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第3話:ネメシスとリアル

見知らぬ町に突然やって来ていた聡史。


聡史「何でこんな所に・・・それにクラスのみんなは・・・」


辺りを見渡してみるが、あの時教室にいたクラスメート達の姿はなかった。


何をどうすればいいのかわからない聡史ではあったが、じっとしていても何も始まらないことは理解していた。


聡史「とりあえずここがどういう所か見て回ろう」


そう決めた聡史は、見知らぬ地での最初の一歩を踏み出していったのだった。


しばらく町を探索した聡史。


聡史「僕達の街の商店街みたいに、お店が並んでたりはしてたけど・・・ここはやっぱり僕達が住んでいた街じゃない」


と、考え事をしながら歩いていた聡史は向こうからやって来た人にぶつかってよろけた。


聡史「あっ、ごめんなさ・・・」


男「ぶつかっといて謝るだけか、ガキが」


と、相手の男がそう言ってきた。


聡史「えっ・・・」


男「この町はゆるいからな。好都合な事に俺より強い奴はいないんだよな・・・だからさっさと使えそうなものを・・・」


聡史を睨み付けながらそう言う男。


『腕に覚えがあるのか。なら、少しは楽しめるか』


男「!?」


突然背後から声がして振り返った男。


と、そこには一人の女性が立っていた。


男「何だ貴様は・・・俺が用あるのは・・・」


男がそう言うと、その女性は剣を鞘から抜き男に向けた。


ヘスカ「私の名はヘスカ。お前はこの町で一番強いんだろ。そんなお前が女の剣から逃げるのか?」


挑発するように告げるヘスカと名乗った女性。


聡史「・・・」


いきなりのヘスカの登場に、唖然としている聡史。


だがそれは、いきなりヘスカが現れたから・・・だけではなかった。


自分の目の前で、武器を人に向けていたからである。


男「上等だ!ガキより先にお前からしめてやるぜ」


そう叫びヘスカに殴りかかる男。


だが、次の瞬間。


男はヘスカの背後で倒れていたのだった。


ヘスカ「所詮この程度か・・・私がみね打ちにしていなかったらお前は死んでいたぞ」


そう告げたヘスカ。


男「この・・・」


ヘスカを睨み付ける男。


だがそれ以上に、ヘスカは男を睨み付けていた。


ヘスカの威圧感に負けたのか、男はすぐさまそこから逃げていった。


ヘスカ「さて」


と聡史の方を向くヘスカ。


ヘスカ「助けてやったんだ。使えそうなものを渡してもらおうか」


と、ヘスカは聡史にそう告げたのであった。


聡史「えっ、何で・・・」


ヘスカ「無償で人を助けるやつなんていやしないさ・・・無論私もな・・・とはいえこんな子供が何かを持っているとは思えないな」


すでに諦めたのか、聡史に背を向け歩き出そうとするヘスカ。


聡史「待ってください」


と、ヘスカを呼び止める聡史。


立ち止まりじっと聡史を見ているヘスカ。


聡史「ヘスカ・・・さんはこの町のこと知っているんですか・・・」


そう聞いた聡史。


ヘスカ「それはどういう意味だ?お前はこの町に住んでいるんじゃないのか?」


聡史「よくわからないんです。気付いたらこの町にいて・・・」


ヘスカ「・・・・・・」


聡史の話を聞いて何かを考えているヘスカ。


ヘスカ「不思議な奴だな・・・お前の話の真偽はともかく少し興味が出た。ついてこい」


そう言うと歩き始めたヘスカ。


いきなりの事態変化に戸惑いつつ、聡史はヘスカについていくことにした。


ヘスカ「お前・・・名前は?」


そう聞いたヘスカ。


聡史「聡史・・・結城聡史です」


そう名乗る聡史。


ヘスカ「じゃあ聡史・・・お前は私に対して危機感を感じたりしないのか?私は自分が何者なのかも話していないんだぞ」


そう告げるヘスカ。


聡史「それは・・・ヘスカさんは僕を助けてくれたから・・・」


ヘスカ「この世界じゃあまり優しさを見せるな。命取りとなるぞ」


忠告気味に言うヘスカ。


聡史「すみません・・・」


ヘスカ「着くまでの間にお前の疑問に一つだけ答えてやろうか」


聡史「えっ」


聡史が驚いている間に話を続けるヘスカ。


ヘスカ「見知らぬ場所に飛ばされたお前・・・ここは何処か・・・お前の知らないこの世界は通称【ネメシス】と呼ばれている」


聡史「ネメシス・・・」


ヘスカ「そして・・・恐らくはお前がいた世界・・・それを【リアル】と呼んでいる」


聡史「リアルって・・・」


何かを聞こうとしていた聡史。


ヘスカ「詳しい話はあとだな・・・もう着いた」


ヘスカがそう言うと建物を見上げた聡史。


