ン」と、けたたましく電話のベルが鳴り響いた。
えっ、誰こんな時間に。と思いスマホを見てみると、長谷川さんからだった。
僕は迷わず応答しないのボタンを押した。
すみません、長谷川さん。と心の中で謝りながら、スマホを置こうとした時、又しても電話のベルが鳴りだした。
間違いなく、電話に出なかったら出るまで鳴らし続ける人だからな、直ぐ要件を聞いて電話を切ろう。
「はい、もしもし」
「よう、片瀬。こんな時間に悪いなぁ」
「いえ、どうしたんですか?」と、少し不機嫌な声で対応した。
「あ~、明日、急遽、早番と遅番変わって欲しいんねんけど、ええかなぁ」
「はい、分かりました。大丈夫ですよ。また後でスマホに送られてくる勤務予定表、確認しますから」
「ほな頼むわ」
「はい、お疲れ様です」
そう言って電話を切ろうとしたら、最後に長谷川さんは、ささやき声で、「ファイト~~~~~、イッパァ~~~~~ツ!!」と言って電話を切った。
「ツーツーツー・・・」
何だったんだ、今の電話。
「遥がどうしたの?」と首を傾げてきたので、「明日、早番になったって。だから、え~と、8時30分迄に家を出ないと」
「うん」と、遥は頷いた。
良し、気を取り直して・・・。もう一度、遥の方へ向き直す。
「遥」と僕はささやくと、彼女はまた目を瞑った。
そんな彼女の頬をそっと軽く手で触れる。
そして、僕は遥の唇に顔を近付けた。
するとその時!!!!!!!!!!!
スマホから又しても、「リリリリリ~ン」、「リリリリリ~ン」と、けたたましくなる電話のベルが鳴り響いた。
し、仕舞った~~~!!音を消しとけば良かった。と思った時には時すでに遅く、誰からかかってきたのかを確かめて見ると、電話の相手は相原だった。
もぅ~、何だよ~。
「はい、もしもし~」と、長谷川さんの時以上に不機嫌な声で対応した。
すると相原は、「バカ~~~~~!!!!!」と言って電話を切られた。
「ツーツーツー・・・」
相原に関しては訳が分からん。
今度は遥のスマホにも、高野さんから着信があった。
「グフフフフフッ ψ(`∇´)ψ」
なるほど、分かったぞ。様は、高野さんから相原、相原から長谷川さんに情報が流れているんだろうなぁ。今日、遥が家に来ている事が。
僕と遥はお互い目が合うと声を潜めて「クスクス」と笑いあい、さっきまでの重たい雰囲気が嘘みたいに無くなり、緊張感が解けた気がした。
それから僕等は、軽めのキスを重ね合い、後は成行きに任せて、2人で初めての夜を共に過ごした。




