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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第2章【G-1グランプリ予選】編
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第21話~激闘前夜・それぞれの思い⑤~

 シャッフル・オールスターズに助けを乞うブラックヘロンから逃げ出した女子プレイヤー。

 一旦落ち着かせる為に人気のない場所に移動し、暫くしてようやく女子は泣き止んだ。


「――落ち着いたみたいやな。剣が泣かすもんやから……こいつ時々怖い時あるしな!」


「豪樹さん……()()()って言葉知ってる?」


 豪樹の一言に剣はどことなく心外であった。


「それより一体何があったんだ?ブラックヘロンから逃げ出したって……あ、無理に言わなくても良いからな」


 剣も若干泣かせた事を気にしながら女子に話しかけた。


「いえ……洗いざらい全部話します!あの組織を倒せるのはもう貴方達しか居ないんです!!」


「!?――俺たちしかいないって、まさか」

「ブラックヘロンによって予選で参加してるプレイヤーの殆どが拘束されたんです!!」


「そんな――!?」


 みのりやメンバーは驚愕した。


 いやそれ以前にゲームワールドの管理を占拠された状態では、この世界の存亡すら危うい事態である。


「でも引っ掛かるなぁ……逃げたとはいえ彼女もブラックヘロンだったんだ。こんな緊急時に僕らに接近するなんて、都合良すぎないか?」


 槍一郎は女子に疑いをかけた。そりゃそうだろう、()である可能性も高い。


「疑うのも無理はありません。――でもこれなら信じてくれますか!?」


 女子が荷物から出したのは、ブラックヘロン製の改造コード『B.H Bat』と通信用の無線機。それを足で踏み潰した。


「それからこれも……」

 続いて女子が剣達に差し出したのは、【D-Z計画】と書かれた計画書である。


「これは――!!」

 その計画書の内容に槍一郎は言葉を失った。


「……槍ちゃん、こんな極秘なものを俺達に渡して反逆の意を見せたんだ。これ以上疑うこともないだろ」

「そうだな……すまない、疑ったりして悪かった」



「大丈夫です。それよりも追っ手が来ないうちに話しておかないと――!」

「お、そうだったな」



 女子はそう言うとブラックヘロンの事を一部始終話してくれた。


 彼女の名前は白鳥しらとり 美律子みつこ(21)。


 ブラックヘロンを知ったのは賭博エリアの『ゴールドラッシュ・カジノ』にて勧誘された事からだった。


 この時勧誘の内容に『IT、無線、インターネットに強いプレイヤー募集。高収入の仕事が得られます!』と書かれていた。


 白鳥は当時アルバイトで生計を立てていたが、それだけでは足りず生活難寸前までいっていた中で、藁にもすがる勢いで入団してしまったのだ。


 しかしブラックヘロンに入団した後に課せられた仕事は、工作班内のインターネットやゲームデータのハッキング、データ改造技術を身に付けるための作業であった。


 白鳥は流石に不審に思った。

しかし高収入である事は詐欺では無かった為にとにかく稼ぎたいという気持ちが勝っていた。


 だがこれが長く続くわけではなく、我慢の限界が来たのは予選前日、テロ決行前の事だった。


「――どういうことなんですか!?【D-Z計画】の内容!」


 白鳥はブラックヘロンのボスに直接物申した。


「計画書に書いてある通りだ。『ゲームワールドを破滅させる』、それ以外に目的はない」


 ボスは言い切るように白鳥の意見を突っぱねた。


「まるでテロリストじゃないですか……!!

ハッキングから改造コードのUSBを作らされて、私は犯罪の手助けさせるために入ったんじゃありません!!!私辞めさせて頂きます」


 白鳥がボスの部屋を出ていこうとした矢先に背後には複数の団員がスタンガンを白鳥に構えられた。


「辞めるならそのテロと思うものに全うしてからにしろ。そもなくば――!!」


 団員の一人がスタンガンのスイッチを作動させた。口封じか、強行か……


「君は何も分かってないんだな、我々が起こそうとしているのはテロではない。()()だ!!」

「……革命??」


「そうだ、『超次元ゲーム時代』だとかうつつを抜かす今の社会に渇を入れる為の革命だ!

 ――学歴やキャリアをもあの時代に無下にされた者を救うための復讐、その為にもゲームワールドを滅ぼさねばならない!!」


 ボスの言うことは『革命』と言いつつもやっていることは無差別テロに過ぎない。

白鳥の目に映るボスは最早冷酷な独裁者のように見えてきた。


「貴方は……何を目的にこんな事を――?」

 白鳥は極限に追い込まれながらもただ疑問だけが浮かび上がる。


「――ゲームでしか名声を立てられないバカ共と、そのバカが奉るWGCを徹底的に叩き潰す為にだ!!!!」


「!!?――それじゃ貴方達は偏見と差別だけで動いてるんですか!?そんな事の為に関係ない人まで巻き込むんですか!!!」


「ゲーム中毒の人々を我々の手で目を覚まさせてやるんだ、それの何が悪い?経験も知識もない者が今さら我々に逆らうな!!!」


 そう言うとボスは白鳥を退室させ、強制的に作業を勧められた。


 そして予選当日に白鳥は豪樹が突き止めた工作班の個室で乱闘を起こした際に逃亡。


 先ほどの計画書、パソコン等を奪い取ってデュエルフィールドから別のエリアへ転送したのである。

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