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龍虎の境界 ―第1話:鋼の檻、1996年―
1996年、横浜。
コンクリートの壁に囲まれた、息の詰まるような街で、二人の少年は出会った。
大澤龍也と白岩虎伯。
「二人いれば、負けねえ」
剥き出しの暴力と、大人たちへの不信感。
二人が結成した暴力集団「龍虎会」は瞬く間に膨れ上がり、いつしか1000人を超える巨大なうねりとなって街を飲み込んでいく。
しかし、栄光の季節は長くは続かない。
高校卒業と共に、二人の道は残酷に分かたれた。
龍也は、冷徹な闇金業者・桑原翼という女に拾われ、感情を殺して裏社会の階段を上り始める。
対して虎伯は、過去を隠し持つ謎の老人に導かれ、一度は表の世界で「人間らしい生き方」を模索する。
分断された「闇」と「光」。
かつての絆をあざ笑うかのように、社会という名の巨大な機構が、大人たちの思惑が、二人を絶望的な再会へと誘っていく。
これは、時代に磨り潰された二人の男の、救いなき魂の記録。




