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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第4章【アメイジング・ウォーズ編】

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第53話①~たった一人の盾~

【アメイジングゲーム状況】

 ・桐山剣 HP300:手札10枚 EG①

 ユニット:【ブルーバード】

 ツール:【ボンドストーン】


 ・大森穂香 HP2000:手札0枚 EG①

 ツール:【プラントウォール】【アイスエイジストーン】


※剣の起死回生の逆転コンボ【勝利への宝札】【テイク・ア・チャンス】によって穂香の≪オーク・インカネーション≫と手札を一掃!!


剣VS穂香・後半戦突入!一ミリ足りとも見逃すな!!

オープン・ザ・ゲート!!!!

「そ、んな……私の手札が……、オークが……全滅――!!」


 その時、穂香の大樹のごとき雄々しい魂の闘志が、樹の生命力が尽きかけるように崩れ落ちかけていた。


 桐山剣の大博打と称すべき宝札を手にした事で、穂香の手札はゼロ。更に手札の数で力が増大する≪オーク・インカネーション≫3体全て、が手札枯渇による()()()()で破壊された。


 思えばえげつないコンボであったが、真剣勝負のゲームに情けは無用。しかしそれを許したのも、穂香の紛れもない致命的なミスなのだ……!!


 しかしゲームはまだ終わってはいない。


「≪ブルーバード≫の効果!! 攻撃宣言による攻撃の代わりに、EG(エネルギーゲージ)を②追加させる! 更にカードを発動!!」


 蓄積EGは③、デッキデータに溜め込んだ10枚の手札から1枚をカードスキャン!!


『ツールカード、【リカバリーポーション】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎ツールカード◎

【リカバリーポーション】

 属性:無 EG③

 ・効果:自分のHPまたはユニットのDPを

 500回復する。

 ◎――――――――――――――――――◎


 ユニットや自分のHPを回復させるボトル状のドリンクの≪リカバリーポーション≫を手に剣は一気に飲み干す。味は炭酸レモンである。


 〔剣 HP300→800〕


(これで一先ずは安心や)


 一息ホッとする剣、しかしまだやることが山ほど残っている。


 まずは相手が手札もユニットも無い間に、未だにダメージを入れられていないHP2000の穂香を攻撃する。……とは言うものの、武器もユニットも無いのは剣も一緒。どうするのでしょうか?


「そりゃお前、こうするんや。《ブルーバード》!!」



 ユニットの能力コマンド間髪入れずに2回連続、《ブルーバード》のEG供給効果で一気に剣のEGは⑤! そして直様カードスキャン!


『カスタムツール・カード、【ファイティングブレード】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタムツール・カード>

【ファイティングブレード】EG:③

 AP(攻撃力):100 PP(使用回数):15

 属性:赤 装備:プレイヤー


 ≪必殺技≫

『ソニックブレード』EG:③ AP:150

 ・弧状のソニックブームに似た赤属性の

 斬撃を撃ち飛ばす。

 ◎――――――――――――――――――◎


「もう一回、《ブルーバード》の効果!!」


 これでもかと続けてEG供給効果! 重労働が心配になるがそこは戦う者の配下に仕えるユニット。『お気になさらず効果を使って!』とエネルギーを分け与え、剣は即座に必殺技コマンドを放つ!!


「『ソニックブレード』!!!」


 穂香目掛けて烈火の斬撃が命中!!


「っ……!!」


 〔穂香 HP2000→1850〕


 ようやく初ダメージ、そして同時にドロータイムが訪れた穂香。しかし救いの1枚になるはずが、その顔から絶望の色は剥がれなかった。


「何も出なかったか……」


 ――――銃司が察する通りであった。


 それぞれのカードを組み合わせて強大なパワーを生むコントロール型のデッキである穂香。

 先程まで緑生い茂る大樹を築き上げた末に、剣のコンボによって枯れ葉と化したフィールドではまた1から組み直さねばならない。


 そして穂香のメンタルも、みるみると縮こまっているのが一目瞭然であった。


『カスタム・ツールカード、【聖天の覚醒】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎カスタムツールカード◎

