第58話③~G-パーツに見込まれた男~
【アメイジングゲーム状況】
・桐山剣 HP700:手札4枚 EG⑤
【クリスタルテクター】装備中
・天野槍一郎 HP1200:手札3枚 EG⑤
・池谷倭刀 HP1100:手札0枚 EG⑤
・大森穂香 HP2000:手札3枚 EG④
フォロワー:【プラントウォール】
・大森賢士朗 HP1950:手札3枚 EG⑤
※【大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―】が桐山剣に……!?
――桐山剣は、この聖剣の事を前から知っていた。
アメイジングがリリースされる前、剣は鬱蒼たる森で聖剣を握り、≪サラ・チャンドレイユ≫の存在を知ったあの予知夢のような出来事……※第31話参照。
黄金の鞘とオリハルコン製の鋭利な両刃、剣はまじまじと聖剣を見つめ、改めて間違いないと確信した。
何の因果か宿命なのか、夢で握った聖剣は≪GXキャリバー≫そのものだったのだ!!
「こんな……こんな馬鹿な事があるのか!?何故聖剣がお前の元に来ている……ッッ!??」
賢士朗は全身を震えながら過去最大級に驚愕している。
「決まってんじゃん。お前が散々道具扱いしていたG-パーツの聖剣が俺を選んでくれた。俺には分かるんよ、聖剣に宿っていた意志ってヤツが」
「道具風情が意志を持つだと!!?そんなこと、有り得ないぃぃぃぃぃぃ!!!」
アメイジングのゲーム状況を見ても、≪大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―≫の所有権は桐山剣と認識されている。
記録から見ても賢士朗から剣へ譲渡という形でゲームが成立していた。
どうしてもこの現実が信じられないのか、ヒステリックに賢士朗は喚く。
「それじゃ、ちゃんと現実を直視させないとな。≪GXキャリバー≫の効果!EGを③払って、聖剣を俺に装備させる!!」
剣はEGを消費して、改めてぎゅっと聖剣を握りしめると一瞬聖剣から暖かい光が灯り始め、剣の身体から力が溢れる感じを実感する。
「この聖剣の効果はもう分かるよな?装備したことにより俺はプレイヤーからの攻撃に干渉されず、HP回復その他諸々だ!!」
あれ、剣の方が効果分かって無いような……?
「細かいことは後回し!!やられた分倍にして返したるぜ、クソ親父!!!」
「――!!」
剣は賢士朗に向かって遮二無二の勢いで攻撃を仕掛けた!!
先程の賢士朗のような刃物を乱暴に振り回すのとは大違い、剣は一太刀一つ一つが無駄の無い華麗なる剣術で賢士朗を追い詰める!カッコいい~~!!
「ホンマや……剣さん、ホンマもんの騎士に見えるぜ――!!」
「剣さん……!」
倭刀も穂香も剣の立ち回りに惚れ惚れ、しかし賢士朗のゴキブリ並みに素早い動きでどうにも一撃入れられない。
「……剣!助太刀するぞ!!」
槍一郎が手札でピンと来たのか、即座にカードスキャン!!
『アクションカード、【ムーヴ・ストッパー】!!』
◎アクションカード◎
【ムーヴ・ストッパー】属性:青 Eコスト②
・効果…プレイヤーを10秒間行動を止める。
槍一郎は賢士朗に動きを遮断させる電磁波を当てて、彼のすばしっこい動きを止めた!
「く……が……かっ!!」
斬るなら今だぞ剣!!
「食らいやがれ!!エース・GXスラッシュ!!!」
全身全霊で振りかぶった剣の一文字斬り、クリティカルヒット!!!
「ぐぉぉぉぁッッ、は…………ッッッ!!!!」
賢士朗はそのまま地面に叩きつけられ、尾羽打ち枯らすように断末魔を残し倒れる。HPは1550だ。
「まだまだぁ!!GXキャリバーの効果!HPを500回復、更に墓地からユニットを呼び戻す!!回収するのは≪サラ・チャンドレイユ≫だ!!!」
おおっとここでエースカードの≪サラ・チャンドレイユ≫が戻ってきた!!そして何を思ったか丁度EG⑥になった剣はそのまま……
『ユニットカード、≪サラ・チャンドレイユ≫!!』
再びサラを召喚、夢の時以来の聖剣とサラの邂逅だ!!
「サラ、覚えてるかな……聖剣と夢の事――?」
するとどうだろう。彼女本人は剣の聖剣を見るなり声には出さないが、嬉しそうに喜んでいた。
カードが人の記憶を干渉するとは思えないが、これもカードの演出なのか?
「やったな剣、聖剣を持つに相応しい軽やかなフットワークだ」
「ホンマカッコ良すぎですぜ剣さん!!」
「まさかゲームでG-パーツを取り戻すなんて……!流石です!!」
仲間から称賛の大嵐、これには剣も有頂天!
「……へへっ!どんなもんや、これが切り札騎士の実力だぜッッ!!」
これで盤面でも、HPや手札の差から見てもオールスターズが逆転した!!
賢士朗の手札には紫属性ユニットが眠っているが、丸腰の状態では出される前に制圧の可能性も出てきた。
行けるぞシャッフル!頑張れ~~!!
「――――ぐ、ッうぅ……、ッッはあぁあ……!」
GXキャリバーの効果処理が終わったにも関わらず賢士朗は未だに悶え苦しんでいた。
「……剣、少し力入れすぎたんじゃないか?」
「ほっとけよ先輩、あんな感じで穂香は虐待で苦しんで来たんだ、自業自得って奴ですぜ」
「一応追い討ちは掛けんから、暫く苦しんでろクズ大人が」
「お父様……」
剣達はそれぞれの反応を示しながら賢士朗の様子を伺う。……すると。
「――――ぐぁっ!!があああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「……いや、そこまで苦しめとは言ってねぇけど……?」
「お父様!?」
何ということか……!賢士朗が天を仰ぎ腹の底から叫ぶと同時に、顔面がパリパリとひび割れていく……!!
このエフェクトは……ゲームワールドオンラインへの転送に使う身体・精神データが維持できずに崩壊する寸前の現象だ!!
「うぬぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉぬぐぅぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああッッッッ!!!!!!!!!!」
その時だった、剣は精神諸とも崩れつつある賢士朗を見て、何かを悟った。
(まさか、アイツがG-パーツを欲しがってデッキにまで入れてたのは……生命維持の為、なのか――!?)
このバトルの運命を指す羅針盤が、大きく揺るごうとしている……!!
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