↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/1

二度目の「はじめまして」

君の言葉を疑っていたら、残されている「期限」に気付けていただろうか。

カサ、と乾いた音を立てて、足元にポカンと丸いものが転がってきた。

休日の午後。公園のベンチでぼんやりとスマホを眺めていた僕は、視線を足元に落とす。それは、少し使い古されたカラフルなゴムボールだった。

「あ、ごめんなさい! 取ってくれますかー?」

少し離れた木陰から、弾んだ声が聞こえる。

拾い上げて顔を上げると、そこに一人の女の子が走ってくるところだった。

風になびく髪と、ひらりと揺れる白いワンピース。

彼女は僕の目の前まで来ると、少し肩を上下させて息を整え、僕の手の中にあるボールを見つめた。

「ありがとう。それ、あっちで遊んでた子供たちのボールで……」


「あ、はい。どうぞ」

ボールを差し出すと、彼女の小さな手が僕の手とすれ違う。

その瞬間、彼女の動きがピタリと止まった。

どこかで会った記憶なんて、これっぽっちもない。名前だって聞いたことがない。僕にとっては、間違いなく完全な「初対面」の女の子だった。

なのに、僕のことを見つめる瞳は、なんだか儚く今にも涙が溢れてきそうな瞳だった。

「あの…何か顔についてます?」

勇気を振り絞って話しかけてみる。

そうすると、彼女はハッとしたような仕草を見せ、その長い睫毛が生えているまぶたを、1回、2回と瞬きさせる。その仕草さえも画になるような美しさだった。

僕が見惚れていると、彼女は小悪魔的な表情を浮かべ、僕に言ってきた。

「優しいしかっこいいとか、お兄さん最強じゃないですか」

「…はい?」

なんて返事を返したらいいのかわからなく、腑抜けたような声が出てしまった。

彼女はニヤリと笑うと、続けて言った

「今日寒いですし、そこの自販機で暖かいものでも飲みませんか?ついでに、もし彼女いなければ連絡先欲しいなーって思って」

突然起こった、このナンパみたいな展開、ドギマギしている僕を見ると、また彼女は笑う。

その笑顔と裏に、どんな大きな覚悟と決意が隠れているのかも知らずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。