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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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22話  1泊2日旅行(10)~夜空編(2)~

「ねぇ、知ってる?七夕の彦星と織姫の話し」


『はい、名前くらいは知ってるんですけど、じゃあ内容は?って聞かれると詳しくは知りませんね』


「え~とね、ほらあそこ。ひときわ明るく輝いている白い星、分かる?」

 僕は遠藤さんの側近くに寄って、彼女が分かるように右手の人差指を夜空に指し示すと、彼女もまた人差し指が示す方向を見ながら、少し身体を僕の方に近付けた。


 彼女は、「うん」と頷いた。


「あれが織姫星。琴座の中にあってベガとも言うんだ。それから、え~と、ほら、その織姫星から右下の方にある星、あれが彦星。鷲座の中にあって別名アルタイル。そんな2人の間を祝福しているかの様に真ん中を飛んでいるのが白鳥座で、その尾っぽに見えるのがデネブ。その3つの星に線で引くと、知っての通り夏の大三角形の出来上がり」


 彼女は僕と目が合うと、お互い笑みを浮かべて頷いた。


「光は1秒で地球を7周半も回るって言われてるけど、その光の速さであってさえも、彦星から織姫星まで大体15年くらい掛かるんだってさ。今、僕達が見ている距離だったらそんな感じはしないんだけど、宇宙ってそう思うと広いよね。凄いと思わない?」


『へぇ~、そうなんですか。詳しいんですね』


「はっ、恐縮です。ご静聴ありがとうございました」

 広げた右手を胸の辺りに当てて、彼女に軽く一礼した。


「あっ、そうそう。そう言えば、ここから少し歩いた所に小さな小川が流れていてね、もし運が良ければ、今の時期でも蛍が見れるかもしれないんだってさ。大体見頃は、6月下旬から7月下旬頃らしいんだ。何日か前にちらほら飛んでたよって、この施設の管理人がそう言ってたけど、もししんどくなかったら、ちょっと見に行ってみる?」


『うん、良いですね』

 彼女は微笑みを浮かべて頷いた。


「じゃあ、ちょっと待ってて。念のため懐中電灯を取って来るから」

 僕は足早に、ログハウスまで懐中電灯を取りに戻って行った。


 暫くして戻って来た僕は、「お待たせ」と言うと、彼女も、「うん」と頷いた。


「てか、遠藤さん聞いてよ~」

 僕が思い出し笑いを何とか耐えながら、部屋に戻った出来事を彼女に話した。


「音をたてないように部屋から静かに出ようとしたんだけど、寝ている長谷川さんに小声で、『ちょっと出掛けてきます』って言ったら、大きないびきでグゴッ~って答えてきたよ、長谷川さん」


 そう言うと、遠藤さんも想像出来たのか、お腹を抱えてクスクスと笑いだした。


 そんな楽しそうに笑う彼女を見て、僕は長谷川さんに心の中で謝罪した。


 すみません。ネタに使わせてもらいました。 

 

 

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