第7体験目 著者近影を頑張ってみた
いや甘い。甘かった。
百均ではない、普通(?)の化粧道具を揃えれば簡単にメイクできる。そう思っていた、あの頃の現ナマを叱りたい。化粧はそんなに簡単なものじゃないと。
そう化粧は化粧にあらず、化粧道である。熟練の技術とセンス。その全てが必要な奥深い道なのでした。
まず化粧品を買う所からつまずきました。
何を買えばいいのかが分からない。百均も様々な化粧品を扱ってありますが、適当にファンデーションのような物と眉毛を描くヤツと、アイシャドー、口紅、化粧水的な物を揃えればOKでした。だって百均にそこまで思い入れはないです。使えればいいって感じです。
全部でワンコイン税別ぐらいですね。現ナマでも購入できます。
ですが、ちゃんとした化粧をする。それも特殊メイクぐらい塗りたくる。そう決めると、何が必要なのかが分からないのです。
途方に暮れた現ナマは何をするのか。そうググります。全てはユーチューブ様のおっしゃる通り。
『化粧』『初心者』で検索しました。
出てくるわ出てくるわ。女子のメイクへの熱い思いが伝わってきます。皆さんメイクを探求しようとしていらっしゃる。
今まで女子力を温存するだけ温存して使うことのなかった現ナマです。やっと使う日がきたのですが、温存しすぎて使い方が分からない。途方に暮れます。
ユーチューブで学んだこと。
顔は真っ白に塗りましょう。下地は何個も使うこと。シミも皺も不都合な物は全て覆い隠すこと。涙袋は必須。絶対に作ること。睫毛はなんぼあってもOK。アイラインは目を最低三倍には大きくすること……。
無理です。すみません、最初から敗戦確定です。
一応女子の化粧品の聖地、ドンキに行ってみました。
化粧品売り場の充実さ、キラキラ度、お買い物中のお客様達。近づけませんでした。
女子力が腐ってしまっている現ナマの行っていい場所じゃない。
ドンキ奥の食料品売り場で、名物の焼き芋でも買って帰ります。とは言っても、焼き芋は自宅にてオーブンで焼く派ですが。
こうなったらアマゾンでポチリます。その方がキョドらずに1つ1つ調べることができますので。
なんとか必要だと思う物をポチリました。
ベースクリーム 770円
ファンデーション 880円
カバーファンデーション 748円
リキッドアイライナー 1,100円
アイライナー 660円
マスカラ 638円
合計金額 4,796円です。
今回、体験始まって以来の超高額になりました。
コンビニにアマゾン券を買いに行く時に、手が震えました。
それなのに、買った後で気づきましたが、アイシャドーと口紅がなかったです。こんなに出費したのに! もうこれ以上の出費はできません。手元にある百均でなんとかしのぎます。
商品が届けば、後は塗りたくるだけです。
ベース塗って、カバーファンデーション塗って、ファンデーション塗って。
より白く、より厚く。元の顔をいかに隠すかです。
次に目の周りを黒く塗りつぶしていくのですが、ここで問題が発生しました。
現ナマは、元々がタレ目気味です。この目に縁取りをすると……、そうタヌキの出来上がりです。
おかしい。ユーチューブの方達は、自然な仕上がりで美しくなっているのに。やはり技術力の差は歴然としている。
アイシャドーは百均ですので、適当に添付します。目の周りに塗っておけばOKでしょう。
最大の難関、涙袋。
これって何ですか? どうして目の下に皺(失礼しました)を作る必要があるのですか?
無理です、無理。
寝不足のくまにしか見えない……。挫折しました。
頑張って塗りたくりましたよ。出来上がったものは……。
ちょっと恥ずかしくて、これでは家から出ることはできない。出来上がりから5分後にはお風呂場へと直行しました。
なんとか技術の向上をしなければ、体験したことにはならない。
せめて家を出て買い物……。無理でもゴミ置き場にゴミを置きに行くぐらいまでにはなりたい。
練習あるのみ。急がなければ。急いで仕上げなければ。
なぜ化粧をしようと思ったのか。それは著者近影があるかもしれないから。
試行錯誤を繰り返すのに、まともな顔にはならない。時間ばかりが過ぎて行く。
どうしたものか……。
途方に暮れていると “ピコン” というメールの着信音が。
とうとう来てしまいました。
出版社担当者様から『カバー表紙の件で』というメールが来てしまったのです。
出版する本のカバーデザインができたお知らせでした。とても嬉しいです。本当に拙作が出版されるのだと実感がわいてきます。
ですが浮かれている場合ではないのです。カバーの最後の部分に『著者近影』はあるのですから。
まだ化けメイクの技術を習得していないのに、どうすれば……。メールの続きを戦々恐々で読みます。
出版担当者様からのメールには『カバーに「後送」と文字が入っていますよね。その部分に、自己紹介文を作成して下さい。50文字~100文字くらいでテキスト下さいね。50文字より少なくても構いませんよ』という優しい言葉が綴られていたのです。
著者近影はなかった。写真ではなくて文字でよかった……。現ナマは喜びに打ち震えたのでした。
ということで、著者近影はありませんが、書籍は出版していただきました!
『最強スライムはペットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。』
出版社 オーバーラップ様 イラスト とくまろ様
1巻、好評発売中です!
2巻も8月20日に出版予定です。よろしくお願いします。




