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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第1章【シャッフル・オールスターズ編】
42/310

第9話③~何のためのゲーム~

 ―――10分後。


 剣とみのりが、テトリス日間ランキングのトッププレイヤー・畠田(はたけだ)レミのプレイを拝見し、剣はあることに気づいた。


(……やっぱりレミのセンスの源は勘やな。

 途切れない集中力と空間認知力が継続の助けになってる反面、大それたテクニックはなく、工夫もなかった。やり方は知ってるけど本質知らず。【ブラックボックス】って所か……)


 ブラックボックス、即ち『中身の分からない箱』。


 レミの脳内に宿る暗箱が起動され、テトリスを凌駕する。ところが、そのブラックボックスが尻切れトンボのように集中が途切れ、ゲームオーバーの音が鳴り渡る。


「……あれぇ~? おかしいな、さっきから調子が上がらない……」


 勿論剣達が邪魔した訳では無いが、レミのスコアは845360点。前回から減点された不調である。


「さっきから長い事ずーっとプレイしてたから、集中力が途切れたんや。レミ、一旦ちょっと休憩しようや!」

「工場の外に売店があったわ。彼処でお茶でもしましょうよ!」

「え、うん……」


 工場の近くで売店、更にティータイムというのもマッチしない雰囲気だが。剣達はレミを連れて一旦パズル工場を離れた。


「はいよ、俺達からのおごり!」

 剣はレミに売店で買ってきたチョコレートシロップタップリなパフェを渡した。


「え!? 良いの?」

 レミは戸惑っていた。いくら同年代の学生とはいえども、見ず知らずの人に奢って貰うとなると流石に遠慮する。


「真剣にテトリスしてるレミちゃん見てたら、応援したくなっちゃって!」

「俺等の気まぐれやと思って食べな。甘いものは頭の休憩に良いんやで」


「わぁ、ありがとう~! あたしチョコレートパフェ大好きなの!!」

 と言うとレミは嬉しそうにパフェを頬張った。


「―――昔からやってるの? テトリス」

 みのりはレミに興味津々に質問する。


「テトリスというよりも、あたしパズルゲームそのものが大好きなの。

 普通の人から見たら難しそうなパズルを、自分の力で解いてくのが凄く楽しくて!

 このゲームワールドでパズルがやれるって事を知ってから、ずっとパズルばっかりやってるわ」


 ゲームへの想いは人それぞれ。レミのパズルゲームに対する好奇心が、知らない間に驚異的なセンスを産み出しているのだ。


「それに……ゲーム上手くなったら、友達出来るかなって思って」

 レミは急に浮かない顔をしながら下に俯いた。


「………どういう事や?」


「――――あたし、中学の時に結構いじめられててね。

 親友って呼べる人も居ないし、不登校にはならなかったけど、あたしにも誇れるものが欲しいと思って……!」


「「………………」」


 レミの眼から若干涙で潤い始めた。

 話さなくともその苛めが悲痛であることを、剣とみのりは真摯に受け止めた。


「………ほんで、そいつらを見返したいと思ってゲームしてんのか?」

 剣は一転して真剣な表情になって、レミの心情を伺った。


「そんなんじゃないの! 私は自分の極限を越えたい!! ――自分だってやれば出来るって事を、ゲームを通じて証明したいの!!!」


  (…………その時点で圧勝やがな。イジメっ子野郎相手にゃ……!)

 この本音を貫いたレミの答えに、剣の魂に何か惹かれるものを感じた…!


「……よし! じゃ俺も手伝ってやるよ。レミの『スコア100万取ったるわコルァ計画』!!」

「本当!? でもそんな計画名じゃないわよ!『スコア100万も良いけど百万円は欲しいわ計画』!!」


 ネーミングはどーでもいいでしょうに。


「まぁ、それはエェとして。レミはさ、テトリスやってて歯痒かった事はあるか?」

「歯痒かった事? んー、ラインを積んでる時にT字に穴空いてて、T字テトリミノに入れられない事かな?」


「成る程ね。ところで、みのりはレミのテトリス見ててどう思った?」

「私は……最後まで諦めないで欲しい事かな」

「どーゆー事?」


「テトリミノが完全に下まで落ちて、固定するまでタイムラグがあるでしょ? それを応用してみると、もっと継続出来るんじゃないかなって」

 みのりは平凡に見えても、時々核心付いた意見を言うから十分に参考になる。剣はそれを理解していた。


「せやな。レミは本能の直感でテトリスをしてる所がある。せっかく人並み以上の集中力があるのにもったいないぜ。

 ――ここは一つ、戦略を立てよう! 俺達が絶対、100万点スコアを取らせてやらぁ!!」


「戦略―――!?」


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