恋の一ページ
はじめましてこれから新しいやつ書くので楽しんでいってください
新学期、独特の緊張感が漂う廊下を歩く。
1年の時とは違う、新しい教室のドアをガラガラと開けると、教室内はすでに新しいクラスのメンバーでガヤガヤと賑わっていた。
みんな黒板の前に群がって、貼り出された座席表を見ながら一喜一憂している。人混みの隙間から自分の名前を探すと、「廊下側から2列目の一番後ろ」に私の名前を見つけた。
一番後ろの席っていうのは、なんとなく居心地が良くてホッとする。
自分の席に向かって歩き、机の前に立つ。カバンを置こうとして、ふと隣の席を見た瞬間――私は思わず息を呑んだ。
(……待って、瀬戸君……!?)
そこには、すでに他の男友達と身振り手振りを交えながら、楽しそうに大笑いしている瀬戸奏多君の姿があった。
1年の時はクラスも部活も全然違って、まともに話したことなんて一度もない。小柄だけど顔がかわいくて、いつも誰かと楽しそうにしているな、と遠くから眺めていただけの男の子。
そんな人が、新学期初日から自分のすぐ隣の席にいる。一気に緊張が押し寄せてきて、カバンを握る手にぎゅっと力がこもる。どうしよう、挨拶した方がいいのかな。でもなんて言えば――。
そんな風に私が一人でフリーズしていると、廊下側のドアから、その緊張を吹き飛ばすような元気な声が教室中に響き渡った。
「あーっ!朱莉じゃん!同じクラスじゃん、やったー!!」
声の主は、1年の時も仲が良かった美緒だった。私の姿を見つけるなり、周囲の視線も気にせずタタタッと勢いよくこちらに駆け寄ってくる。
「ねえ見てよ私の席、あっちの最前列かと思ったら、まさかの朱莉の真ん前!最悪な位置だけど、朱莉が後ろなら授業中いつでも喋れるからプラマイゼロかな!」
マシンガントークで嬉しそうに私の机に手を突く美緒。その大きすぎる声と勢いに圧倒されていると、隣で男友達と盛り上がっていた奏多君が、お喋りをピタッと止めて「お、なんだなんだ?」という感じで、ひょいとこちらを見上げた。
そのかわいい瞳とばっちり目が合ってしまって、私の心臓はさっきよりも激しく鐘を打ち始めた。
美緒は私の動揺に全く気づかないまま、隣の奏多君の存在にも気づいて、「え、ウケる。瀬戸君もここなんだ? しかも席隣とか、朱莉めっちゃ気まずそうじゃん!」とさらに声を弾ませた。
すると、奏多君はちょっと困ったように眉を下げて、くすっと笑った。
「声デカ(笑)。うん、よろしく。あ、そっちの……一ノ瀬さん、だよね? よろしく。」
人懐っこい笑顔で私の名字を呼んでくれた奏多君。この時はまだ、彼に対して恋心なんてこれっぽっちもなくて、ただ「あ、この人すごく話しやすいかも」って思っただけだった。
前の席の美緒がガタガタと椅子を引いて座り、私のほうを振り返る。
私のすぐ隣には、楽しそうに笑う奏多君がいる。
これが、私の恋の始まりの、いちばん最初の1ページ。
どうでしたか第二話も楽しんで




