第11話①~仲間を探せ!!~
ゲームの数だけ絆を紡ぎ、絆の数だけプレイヤーを強くする!!
桐山剣よ、ゲームで繋いだ絆を今こそ『シャッフル』の旗と共に立ち上がるときだ!!
集結せよ、オールスター!!!
第11話、ゲート・オーブン!!!!
ゲームワールドオンライン存亡の危機を救うため、その事件を引き起こしているテロリストプレイヤーの出所を探す事になった剣、みのり、槍一郎。
只今桐山家にて、そのサイバーテロリストを撲滅させる計画会議、及びテロリストの正体を探索中。そして見つけ出した情報が、これだ。
「あのテロリストプレイヤー集団の正体はある程度分かった。――大した革命家だよあの連中!」
槍一郎は呆れた口調で、WGCから寄せ集めた報告書を見せられる所まで剣達に見せた。
「『BLACK HERON』? これがテロリスト達の名前なの」
「英語でクロサギって意味。鳥の一種やな。悪行を開き直って、やりたい放題バタバタ暴れてるのが目に見えてるぜ」
みのりの疑問に、剣は皮肉っぽく答えた。
「奴らは各所のエリアのゲームをチートプレイさせてデータ崩壊させるだけじゃない。
不正行為を繰り返して、スコアや大会成績も総なめにしている形跡も残ってる。堂々と!」
槍一郎の口調からも、ブラックヘロンの不正行為を利用したタイトル強奪に対し、声の圧を上げてその怒りの度を示す。
「そんでもって、その不正申し立てを揉み消す存在がいるから、俺たちゃ怖いものなしってか? ホントに舐めた真似してくれるやんか、あのボケェ!!」
そして剣は唇を噛み締めながら、報告書を憎たらしい顔で睨み返した。
「って事は、次の『G−1グランプリ』の予選にもそのプレイヤー達が出るって事じゃない?」と、みのりがテロリスト達の出場を予想する。それに考えには剣も肯定的だ。
「100%出るやろな。――でも気になるんは、あの連中の親玉クラスのプレイヤーらが、公の場でどんだけ顔を出すかやな。こんな事態になる程だ。下っ端を操ってテメーは高みの見物だってあり得るで」
「なんかカルト教団みたいね……」
等とみのりと剣は考えを煮詰まっていたが、ここはWGCの公式プレイヤーの槍一郎。奴等の行動範囲を既に見透かしていた。
「そういう事。この小説のざまぁ展開には都合の良いデータが控えてあるんだ」
「槍ちゃんも意外とメタいな」
剣のツッコミはさて置いて。槍一郎は、ブラックヘロンの幹部と思われるプレイヤー達に関するデータ報告書を剣達に見せた。
「ブラックヘロンを作り上げた無名のプレイヤー達は、皮肉なことにほぼ全員が、大阪のプレイヤーなんだよ」
「そんなご都合展開アリなの!?」
「いや待て、みのり。という事は……!」
ご都合展開らしくこの単純な連想。これに事が繋がり、剣がその答えを示した。
「『G−1グランプリ予選』、その関西地区ブロックの大会で、奴らが出現する可能性が存分にあるという事――!!」
「御名答」
「ホントに都合良すぎるわね……でもこれで、私達がやることはもう決まったじゃないの!」
そう、剣達のやるべき事はただ一つ!
「『G−1グランプリ関西予選』に俺達も参加して、チート相手に実力でアイツらをぶっ潰す!
大勢のプレイヤー達の前で、焼き鳥の如く公開処刑してやらぁ!!」
剣の逆襲に満ちた怒りの炎が燃え上がる。これならブラックヘロンの奴らなど、一気に纏めてバーベキューに出来そうだ。とまぁ冗談はさておき、三人の意見は直ぐにまとまった。
「て事は、俺達全員で予選に参加するって事か?」
「勿論そのつもりだが、仲間の数は多い方がいい。予選に参加しながら、ブラックヘロンの裏工作の出所も探るんだ。そうだな……予選に出るなら4~5人で攻めるのが丁度いいか」
「剣くんと、槍くんと、私が出るとして。後二人、誰を誘おうかしら……?」
みのりが誰を予選へ勧誘するかう~んと悩んでいる所、剣にはその案を出す必要など無かった。
「俺はもう、誰を誘うか決めてある――!!」
そう言うと剣は、善は急げとばかりにプレイギアで以前入団したあのメンバーに連絡した。
「――あ、俺、剣や。今日テトリスとかしてへんよな? ……よし、じゃいきなりで悪いんやけど、直ぐに俺の家まで来れっか? ――あぁ、お前の力を貸して欲しいんや! 俺の家の場所は分かるな? ――よし! 直ぐに来てくれ!!」
そして流れるようにプレイギアの着信は切られた。
「テトリスって……もしかして、レミちゃん!?」
「仲間は多い方がエェんやろ? アイツも俺の仲間や!」と話していると直ぐに、
「――――お待たせッ! 剣くん!!」
早ッッ!!?
連絡して30秒、テトリス殿堂入りプレイヤーであり同じ『シャッフル』のメンバー、畠田レミが来てくれた。
「レミん家は俺ん家から近いからな」
早速剣はゲームワールドにおける事の重大さをレミに伝え、ブラックヘロン撲滅の協力を要請する。彼女からの応えは、
「当然、あたしも手伝ってあげる! 剣くんとみのりちゃんの頼みなら、いつでも力になるわ! このあたしにまっかせなさ~い!!」
レミが明るく承諾した所で、これで討伐メンバーの4人目は確定した。
「じゃあ、あと一人も決めてるかい? 剣」
「勿論、スゲェ頼りになると思うぜ」
◇◇◇
――剣達が向かったのは、梅田駅付近に設立された巨大アミューズメントパーク『ギャラクシー』。
「レミはここ来たの初めてか?」
「いや何回も来てるけど、あたしパズルゲームのコーナーしか行ってないから……」
(じゃ、あの人見たらびっくりするわね)
みのりはクスクス笑いながら思った。
剣達は3階のアスレチックエリアに向かっていた。
そこには移転前の施設の入口に設置されていたボルダリングの壁が組み込まれていた。
「ここ、ここ!『ビッグウェーブ』!!」
「あれ、ここ確か駅より離れたとこにあったよね? 安普請の建物で」
安普請は余計ですよレミちゃん。槍一郎さん、教えてあげなさい。
「2週間ほど前に移転したんだ。ゲームと肉体・精神強化に必要な『心・技・体』の要素を備えたプレイヤー養成プログラムのゲームジムだ。あの人は来てるかな……?」
「あの人って―――ッ!!?」
玄関付近に居たレミの横にある5メートル程の懸垂用鉄棒に脚を引っ掻けて、逆さにぶら下がっている巨体のスキンヘッド男にレミは気づいた。
「に゛ゃあ゛あ゛あ゛!!!!!」
その男は『紫煙の格闘王』高橋豪樹。ゲームジム・ビッグウェーブの経営者で、現役格ゲープレイヤーだ。
「ハハハハ!! 何や剣達やないか、久々やなぁ!!」
「豪樹さーん! 今鉄棒降りれますかー? ちょっと話したいことがあるんです!!」
剣が遠方から豪樹に話しかけた。
「おぅ、ええでー! ……あれ、お嬢ちゃん誰や? 何しとるん?」
初めて豪樹に会って腰を抜かしていたレミにようやく彼は気づいた。
「つ、剣くんのお友達です……」




