表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
19/136

19話  1泊2日旅行(7)~後片付け編~

 いっせいに勢いよく打ち上げられた花火は、ラストをかざり、見ている人達をくぎ付けにした。


 夏の風物である花火大会が終わると、観客はぞろぞろと歩きだし、「音、凄かったね~」とか、「来年もまた来たいね~」とか、口々に感想を言いながら帰路につき始めた。


 僕達は、そんな人混みが少し引くのを待ってから、今日の寝どこであるログハウスに戻る事にした。


「花火見るの久し振りだよ」


『私もです。子供の頃、夏になると良くお父さんに花火大会を連れて行ってもらったなぁ。ちっちゃかった時は、肩車なんかしてもらって見てましたね』

 遠藤さんは、ちょっと遠くの方を見る様な仕草で、昔の子供の頃の思い出を幾つか話してくれた。

 

 歩いている距離は同じはずなのに、遠藤さんとの話しながらの帰り道は、行きしなと違って何だか短い距離に感じた。


 ログハウスに帰って来ると、高野さんが「おかえり~」っと言って、声を掛けてくれたのに対して、相原は椅子の背もたれに腕を回し、その上に顎を置いてご機嫌斜めな感じで僕に話し掛けてきた。


「片瀬さん!!2人だけで打ち上げ花火を見に行ってたんですか~」


「行ってたよ。てか、誘っただろ」


「私は聞いてな~~~い」

 相原は頬を膨らませ、プィっと横を向いた。


「べろんべろんに酔ってただろ、相原は」


「そんな時は水でもぶっ掛けて、「悪霊たいさぁ~ん!!」っとでも言えば素面に戻ったのに~。う~~、私と言うものが居ながら・・・」


 良し、次回から迷わずそうさしてもらおう。


「あれ、長谷川さんは?」と、僕は相原に尋ねた。


「長谷川さんは、この施設にあるシャワー棟に先に行きましたよ」


「所で今何時、絵里ちゃん?」と、今度は相原が高野さんに尋ねた。


「20時をちょっと過ぎたぐらいですよ」


「確か22時までだったわよね、シャワー棟の利用時間って」

 

 さっきまであんなに酔っ払っていた相原なのに、嘘みたいにまともな事を言っている。


「閉まる前に早く行っといで。長谷川さん鍵持って行ってないだろうし」


 女の子達はシャワー棟に行く準備をしてから、ログハウスを後にした。


 さぁ、後片付けをチャチャッとしますか。

  

 そう思い1人で空き缶や紙コップ等、ゴミ袋に分別しながら片付けていると、肩を優しくトントンと叩かれたので振り返って見ると、遠藤さんが僕の背後に立ってスマホを見せてきた。


『やっぱり、1人で片付けてたんですね』

 そう言って、遠藤さんも片付けをし始めた。


「ここはいいからシャワー棟に行っておいで」って言おうとしたけど、多分、麻衣と一緒で「こう!!」と決めたら諦めずに実行するんだろうなぁと思い、それ以上口にせず、僕は、彼女の行為に素直に甘える事にした。 


 ありがとう、遠藤さん。


 相原と高野さんは、遠藤さんから『先に行ってて』とスマホを見せられ、急に引き返して行った。そんな遠藤さんが心配になり、後からログハウスに戻ってみると、2人で後片付けをしている光景が目に入り、相原と高野さんは目を合わせ頷いた。


「よっしゃ~!!いっちょやりますか」

 腕まくりの仕草をした相原に対して、高野さんも呆れた感じで苦笑いながらこう言った。


「もうあの2人、めんどくさ~~~い」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