第58話②~聖剣の意志~
【アメイジングゲーム状況】
・桐山剣 HP700:手札4枚 EG⑤
・天野槍一郎 HP1200:手札4枚 EG⑨
・池谷倭刀 HP1100:手札1枚 EG⑦
・大森穂香 HP2000:手札3枚 EG⑤
フォロワー:【プラントウォール】
・大森賢士朗 HP2450:手札4枚 EG⑤
フォロワー:【大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―】
「あの聖剣と真っ向勝負、って……破壊とか対策の手立てでも見つかったのか?」
ゲームに関しては直球勝負を好む剣。一応の念を押すように槍一郎は無謀かどうかを確かめたかった。
「槍ちゃんが心配するまでもねぇ、これは無謀な考えだ。どう対処するか今でも分からねぇけど……やるだけの事はやりたい。プレイヤーとして悔いは残したく無いんだ――!」
プレイヤーのプライドに掛けて、何としても勝ちたい。剣はその意志を邪魔する『可能性』や『理屈』を抜きにして、己の全身全霊で純粋な気持ちで勝負したいと思ったのだ。
「…………全く、剣はホントに贅沢体質だな。切り札騎士が言うなら僕は何も言わない、それで乗ってみるよ」
槍一郎はやれやれと言わんばかりの表情で潔く承諾した。
「あんがと槍ちゃん。いつも俺のワガママに付き合ってくれて」
「良いんだお互い様だ。君と出会って、僕が退屈した時なんか無かったんだから。それを思えば……」
槍一郎は何か思わせ振りな素振りを見せながら、同時にカードスキャン!!
『カスタムツールカード、【クリスタルテクター】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎カスタムツールカード◎
【クリスタルテクター】
属性:黄 EG:③ DP1000
・効果:①フィールド上のユニット
またはプレイヤーに装備させる。
②装備したプレイヤー、ユニットは受ける
ダメージが0になる。ただし攻撃を3回受けた時
このカードは破壊される。
◎――――――――――――――――――◎
3度まで敵の攻撃を無効にする結晶の鎧、それを槍一郎は剣に装備させた!
「これでも助け足りないくらい、剣と親友になれた事を感謝してるんだ僕は!!」
「……こっちこそ、さんきゅ!!」
男同士の友情、これまた美しきかな。
「――――仲良しごっこは終わったか? ならばこちらから行くぞ!!」
来たッ! 賢士朗が聖剣を片手に剣達に迫ってくる、ユニットを出される前に攻撃の機会を見極めるのだ!!
「そんな事、言われてもよぉ!」
「あのクソ親父、剣術とか習ってなさそうな割には剣の動きが速い……!!」
四人は迎撃しようにも賢士朗の剣捌きで避けるのに精一杯。
というよりも賢士朗の殺気がアドレナリンとなって、何としても剣達を切り刻もうと躍起になる危険野郎から逃げてる行為に等しい。お前は包丁持って人を襲う山姥か!?
「おらあああああああ誰から喰ってやろうかああああああああ!!!!!」
言われたからってその気になるんじゃない!!!
――ガキンッ!
「やべっ……!」
賢士朗の剣が若干かすりながらも≪クリスタルテクター≫のお陰で無傷、聖剣の効果も発動しない為、槍一郎のフォローの甲斐があった。
「おおっと、忘れる所だった。EGが溜まった所でお待ちかねのユニットを……!」
え、そうだ!! こんな事をしているうちに賢士朗のEGは⑨! ということは……
『ユニットカード……【リモースクラスターロケット・オネスト】!!』
また出ちゃった~! ガチな軍用トラックに乗せた怨念のクラスターロケット!!
「そうは、させません!!」
『カウンター・レスポンス発動』
おっと紫属性ユニット召喚に待ったコール! 穂香がカウンターからのカードスキャン!!