ヘスカ「はぐれずについてこい」


建物の入り口を開け、中へと入っていくヘスカ。


聡史「ヘスカさん・・・何だか変な視線を・・・」


ヘスカ「何処かお前からはこの世界の住人とは違う何かを感じるんだろうな、奴等も」


意味ありげにそう告げたヘスカ。


そして、奥の部屋までやって来ると


モノルス「これはこれはヘスカの姉さん。ようこそ我が、モノルスの館へ」


そう告げた妙な生物が出迎えてきたのであった。


聡史「何・・・」


モノルス「これは・・・姉さんにしては珍しいっすね・・・客人とは」


ヘスカの後ろにいた聡史を観察しているモノルス。


ヘスカ「相変わらずだな・・・まぁいい・・・少しお前とも話があってな」


モノルス「まぁ、立ち話もあれっすから姉さんも客人もこちらへ・・・」


二人を案内するモノルス。


聡史「あの・・・」


ヘスカ「説明はあとだ。今は静かにしていろ」


そんな訳で、奥のテーブルでお茶をいただくヘスカと聡史。


ヘスカ「・・・これが私が聡史から聞いた話だ。理解したか?」


お茶を飲みながら簡単に説明したヘスカ。


モノルス「姉さん・・・これってやはり・・・」


ヘスカ「だろうな・・・聡史・・・他にネメシスへ来る直前に何かなかったか?」


聡史「光の後に女の人の声がして・・・気付いたら・・・」


モノルス「間違いないっすね。貴方は選ばれたっすよ・・・姫さんによって」


真剣な表情でそう告げるモノルス。


ヘスカ「聡史が選ばれた者なのはわかった。だが、見た感じこの町の外に出て旅が出来るとは思えない。だからだ、モノルス」


そう言いモノルスに視線を移すヘスカ。


モノルス「了解っすよ」


と、モノルスは聡史達を裏庭へと案内した。


ヘスカ「お前の力を見てみる・・・軽い気持ちでやれ」


そんな訳で聡史は裏庭で軽い試験的な戦いを行うのであった。


しばらくして・・・。


別室では傷の手当てを終えた聡史が、椅子に座ったまま宙を見つめていた。


と、聡史を心配してか聡史の周りには小さな魔物達が集まっていた。


聡史「君達にだって勝てない僕って・・・」


近くによって来た魔物を手に乗せた聡史。


その頃、ヘスカとモノルスはと言うと・・・。


モノルス「さずがに無理があるっすよ。モノルスの館で一番弱いと言っちゃあれだけど・・・」


ヘスカ「確かにな・・・あの時とは時代が違うのか・・・」


そう呟くヘスカ。


モノルス「いくらなんでも姫さんが呼んだにしたって・・・」


ヘスカ「直接聞くのが早いが、相手は姫だ。私が一人で行ったところで会えないだろう・・・なら・・・」


ヘスカがそう言うと慌てたようにモノルスが


モノルス「姉さん!彼と一緒に外に出るのは姉さんでも危なすぎっすよ」


ヘスカ「わかっている。少々時間がかかるが・・・聡史には頑張ってもらわなければならない」


そう言うと椅子から立ち上がるヘスカ。


聡史「特訓!?」


ヘスカの発言に驚く聡史。


ヘスカ「時間がないからな・・・出来る限りは早く仕上げたいが、特訓期間は私が認めるまでだ」


ヘスカの決定に聡史とモノルスまで唖然となっていた。


そして、聡史の特訓が開始しようとしている頃・・・。


ヘスカが言っていた【リアル世界】では・・・。


聡史や紗江の担任である北山宇美と成瀬直哉は山の中にある施設へと入っていった。


二人がやって来た場所は通称【本部】と呼ばれており、三年前からこの地にある。


宇美「ただいま来ました、小宮山さん」


直哉「本部のお偉いさんはのんびりで良さそうだな、颯人」


そんな二人の前に姿を見せたのは、小宮山颯人。


この本部内で一番権限を持っている人物である。


颯人「よしてくれよ直哉。俺達は昔馴染みの親友だろ」


直哉「まぁ、俺は偉くなることに興味はないからな・・・と、無駄な話は終わりにして・・・」


颯人「君達が来るまでの間に、幹部達による決定案が出された。宇美と直哉・・・両名を今回の担当とするってね」


宇美「私達がですか?」


ちょっと驚いている宇美。


颯人「偶然か宇美が赴任している学校の生徒達が消えたからね。直哉は実質宇美のパートナー的だし」


あれこれと話をしていく中で、颯人は宇美に仕事を優先することを告げた。


直哉「もし戻ってくることがあれば、消えた学校内の可能性が高いから・・・ってことか」


颯人「だから代理のパートナーも用意している」


真由美「お久し振りです、宇美先輩っ」


元気よく現れたのは本部での宇美の後輩・諸橋真由美なのであった。

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