表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第1章【シャッフル・オールスターズ編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/310

第10話②~超次元ゲーム時代の異変~

 「あの、スタッフさん。失礼ですが――今、大会は『最後』って言いました?」




 世界最大規模の大会『G−1グランプリ』の関西地区大会に出場すべく、エントリーに訪れた剣だったが……突如として不穏な空気が漂い始めた。




「いえ、まだ最後になると確定したわけではございませんが……。この状況が続けばG−1グランプリはおろか、ゲームワールドオンラインそのものが消滅する可能性があるのです」




「な、何やて!? 話の規模がデカなりすぎやろ!」


 事態は一瞬にして膨れ上がった。超次元ゲーム時代を象徴するVRMMO『ゲームワールドオンライン』が消滅しかねないという、未曾有の危機。




 当然、この話は都市伝説的な噂に留まり、公表はされていない。剣もにわかには信じられなかった。


 するとスタッフは、周囲を警戒しながら耳打ちする距離で囁いた。




「実は、この噂には理由があるのです。このゲームワールドを壊そうと企む、サイバーテロリスト集団が潜んでいるという……」




「サイバーテロリスト……!!?」


 あまりの衝撃に、剣は言葉を失った。


『伊火様』や大人のチンピラ集団とは、格が違う。


 秩序を平然と踏みにじり、己の手を犯罪で汚す不届きな連中が、この時代にも潜んで悪巧みをしているのだ。




 今回の件は、ゲームワールドを管理する機関『WGC』ですら手を焼くほど厄介な相手だという。




「『チート行為』という言葉はご存知ですか?」


「………えっ!? あ、はい。多少は……」




「ゲームデータを改ざんして、本来不可能なことを不正に行う行為です。彼らはそのチート行為を繰り返し、プレイヤーたちが築き上げた記録や名誉を奪い、数々の管理システムをクラッシュさせていきました。


 これが続けば、WGCへの損害だけでなく、プレイヤー全員の尊厳や秩序をも崩壊させる危険があります。最悪の場合、ゲームワールドの根源となるシステムそのものが破壊され、完全停止に追い込まれることも……!!」




(……おい、マジかよ……!?)




 想像以上に深刻な問題だった。身勝手なチート行為が、他のプレイヤーたちの居場所を奪っていく。ゲームを愛する者にとって、断じて許しがたい暴挙だ。




「……ちょっと待ってください。じゃあ、何のために不正防止機能や、槍ちゃんみたいなオフィシャルプレイヤーがいるんですか!? こんな大事態を防げないんじゃ、WGCだって……!!」




「公式の強固なセキュリティを掻い潜る裏工作が、何度も行われてきました。証拠を消すために防止装置を細工したり、証人の口封じにプレイヤーが『蒸発』したケースまで出ているのです」


 もはやゲーム内の問題では済まされない。冗談では通じない凶悪犯罪にまでエスカレートしていた。




「本物の犯罪集団じゃないですか! VRMMOでどうしてそこまで――!?」




「それは私共にも分かりません。ただ、彼らの悪意には……『超次元ゲーム時代』と呼ばれる今の時代を良しとしない者の、深い恨みが籠もっているように思えるのです」




(恨み? ゲームに恨みを抱える奴が居るのか? ――そんな奴らのために、俺たちの居場所が失われるのを黙って見てろって言うのか……!!)




 剣の不安は、激しい怒りへと変わった。情熱を注いできた場所を奪われることに、どうしても我慢ならなかった。




「……何とかならないんですか? このままゲームワールドが消滅するのを、指をくわえて待つなんて……」




「最大限の尽力はするつもりです。しかし、我々の力だけでは足りないでしょう。けれど、プレイヤーが引き起こした悪意は、同じプレイヤーの手で食い止めることができます。魂を込めてゲームに挑む、『ゲーム戦士』ならば……!」




(―――!!)


 剣の心に、一筋の光が射した。




「お話しできるのはここまでです。このことはくれぐれも公にはなさらぬよう、ご協力をお願いいたします」




「はい……」


 剣は魂が抜けたような返事をし、窓口を後にした。 もはやエントリーどころではなかった。事の重大さに、背中から押し潰されるような圧迫感を覚える。


 だが、かつての孤独な剣ならここで絶望していただろうが、今は違う。様々なゲームを通じて繋がった『仲間』がいる。




「早く皆に、このことを伝えなアカン――!!」




 ◇◇◇




 直ちにログアウトした剣は、みのりと槍一郎を桐山家に集め、事の経緯をすべて打ち明けた。




「そんな、ゲームワールドが無くなっちゃうの!?」




 混乱するみのり。その様子を見守っていた剣の祖父・矛幻は、この事態を予見していたようだった。




「……その連中は最近になって、大会や各タイトルで犯行を本格化させたんや。最初は一人のプレイヤーによる些細な悪行やったものが、同じ悪意を持つ同胞を増やし、今やWGCの脅威となっている。槍一郎君のようなオフィシャルが証拠を掴もうとしても、二重三重の妨害工作に阻まれて対処ができん。恐ろしい連中や」




 そして、剣と同じように怒りを滲ませる者がいた。親友の槍一郎だ。




「僕らオフィシャルプレイヤーが何もできず、あいつらの悪行がエスカレートしていくのを思うと……僕も、悔しすぎる――ッ!!」


 槍一郎の両拳が、怒りでワナワナと震える。




「でも、このままじっと見てるわけにはいかないわ! 剣くん、どうしたらいいの?」


 みのりが不安を募らせる中、剣の心には既に、揺るぎない覚悟が宿っていた。




「一人の無名プレイヤーが始めた犯罪を、同じプレイヤーである俺たちが覆せないはずはない―――!!」


「剣――!?」




 槍一郎とみのりにはすぐに分かった。誰よりも激しい怒りを燃やしているのは、剣なのだと。


「俺たちはゲームで繋がってここまで来たんや! その大事な居場所を、あんなエゴイスト共に潰されてたまっか! 俺はあのテロリスト集団をぶっ潰す!! ――みのり、槍一郎、俺に力を貸してくれ!!!」




 剣の渾身の叫びに、二人の魂が共鳴した。




「……よし、分かった! 僕もプレイヤーとしてのプライドに懸けて、力を貸すよ!!」


「私も! これは超次元ゲーム時代に関わる、大事なことですもの!!」




 ――やってやるぜッッ!!!!




『超次元ゲーム時代』と呼ばれる狂乱の渦の中、今、魂を共にする三人のゲーム戦士が立ち上がった。


 ゲームに生きるプレイヤーたちの未来を、その手に掴み取るために……!!

次回、第11話。テロリストプレイヤーを潰すべく3人は『G-1グランプリ関西予選』にターゲットを絞る!!そして……


戦士達よ、『SHUFFLE』の旗のもとに集え!!


お楽しみに!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