『アクションカード、【召喚キャンセル】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【召喚キャンセル】
属性:青 EG:②
・効果:事前にフィールドに出したユニット
の召喚を無効にする。その後自分は
カードを1枚ドローする。
◎――――――――――――――――――◎
「これで≪リモースクラスターロケット・オネスト≫の召喚を無効にし、私はカードを1枚ドローします!」
これでロケット再来は免れた! 更におまけでカードも引けるというキャントリップ効果付きなカウンターカードである。
「まだ足掻くか……だがこれで終わりと思うな!!」
賢士朗は再びカードを発動させる! しかし残っているEGは無いぞ!? ……もしかして。
「私はスタンプコスト[*10]、即ち1000のHPを支払い、カードスキャンする!!」
『ツールカード、【邪道招来術】!!』
〔大森賢士朗 HP2450→1450〕
◎――――――――――――――――――◎
◎ツールカード◎
【邪道招来術】
属性:黒 EG:*10
・効果:手札からユニットを一体EGの
消費無しでフィールドに召喚する。
◎――――――――――――――――――◎
地獄より伝わりし禁断の召喚術、賢士朗の手前に禍々しい魔方陣が敷かれたと同時に地響きを起こしてユニットが姿を現す。
「私が召喚するのは……第三の紫属性ユニット、≪バイオサリンジャー・XYZ≫!!」
◎――――――――――――――――――◎
◎ユニットカード◎
【バイオサリンジャー・XYZ】
AP:700 DP:1200 AS:30
属性:紫 ユニット/マシン
・能力:[デリート:3]
①このユニットと戦闘を行い、
ダメージを与えた相手ユニットは破壊される。
◎――――――――――――――――――◎
無機質なロボットユニットの周囲に漂う霧、これは細菌が漂う危険なものだ!! それに能力を見るからにバイオハ◯ード並のえげつなさ……だが!
「んなもん通して溜まるかボケェ!!!」
倭刀がそうはさせんと決死のカードスキャン!
「アクションカード、【デススラッシュ】!!」
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【デススラッシュ】
属性:黒 EG:④
・効果:フィールド上のユニットを1体破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
倭刀のシンプルな除去カードだ! 倭刀の地獄へ突き落とす辻斬りが、細菌兵器を玉砕した!!
「おのれ小僧がああああああ!!!!」
賢士朗の怒りの矛先が倭刀に向けられ、それに気を引いているうちに……
「剣さん、これを!!」
穂香は隙を突いてカードスキャン!!
『ツールカード、【癒しの聖水】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎ツールカード◎
【癒しの聖水】
属性:緑 EG:②
・効果:プレイヤー一人にHP500回復する。
◎――――――――――――――――――◎
穂香は≪癒しの聖水≫の対象を剣に選び、剣は杯の形をした器に入った水をゴクゴクと飲み干す。聖水は身体に優しいはちみつレモン味だ。
〔桐山剣 HP700→1200〕
「助かった……!? 穂香危ない!!!」
「え――? きゃっ!!!」
〔大森穂香 HP2000→1600〕
「私が斬るチャンスを見逃すとでも思ったか? 甘いわ穂香!!」
賢士朗は穂香の油断を逃す筈は無かった!! 斬撃によって穂香は聖剣によって400ダメージを与えられ、例のあの能力が。
「≪GXキャリバー≫の効果発動!! 私のHPを500回復し、墓地からユニットカードを呼び戻す!!!」
〔大森賢士朗 HP1450→1950〕
聖剣の効果により回収したユニットはまたしても≪リモースクラスターロケット・オネスト≫。
これではまた召喚して≪バイオサリンジャー・XYZ≫か他のユニットを場に復活させるだけの繰り返し……!
「これでは切りがありませんよ……!!」
「ちくしょう……」
剣もこのエンドレス戦術から盤面の厳しさを実感しつつあった。
「クククク……! 無駄な足掻きはその辺にしておけ!! G-パーツの聖剣が私を持ち主に選んだ今、超次元空間の神として相応しい事を証明されたも同然なのだ!!!」
「――はぁ? お前はアホか!? 勝手に盗んどいて勝手にんな事決められても誰も認めるかボケェ!!」
そんな戯れ言など認めんと、剣が真っ先に異議申し立てた。
「認めるの認めないだの、実に下らん……事実この聖剣が私の手にあり、この戦場で猛威を振るっているのが見えんのか!!!
