この手は、愛の形(レオナルト×シリル、心と体が結ばれる夜)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/780153521/689943168
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
見張りの交代を申し出たラセルの背中が、森の奥へと消えていったのを見届けて、俺たちはふたりきりになった。
レオナルトは、焚き火の明かりを受けて、無言で薪をくべていた。
その横顔が、やけに静かで、でもどこか――緊張してるようにも見えた。
「……お前さ」
レオナルトのその声は、夜の空気に、低く、よく響いた。
「さっき、好きだって言ったな」
「……うん」
「言った責任は、取る気あるか?」
俺は、どきっとした。
でも、すぐに小さく笑って答えた。
「あるよ。覚悟して言った」
「……ふむ」
レオナルトは、火を見つめたまま、小さく頷いた。
「だったら、俺からも言わなきゃな」
そう言って、俺の手を取った。
「俺も、お前が好きだ」
指先が、静かに触れ合った。
剣を握ってきたごつごつした手。
でも、今のこれは――誰かを傷つける手じゃない。俺を大切に包む手だった。
頬が熱い。
言葉が出ない。
でも、次に来ることはわかってた。
だって、レオナルトが、俺の頬に手を添えた時――もう、抗えないほどに近かったから。
唇が重なる。
初めての深いキスは、想像よりもずっと優しくて、熱かった。
「……」
「……もう一回、してもいいか?」
「……うん」
繰り返すキスの中で、腕が俺の背を抱きしめてくる。
その体温に、涙が出そうになった。
転生前から、ずっと欲しかった、触れられ方だった。
「怖い?」
レオナルトが小さく訊く。
「……ちょっと。でも、大丈夫。お前だから」
その言葉に、彼は苦笑して、
「じゃあ……全部、俺にまかせても、いいぞ」
俺の背に回った手が、ゆっくりと服を外す。
細かく震えているのは、俺の方じゃなかった。
彼の手も、どこか不器用で、慎重で――
(ああ、やっぱりこの人、優しい)
焚き火の明かりの下、熱が交わる。
肌と肌。
心と心。
言葉は、もういらなかった。
指先が頬をなぞり、唇が首筋をたどり、彼の深い瞳が、俺だけを見ていた。
痛みもあった。
けれど、それすらも大切にされた気がした。
初めての夜は、不器用で、ぎこちなくて、でも――あたたかかった。
終わったあと、俺は、レオナルトの胸の中で、無言のまま腕を伸ばした。
「……寝ていい?」
「どうぞ。俺の上で」
「……もう!」
彼の鼓動は、とても静かで、心地よくて、その音に包まれながら――俺は、眠りに落ちた。
◆
一方、その夜、森の中では……。
ラセルが、誰にも見られない場所で、そっと木に背を預けて、空を見上げていた。
「……おめでとう。ようやく、あの人に触れられたね、シリル」
目を閉じる。
その頬に、涙が一筋、流れた。
「本当に、俺が欲しかったのは……優しく猫の俺を撫でてくれた、あの手だったのかもしれないな」
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転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした




