帝国
「ふむ、それでは早速任務の話をしようじゃないか…まぁ簡単に言うとラン大臣を暗殺してほしい。奴は最近帝国近くの小さな村を税で困らせ裏からそそのかし薬を盛って使い捨ての兵として攻めさせてきている…」
「はぁ、それは確かに殺したほうがいいですけど、たかが大臣の暗殺でS級任務になりますかね?本人は強くないんすよね?」
確かに人の重要度で言えばとても高いが、そこまで危険があるかというとS級になる程危険度はないのだ…さらに最近は結構でしゃばってるらしいし。
「うむ、確かに大臣の暗殺自体はS級ではない、だがな向こうも闇の刺客が来ると思ったのだろう…護衛をつけてきた。」
「護衛…ですか?」
「あぁ、でもただの護衛ではないぞ…五英騎がつけられた」
「っ!
本当ですか?」
「うむ、五英騎が付けられたのは確かだ。
これは確定の情報ではないが、おそらく2人だろう…」
「2人、ですか…」
2人か…1人ならまだ暗殺なら楽なんだがな…
2人は面倒くさそうだ。
「あぁ、それで雪よこの話を聞いた上でこの任務を受けてくれるか?」
「……はい、謹んでお受けいたします。」
楽には行きそうもないが、やれないことはない…はずだ。
「おぉそうか!それはありがたい、今の国では暗殺できそうなのがお前ぐらいしかいなくてな…困ったものだ。はっはっは…」
引き受けてもらえてよほど嬉しいのか渋い声で笑いこぼしている。
「そうですか…では早速任務に取り掛からせていただきます。」
「もう行くのか?確かに急ぎだか1日ぐらいは準備や色々としていても良いのだぞ?」
「いえ、準備とかはそこまで要らないし、早く終わらせて早く寝たいんで…」
そう言って雪は静かに部屋から出て行く…
「ふぅ、早速これ使うしかないか…せっかくなんかあった時用に取っといたのに…」
と、勿体無いといった調子で呟いてから雪は前に手をかざし何かを唱えた…
「繋げ、イリューゲル」
ブォーンという音とともに雪は光に包まれ姿を消した。
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「…ふぅついたか…」
雪は周りを見渡す、そこはさっきまでいた宮殿の中ではなく薄暗い森の中だった
「さっきここから帰ってきたはずなのにな笑
また来ちまったぜ…帝国っ!」
雪が森を見上げるとそこには大きな壁が立っていた…