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第2話:全てが変わる日

聡史「それじゃ行ってきます」


自宅を元気に出ていく聡史。


紗江「おっはよー!」


そして、今日はすでに結城家の玄関先まで来ていた紗江。


茂「聡史、忘れ物だって母さんが・・・」


そう言いながら出てきたのは、スーツ姿の聡史の父・結城茂であった。


紗江「おじさん、おはようございます」


そう挨拶する紗江。


茂「おはよう、紗江ちゃん。いつものように元気だね。少しばかり聡史に分けてあげてほしいぐらいだよ」


聡史の頭の上に手を置きながらそう告げる茂。


聡史「父さん・・・」


紗江「そうだ、聡史。今日お父さんが早く帰ってくるから遊べないんだよね」


ちょっと残念そうに言う紗江。


聡史「昨日思い切り遊んだからしばらくは十分だと思うけど・・・」


昨日の事を思い出している聡史。


これも今までと大して変わらない結果だが、昨日のゲームは紗江の圧勝に終わっていた。


そして、いつものようにおしゃべりをしながら投稿する二人。


と、そんな二人の前に一人の男の子が立ちはだかった。


健太「よぅ」


聡史達に声をかける男の子。


聡史「健太君、おはよう」


紗江「隣のクラスの健太が何でわざわざ私達の登校ルートにいるのよ」


ちょっと不満げにそう言う紗江。


健太「お前は俺のライバルだしな、紗江」


と、朝から火花を散らしている紗江と健太。


紗江「ライバルって・・・私に一度だって勝ったことないのに」


健太「うっ、うるせぇよ。次は勝つんだからな」


そんな二人のやり取りを黙って見学している聡史。


というか、間には入れないでいた。


紗江「スポーツだって私が上なんだし、せめてゲームくらい私に勝たないといけないのにね〜」


聡史(まぁ、僕も紗江には一度も勝ててないんだけどね・・・スポーツじゃ健太君にも負けてるし)


そう思っている聡史。


健太「次、勝負できるときは必ず勝ってやるからな」


そう言い残し、学校の方へ駆けていった健太。


聡史「紗江も大変だね」


紗江「挑んできても返り討ちにするから問題ないわよ」


そう言いきった紗江。


いつもと変わらずに学校へとやって来た二人。


しかし、異変の足音は着実に近付いていた。


時は過ぎ、昼休み。


紗江「私は外で身体動かしてくるけど、聡史はどうする?」


すでに出発準備完了させている紗江が聡史にそう尋ねた。


聡史「僕は本でも読んでるよ。僕じゃ紗江のペースについていけないし」


紗江「わかった。では、思い切り遊んでくるね」


そう告げると外に向かって駆け出していった紗江。


宇美「こら、荒井!廊下は走るな」


そんな声が廊下から聞こえると、その後に紗江の謝る声が聞こえてきた。


先程紗江を注意したのは北山宇美。


聡史と紗江のクラスの担任である。


と、教室に入ってきた宇美。


宇美「教室にいるのは三割ぐらいか・・・」


聡史「どうしたんですか?北山先生」


そう聞いた聡史。


宇美「ちょっと私用でな、五時間目は私の英語の授業なんだが自習にするからな」


宇美の発言に、教室にいたクラスメート達の中には喜びの声をあげている者もいた。


宇美「ちゃんとプリントを用意してあるからな、授業の終わりに提出するように・・・そうだ結城」


聡史「はい」


宇美「職員室の私の机にプリントを用意しておくから取りに来てくれ」


聡史にそう頼む宇美。


聡史「わかりました、北山先生」


聡史の了承を確認した宇美は、そのまま教室から出ていった。


宇美(さてと・・・)


何かを思いながら廊下を歩いている宇美。


そして、異変の始まりは宇美が職員室に入った直後だった。


突然、学校の上空に光輝く大きなエネルギー球が出現したのであった。


紗江「何、あれ・・・」


外にいた紗江達は、いち早くそれに気付いていた。


そして、職員室にいた宇美も


宇美「!?」


すぐさま窓際に向かう宇美。


その時にはすでに、職員室にいた他の先生達が窓の外を眺めていた。


そして次の瞬間、そのエネルギー球から光が放たれ瞬く間に学校全体が光に包まれたのだった。


宇美「うっ・・・」


その眩しさに、回りの様子を確認できない宇美。


しかしそれは、聡史や紗江達も同様であった。


『この光が道を示します・・・』


光の中から微かに聞こえたそんな声。


聡史「道って・・・」


しばらくして学校全体を包み込んでいた光は収縮していった。


そして、光が完全に消え去るとこの現象について生徒や先生達が騒ぎ出していた。


そんな中、宇美はいつの間にか学校の屋上にいた。


宇美「もしもし、こちら北山宇美。すぐに成瀬直哉につないで・・・」


携帯電話でどこかに連絡を取っていた宇美。


直哉『少しは落ち着いたらどうだ?せっかく教師なんて職についてるんだしな』


宇美「その声、直哉か。今はそんな悠長な・・・」


直哉『本部が離れた場所にあったってな、あれだけのエネルギー・・・すぐに情報が入ったよ』


静かにそう告げた直哉。


宇美「私はっ・・・三年前の繰り返しを・・・」


宇美が呟くようにそう言うと


直哉『確かにそうだな。だが、お前にはまだそこでやるべき事がある。俺達には出来ないことだ。それをやったら合流しよう。以上だ』


そう告げると直哉は電話を切ってしまったのだった。


宇美「・・・」


宇美は直哉の言葉の意味を考えていた。


と、五時間目の始まりを告げるチャイムが鳴り始めた。


宇美「・・・私がやるべきこと」


宇美はそう呟くと、屋上を後にしていった。


職員室へと戻った宇美は、そこで数人の先生達が騒いでいる場面を目撃した。


「北山先生、大変なことが・・・」


先生の一人から状況を説明してもらい、その内容を紙にメモをする宇美。


他の先生達に私用の件は伝えてあったので、すぐさま校外へと向かう宇美。


直哉「よっ」


と、学校からあまり離れていない場所に車に乗った直哉の姿があったのだった。


宇美「直哉・・・」


直哉「三年前と変わらず・・・か・・・覚悟はしてたけどな」


宇美が乗り込んだのを確認して車を走らせる直哉。


宇美「リストアップは完璧よ・・・私が直哉に連絡している間に他の先生達が異変に気付いてね」


直哉「授業が始まれば誰でも気付くだろうけどな」


当たり前のように告げる直哉。


宇美「・・・【消えた】のは五人。私のクラスの結城聡史、荒井紗江。隣のクラスの溝口健太。一年の早乙女美那。三年の城山麗斗だ」


直哉「俺には名前を聞かされても誰だか知らないが・・・教師って言うのも辛いもんだな。あの時からな」


宇美「本部は・・・」


直哉「すぐに動き始めるさ・・・もちろん俺達もな」


二人を乗せた車はそのまま何処かへと走り去っていったのだった。


その頃、【消えた】とされる一人・結城聡史。


聡史「んっ・・・」


いつの間にか自分が気を失っていたことに気付く聡史。


先程までの状況を思い出してみる聡史であったが、あの光が広がっていってからの記憶が途絶えていた。


その光の正体が何なのか考えさせられることになるのだが、それよりも聡史は目の前の状況に驚きを隠せないでいた。


聡史「町・・・の中・・・」


そう・・・聡史が今いる場所は教室ではなく見知らぬ町の中にいたのであった。

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