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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第1章【シャッフル・オールスターズ編】
59/310

第13話①~それぞれの強さ~

プレイヤーの強さ、それは力だけが指し示すものではない。

その答えはゲームに対する『魂』だけが知っている!!


そして桐山剣は悪の根源に急接近する!!!


第13話、第1章のラストへゲート・オープン!!!!

 桐山剣率いる『シャッフル・オールスターズ』5人は、ゲームワールドで開催される『G−1グランプリ関西予選』のトレーニングをしていた。


 あれから3週間の月日が経った―――!


「スタート!!」


 『プレイヤーステータステスト』の特訓の下に、槍一郎の掛け声と共に剣はヘッドフォンを装着し、フリーセルを行う。

 以前とは比べ物にならない程、超音波や罵詈雑言の声に傾きもせず、ただひたすらにフリーセルを攻略する剣。いやそれだけではなく、進めるペースも格段に速くなっている。


 そしてカード52枚全てがホームセルに入った!


「よし終わりッ!!―――何秒や、槍ちゃん?」


 苦悶も見せず、清々しい顔でフリーセルを終わらせた剣は槍一郎に問いかける。


「……凄いぞ、2分15秒。新記録だ!」

「ぃよしッッ!!!」

 剣も思わず歓喜の声が出た。


「この3週間、一日も休まずに特訓してきた成果がしっかり出てきてるよ。豪樹さん直伝の『心・技・体』のトレーニングのお陰で、前よりも集中力があるし、精神が落ち着いてきてる」


 豪樹によるトレーニングは、エアロバイクで身体を慣らした後にバランスボールによる体幹トレーニング。そして体力を高めるルームランナーでのインターバル走、筋力増加のパンプアップ等など。各々の個性に合わせたコースを分けながら行っていった。


 その結果剣の心は、肉体の強化に比例するように、精神面でも想定以上の成長を見せたのだ。


「これも槍ちゃん達のお陰だよ。改めて礼を言うぜ」

「それは剣自身が身につけた力だ。もっと自分に誇りに持て。それに礼はG−1グランプリで優勝してから言いなよ」


「へへ、違ぇねぇ!!」

 剣と槍一郎は笑いながらトレーニング個室を後にした。


 ◇◇◇


「ところで、みのり達の調子はどうや? 槍ちゃん」

「剣に負けず劣らずの成果を出してるよ。

 レミも平均以上に集中力があるから、対戦で早期決着をさせる技術も付けたし。豪樹さんは独自で新しい技の特訓もしてる」

 槍一郎は、剣にみのり達のステータスデータを見せた。特訓前のデータを比較してみると、剣だけでなく皆がバランス良くステータスが仕上がっているのが分かる。


「へぇ……レミの奴、パズル以外でも良い成果出てるやないか! 集中力なんか格段にアップしてるぜ」

「確かにそうなんだが、気になるのはみのりちゃんの方だ」

「みのりの……?」


 槍一郎はみのりのデータを指し示した。

 安定したステータスグラフに一際突き刺すようなジャンルが大きく目立っている。


「良く見てみろ。『ハート』の部分だけ、桁外れに高数値を取ってる。僕や剣の比じゃない。オールスターズの中でダントツトップだ!!」


 9つのプレイヤーステータスの中で、『ハート』はゲームに対する集中や精神力を表している。そしてこれを見た剣は考え込んだ。

 他のメンバーと比べて、経験も技術も平均点な彼女だが、ただ一つ誰よりも長けているのは……()()()()である事。


 そしてゲームをこよなく愛し、最もありのままに楽しんでいるのも、みのりなのである。


 そのピュアな感情こそが、剣や槍一郎のような強いプレイヤーとは違った『強さ』の元になっているのでは……と剣は微かに感じていた。


「……槍ちゃん、みのりの事はG−1グランプリの後もゆっくり様子を見ていこうや。もしかしたら後々大成するタイプかもしれへんで――?」

「そうだな。ここで焦ることでも無いだろう。見守るのもチームの役目だ」

「そゆこと!!」


「――剣く~ん!!」


 施設の遠方からみのりの呼ぶ声が聞こえた。そして剣の方へ向かっていく、レミや豪樹も一緒だ。


「槍くんと何か話してたの?」

 みのりは無邪気な顔しながら、察しの良い質問を剣にしてきた。


「うんにゃ? みのりも皆もごっつ強なったなって、槍ちゃんと褒めあってた話! な? 槍ちゃん」

「そういう事。今の状況ならまだまだ伸びしろが期待出来る」

 等と槍一郎も剣のアドリブに合わせて相槌を打つ。これにレミも便乗した。


「そうなのよー! 豪樹さんのお陰で、新しい戦法も出来たし!」

「レミちゃんも素直なえぇ子やからな! 指導のしがいがあったっちゅーもんや!」

 レミも成長を実感したようだった。以前まで豪樹にビビっていたレミがあっという間に親しんでいた。



「私も、ちょっとは強くなれたのかな? 皆よりはまだ弱いけど……」

「みのり……?」

 ご機嫌なレミに反して、みのりは自分に実感が湧いていないことを剣は気づいた。


「なぁ、俺が言うのもなんだかやけどさ。みのりには『強い』とか、『弱い』っていう言葉は似合わないかもしれへんな。何というか……()()()ってのが一番合う気がすんねん」


「優しい……?」


「今ははっきり言えへんが、強いだけが最強のゲーム戦士ちゃうことは俺にも分かる。

 俺は誰にでも優しく出来るみのりの純粋な心が、オールスターズに必要じゃないかって思うねん。……みのり的にはどうや?」


(優しさか………)

 みのりの心のなかにはまだモヤモヤがあったが、何か筋のようなものは伝わった。


「………そうね。私にも私だけの力があるのなら、『優しさ』で頑張ってみるわ!」

「そうや! 優しさもゲーム戦士の力になってくんやで、みのりちゃん!!」

 豪樹も横から賛同する。


「―――どうやら、皆それぞれの力は得たみたいだね。

 それじゃ、次の段階に入ろう!!」

 そして締めには槍一郎がメンバーに発破をかけた。


「ゲームワールドに入って、各自様々なゲームをやって強くなった感覚を掴むんだ。

 そして終いには――――『ブラックヘロン』の()()を掴むぞ!!」


 槍一郎の一言に、オールスターズ全員の顔色が変わった。テロリストプレイヤー集団『ブラックヘロン』に近づく事に二つの感情が出てきた。



 ――『不安』と『怒り』が……!!

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