【聖天の覚醒】

 属性:黄 EG:④ 装備:ユニット

 ・効果:装備したユニットは

 AP/DP300アップする。

 ◎――――――――――――――――――◎


「これを≪ブルーバード≫に装備!!」


 メンタルが崩れ掛けた穂香と相反し、剣は休むことなくカードを展開し続ける。

≪聖天の覚醒≫を装備したブルーバードはこれでAPDP共に400のステータスを得た。


「ブルーバードが強化された……」


 除去回避の強化が更に穂香のメンタルに追い討ちをかける。


(――彼女も相当悔しいだろう。勝利直前に2枚のカードで全て水泡に帰されたんだ。しかも止められれば止めることも出来たが、彼女の僅かな(おご)りがこの末路を招いたのは事実だ)


 その驕りとは間違いなく≪ブルーバード≫の除去を躊躇った事である。


 更にユニットが消えた今、穂香のフィールドにある≪アイスエイジストーン≫は穂香自身を束縛する無用の長物と化した。


 剣のEGが青い鳥によって加速するなかで、穂香はただ冬の寒さに閉じ籠ることしか出来ない。故にEGが溜まらない今の穂香に、剣の攻撃は届かない。


 それに察したかのように、剣が一旦動きを止め、穂香に言い諭した。



「……言っとくけどさっきのギャンブルカード2枚も倭刀(やまと)から受け取ったんだ。多分そのカードも俺の勝ちを願ってたんだろうぜ。

 一方的なやり方でお前に辛い思いさせたかねぇんだが……倭刀や皆が俺にカードを託した意味を、改めて考えとけよ」


「………………」


 穂香は無言のまま、アメイジングウォーズで目の当たりにしたプレイヤー達の意志が脳裏に蘇る。


 倭刀の必死の叫喚(きょうかん)、桜の誠実な覚悟、槍一郎の過酷な使命への受容……


 誰もが一人のプレイヤーとしての宿()()を持ち、その魂の強さが形となりてPASのような可視化された力を持っている。

 その強い意志こそが自分を受け入れ、自分だけが持つ本当の強さなのだ。



 そして()()()彩られた穂香の魂に、真の強さは……無い――――!!!!



「結局……結局私は、()()()()()()()()()だった……!!」



 心底の無念によって潤んだ眼がより悔しさを倍増させる。そして先程手にしたカードを覚束ない手でスキャンさせる。


『アクションカード、【ツール・ブレイク】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎アクションカード◎

【ツール・ブレイク】属性:黄 EG:②

 ・効果:フィールド上のツールカードを

 1つ選択し、それを破壊する。

 ◎――――――――――――――――――◎


「破壊対象は≪アイスエイジストーン≫です」


 穂香は次のドロータイムが来る前に、先にEGを束縛する≪アイスエイジストーン≫を自ら破壊させた。

 氷河からの雪解け……と言うよりは凍てついた心への()()という行為に等しかった。



(自分から≪アイスエイジストーン≫を壊した! だったら今のうちにHP減らした方がえぇな!!)


 剣は穂香の萎れつつも折れない闘志に気付き、通常攻撃と必殺技による連続技でHP削減に徹する。


〔穂香 HP1100〕



「……私は……もうこれ以上引き返せません、例え地獄の底に突き落とされようとも、父に愛されなくとも、憎まれていようとも、私は――――――」



 穂香の深緑の眼に映る、狂気と化した父の面影。


 親愛されるべき娘の穂香を()()()(さげす)み、ただ己の願望『超次元空間』の開拓と亡き家族の再開を願望とするエゴイスト……いや、夢幻に現を抜かす廃者。


 そんな父に魂を枯らされても守り抜くその意思の裏腹、それは穂香の記憶の奥底に眠るたったひとつの()()()



 ――――今は亡き家族と育む温かな家庭の日々の記憶。



 ……その記憶にはただ一人、()()()()()()




「――――それでも私は、()()()()の事が好きだから!!! お父さんを守るために亡くなった家族の皆のために!!


 ――私が大森の最後の盾となるッッ!!!!!」



 ―――その時だった。不安で震えかけていた右手からPASの膨大な波動に帯びた濃い緑のPASが、蓄積されていく!! そして、ドロータイムへ!!!



「――――行きます!! ソーサラードローッッッッ!!!!!!!」


 緑の波動と、緑の眼から放つ()()という名の視線。


 深緑の魔導師、第ニ波のタクティクス始動。


次回の更新は5月28日(木)を予定しています!

お楽しみに!!


そしてゲームの続きが気になる皆さん!『早く続きを読みた~い!!』って方は是非ともブックマーク、感想、評価等も宜しくお願いします!!


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