――WGCのザル警備に奪われ、友情に現を抜かし二度も奪われたお前らに、聖剣を持つに相応しいプレイヤーと証明出来るのか!!?」
「…………!!」
悔しいが、誰もそれに反論する言葉が見つからなかった。
「道具は自分の意志で動いたりはしない。その結論から言えば、どんな結果であれ手に入れた者が絶対的な正義では無いのかね?」
「…………」
ゲームも聖剣の所有権も、因果に伴った結果が全てを語る。剣達がどんなに頭をフル回転しようとも、どうしても言い返す事が出来なかった。
「騙したアイツが全て正しいなんて言わねぇが……今まで俺達がしてきた奢りがこういう結果を招いたのは事実だ。でも本音言うならな……
――――俺はあの聖剣GXキャリバーを、1回でも良いから振るってみたい――!!」
「剣、さん……?」
不本意にも剣の言動にきょとんとする穂香。
「せっかくお宝が目の前にあるんだ、これは絶好のチャンスだと思うぜ!!」
「…………何が言いたい」
不愉快にも賢士朗も剣に問いかける。
「良く聞けクソ親父、ゲームワールドに伝わる大いなる聖剣ってのは、俺みたいな切り札騎士に使うのがピッタリなんだよ!! お前みたいな汚ぇ大人が触るとせっかくの聖剣も錆びちまうぜ!!」
「……世迷い言をほざくのもいい加減にしろ!! カードで覆せぬ以上、この聖剣をお前らに渡されてたまるか!!!」
「んな事……やってみねぇと分かんねぇだろッッ!!!!!」
「剣……!!?」
剣は何を思ったのだろうか……前線に立ち、聖剣に真っ直ぐな眼を向けて叫んだ。
「やい、GXキャリバー!! お前このまんまで良いのか!? イカれた大人に振り回されて伝説の聖剣がただの殺人道具にされて悔しくねぇのか!!?」
「…………黙れ――――」
「お前が意志があるとか無いとか関係無ぇんだ!! 俺はただ理不尽な奴に聖剣を使われるのが我慢出来ない!!
だってそうだろ!? お前の大いなる力はこんな事に使いたくないって、ゲームが好きな奴に使って欲しいってウズウズしてんの俺分かってんだからな!!!」
「黙れ…………ッッ!!!」
「俺の想い……届いてくれッッ、GXキャリバーァァァァァァ!!!!!!」
「黙れ黙れ黙れェェェェッッ!!!! 無為な足掻きごと切り裂いてくれるわァァァァァァ!!!!!」
剣の前に降りかかる狂気の刃、だが次の瞬間――――奇跡が起きた……ッッ!!
『――――ワレモ、オナジオモイダ……!!』
「………………え?」
夢か誠か……聖剣から神々しい声がシンパシーとなりて、桐山剣に通じあった――!
「――――が、な、何だ……剣が動かない……切り刻めない――――!!?」
賢士朗の振りかぶろうとした腕が、一時停止の如く硬直している。まるで剣が斬るのを拒むかのように……
『――――ワガヤイバ、セイギノココロキズツケルモノニアラズ。マッスグナタマシイデゲームニウチカツセンシニアタエシ、セイケンナリ!!
ソノプレイヤーコソガ……キリヤマツルギ、オマエダ!!!』
「……え、俺!!?」
『セイギニメザメシセイケンノチカラ……ウケトルガヨイッッ!!!!』
その刹那、賢士朗の握っていた聖剣が目映い光の珠に変わり、光速の速さで剣に激突した!
「うわッッ!!? ――――!!!!」
GXキャリバーと一体化した剣は、身体が黄金の光に包まれ、その光が収まるとそれを凝縮させたものが右手に宿り、実体化する。
そう、それこそが……!!
「…………ば……バカな、こんな馬鹿な――――!!!!?」
聖剣GXキャリバーが、桐山剣の手に――!!
「これで……また会えたな、聖剣GXキャリバー!!」
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