第18話①~格闘王の男意気~
大人とは、次の世代の子に未来を託す橋渡しのような存在。
そして超次元ゲーム時代を築いた大人達に今出来ることとは果たして何か!?
G-1グランプリで繰り広げるゲームジムトレーナー豪樹の格ゲーオデッセイ、アメムチは拳で語れ!!
第18話、オープン・ザ・ゲート!!!
――予選3rd STAGE『テトリス・サバイバー』のNo.1は、畠田レミに軍配が上がった。
その一方では、レミを妨害する為にハッキングを仕掛けていたブラックヘロンの工作班を、剣たち仲間が退治。そしてルールを逸脱させるチートプレイに使われたハッキング用パソコンとUSBメモリを頂戴したのだった。
「……ったく。何が『プレイヤーにはルールがある』だ。テメェらの方がルール無視で好き勝手やってるから、その汚い面を思いっ切り殴ることになったんやろが。あー、痛ぇ……」
剣は工作班の顔面を何度も殴りつけた反動で、右拳をさすりながら顔を歪める。生身の人間を殴るという嫌な感触が、拳に残っていた。
「人を殴るってのが、どれだけ嫌なことか分かったやろ、剣?」
「ホンマですよ、豪樹さん。格ゲー以外なら二度とやりたくねぇ」
年長であり、シャッフルのコーチである豪樹に諭され、剣はバツが悪そうに視線を逸らした。
「そんな事より、ブラックヘロンの奴らがここで本性を出したみたいだ。あの様子を見ていると、本気で僕たちプレイヤーを消そうとしている。
犠牲者が出ないうちに片付けないと、取り返しが付かなくなってしまう……!!」
槍一郎は先程の電流地獄を見て危惧していた。
これ以上奴らの悪事がエスカレートしたら、今度は死傷者も出かねない。
今現在、試合中にレミが感電した様子が会場やSNSでも拡散されている。皆が不安の色に染まるのも時間の問題だった。
「だからこそ、俺達がやるしかねぇだろ。ここで抗わなきゃ誰が止めるんや……!」
「…………」
一つの感情の昂ぶりが命取り。それを承知で立ち向かう剣と、ただ無言で見守るみのり。
波乱と危険が交錯する大会で、それぞれの心情が何を語るのか。
◇◇◇
そして会場では次のゲームの準備が始まった。
電脳の回路が飛び交った3rd STAGEから一転、荒れ果てた荒野がフィールド一面に広がり、100席の巨大な格ゲーパッドで包囲されていた。
――さぁお待たせしました。新垣治郎実況のアナウンスで次のゲーム紹介だ!
『時はゲーム世紀末! 今や時代は力でねじ伏せる事に頂点を成す時代になってしまったのか!? 力が全てと言う奴に、決めろ! 必殺スーパーコマンド!!
【4th STAGE・マッチレス・ブローラーズ】!!!』
◆―――――――――――――――――――――◆
PLAY GAME No.14
★G−1グランプリ予選 4th STAGE★
【MATCHLESS BRAWLERS ―マッチレス・ブローラーズ―】
・ジャンル『ファイティングゲーム』
・プレイヤーレベル:33
ルール
各ブロック100人で壮大な荒野フィールドを舞台に、その周囲でプレイヤーが巨大格ゲーパッドを操作しながら乱闘。その中で生き残った一人がNo.1となる『オープンワールド型格闘サバイバルゲーム』。
このゲームの特徴は、レバー型スティックと6つのボタン(強・中・弱のパンチおよびキック)から繰り出される、無数のコマンド技の多さにある。
今回は大会形式に則り、操作するキャラクターの性能差は無し。
代わりに全員が100通り以上のコマンド技を出せるため、その技から編み出すコンボや戦略が勝利の鍵を握る。
体力ゲージ制で自分の体力が0になった時点でゲームリタイアとなる。
獲得ポイントは各ブロックにて
・50位~31位 10ポイント
・30位~11位 20ポイント
・10位~6位 30ポイント
・5位、4位で50ポイント
・3位 60ポイント
・2位 80ポイント
・No.1プレイヤー 100ポイント
◆―――――――――――――――――――――◆
4th STAGEは格闘ゲーム。
ついに『紫煙の鉄拳王』の肩書きを持つ豪樹の得意ジャンルが登場した。
「やっと、ワイの出番やな! 腕が鳴るでぇ!!」
「豪樹さん、あたしの分まで頑張ってよ~……」
3rd STAGEの激闘の後で、仲間たちと合流したレミ。電流で全身ボロボロになり、満身創痍な状態だった。
「レミちゃん、あんまり無茶しちゃダメよ!」
「そうだ、普通だったら死んでいてもおかしくないほどの電流を浴びてるんだぞ。総合ポイントも相当貯まってるんだ、ここは休んだ方がいい」
「大丈夫、大丈夫! 無理しない程度にマイペースでやるから。あはは……」
みのりや槍一郎が心配する中で、無理強いしてでもゲームに挑もうとするレミ。
笑っているがかなり無理はしているようだった。
「いや、俺も皆に同感だ。このゲームだけでも休んどけ。またブラックヘロンがちょっかい出してくる前に、また俺がぶっ飛ばして……!」
「そこまでや、剣。お前も一人で出しゃばるもんやない」
「豪樹さん……」
「ここからはワイ一人に任せてくれへんか? お前らにはチームとしての使命を果たして貰わなアカン。
誰一人として犠牲を出さずに、このG−1グランプリ予選を全員で突破するっていう使命をな!」
「わ、分かりました……」
レミの空元気も、喧嘩っ早い剣も豪樹の一声で冷静になったようだった。
「でも大丈夫なんですか? 豪樹さん一人で」
「要らん心配や。ワイかて偉大なる『シャッフル』のメンバーや。それに、大事な教え子を傷つけられたんや。――あのクソガキ共に、焼き入れたらんとな……!!」
(……ちょっとこれ、もっとヤバイことになりそうかも……!?)
『気は優しくて力持ち』がキャッチフレーズの豪樹が、内心ブチギレている事にみのりは気付いた。
――果たしてどうなる事やら。格闘王・豪樹の奮闘や如何に!?
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次回もゲームウォーリアーをお楽しみに!!




