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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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33話  1泊2日旅行(21)~ガラス工房編(3)~

 車で15分、人里離れた場所にモダンな建物が見えてきた。

 

 駐車場には、僕等の車含めて3台だけ止まっていた。


 大丈夫かなぁ、と僕の心配をよそに相原は、すたすたと先に歩いて行く。


「すみませ~ん、さっきお電話で予約した相原ですが」


「はい、2名で予約していた方ですね、準備出来ていますんで、さぁさぁ、こちらにどうぞ」と、気さくに対応してくれた受付の20代後半くらいの女性の後について行った。


 工房の中に入ると、僕等の目の前には、エプロン姿の黒人男性が笑顔を見せて手を広げて待っていた。


「どうも、おおきに~」


 どうも、おおきにって・・・長谷川さんの外国人バージョンみたいだなぁ。


 すると関西弁を喋るその外国人に、長谷川さんは、親しみを感じたのか気さくに関西弁で話し掛けた。


「めちゃ上手やん、関西弁」


 するとエプロン姿の黒人男性も、長谷川さんに笑顔で答えた。

「おまえも上手やな」


 おぅ~、さすが関西弁を喋るだけあって、2人そろえば漫才みたいだ。


「わい、皆さんの吹きガラスをサポートします、ジョンっていいますねん。ニッポンに来てかれこれ20年になるわぁ。宜しくなぁ」


 何ともおかしな日本語を話すジョンに、僕達は自然と笑顔になり親しみを感じながら、「お願いします」と言って挨拶した。


 なんか、不安が少しほぐれたなぁ。


「で、誰するの」とジョンに聞かれると、相原が僕と遥の腕を持ち上げて「この2人」と指名した。

 

 僕は分かっていたが、指名された遥は、少し戸惑った顔をしていたので、僕は彼女の目を見て頷きながら「大丈夫」と一言言って元気づけた。


 ジョンは、「最初どっち?」と聞いてくると、「じゃあ、お願いします」と僕は答えた。


 最初ジョンから、「ここめっちゃ熱いから、ダメ」、「こうするよ」とか簡単に説明をしてくれるんだけど、聞けば聞くほど、ジョン心配なんだけど・・・。


 まぁ、ここまできたらやるしかない。と僕は腹をくくってやり始めたのだけれど、想像していた以上に難しく、中々コップの縁が思う様に丸くならない。


「もっとこうやねん」とか「チャウチャウ」とか言われて、2人して四苦八苦してやっていた。


 ジョンは、僕を見ている長谷川さん達に向って肩を上げ、笑いながら「ダメだわ~」と言って笑いをとってくると、案の定、僕以外の4人は、ジョンの仕草にゲラゲラ笑っていた。


 どうにかこうにか何とか形になり、仕上げに写真撮影。

 

 その時相原は、遥の背中を押して僕の隣に連れてきた。


「さぁ、写真撮るよ~」とそう言った相原は、僕と遥のスマホを手にし、僕達は照れながらお互い目を合した後、スマホのカメラに向かって笑顔を見せた。


 次に遥が吹きガラスにチャレンジしたけれど、さすが芸大生だけあってか、ジョンの指示に器用にこなしていった。


 ジョンも遥の手際に「ごっつ、うまいや~ん」と絶賛。

 しかしそんなジョンは、僕の顔を見るなり、親指を下に向けて、ブゥ~と笑いながら言ってきた。


「うるさいわ!!」と心の中で呟いたのは、言うまでもない。

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