第49話④~招かれざる観客~
・天野槍一郎 HP1200:手札1枚 EG②
フォロワー:【ライトクリスタル・ドラゴン】【エア・ファルコン】
・大森穂香 HP1700:手札3枚 EG⑤
フォロワー:【オーク・インカネーション】
自分フィールド一部:【マナ・グラス】
――槍一郎と穂香の全力勝負、その激闘に水を座す者が現れた。
自らこの『アメイジング・ウォーズ』を起こした黒幕と名乗る男、大森賢士朗だ。
今回もまたゲームワールドの天空から裂け出た異次元、『超次元空間』からの中継でホログラフィーの残像として槍一郎達の前に現れた……、本当は現れて欲しくなかったけど!
『――やはり来ていたか、WGCの雇われ犬が。ゲームワールドの管理しか能の無い連中にも少しは使えるプレイヤーが居たようだな』
「は、はぁ……どうも、オフィシャルプレイヤーの天野槍一郎です」
いいですよあんなのに挨拶しなくても!
しかし戸惑ってはいても、ちゃんと礼儀は弁えるのが槍一郎の良いところでもある。
(アイツが天空エリアに次元の裂け目を作った張本人……このゲームワールドの謎を研究する事に没頭しすぎて、精神崩壊していたとは聞いていたが……)
WGCから入手した情報で槍一郎も彼の事は知っている。それ故に無意識に強い警戒も張っているようだ。
『……ふん、反抗心の無さそうな面だ。まるで主人の言いなりになる人形みたいだ』
なっ!? またしても非情な事を言ってくれちゃって、ほら槍一郎も言ってやんなさい!!
「良く言われてます」
やっぱ反論しないんかい!!!
『やはりな、道理で穂香に妨害に回される訳だ、合点がいったよ』
……何を納得したのかは知らないが、急な展開に娘の穂香も質問をしてきた。
「お、お父様……どうなされたのでしょうか――? わざわざ遠隔通信までして……」
『お前に質問する権利は無い……が、良いだろう。ちょっとした野暮用だ。
――この紅蓮城の主が毛嫌いしているこのオフィシャルプレイヤーに興味があってな』
「はぁ………」
顔には見せないが、槍一郎も内心余計なお節介だと思っている事だろう。
「とはいえ、このゲームは私にとっても計画における重要な分岐となる決闘だ。――この眼で見届けさせてもらう」
……はぁ!? 何を水を指すような事してるんですかこの神聖なゲームを――
『何か文句があるのか!!?』
――――ビクッッ!!!
いや、あの……続けて下さい。(小声で)
『……まぁそういう事だ、さぁ私に構わずゲームを続けろ』
――何て事でしょう。嫌なギャラリーが付いちゃったな、もう……
ところで、読者の皆さんはゲームをしている最中に、ゲームには興味の無い親から割り込まれていちゃもんされて興醒めした経験はあるでしょうか?
好きな事をやる空間に、関係の無い人を入れる事ほど邪魔な事は無いのです。
――――あの親父はそれ以下!!!(小声で)
穂香を八つ当たりするような虐待親父が授業参観するなど、出禁レベルを超過する程お邪魔虫。
きっと必ずやプレイの度に穂香か槍一郎に文句を言ってくるでしょう。
その時にはこの私、語り部のMr.Gが工夫しますので、読者の皆さんは安心して読んでくださいね!
――さぁ、ゲーム続行!!
『アメイジング・続行』
ブレスで一時停止したアメイジングの時間が再び動き始めた。
現在槍一郎がなんとか穂香に先制ダメージを与えた所で、戦況は両者維持している。
(――確かに先制は取れたけど、何よりもギャラリーのおじさんがヤバイのは直ぐに分かった。
アイツを引っ張り出すには、穂香ちゃんと銃司を止めるしか方法は無い! ……やるしかない!!)
槍一郎、覚悟は決まったようだ!
《CARD DRAW》
30秒毎に手札が1枚追加されるドロータイム。そこで先手を打ったのは槍一郎だ!
「……よし! まずはユニット召喚だ」
『ユニットカード、【フォレスト・ヒーラー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎ユニットカード◎
【フォレスト・ヒーラー】EG:①
AP:50 DP:50 AS:10
属性:緑 ユニット/エルフ
・効果:このユニットがフィールドに出たとき、
自分はEG②を得る。
◎――――――――――――――――――◎
森の癒し妖精が槍一郎にEGの施しを与え、直ぐ様2枚目のカードスキャン!!
『カスタム・ツールカード、【大防御の盾】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎カスタム・ツールカード◎
【大防御の盾】
属性:黄 EG:④
・効果:このカードを装備したユニットは
戦闘ダメージでDPは減らず、破壊されない。
◎――――――――――――――――――◎
「ライトクリスタル・ドラゴンに装備!!」
出ました史也戦の≪アルティメット・ブレイン≫の猛攻をも防いだドラゴンと盾の鉄壁コンボ!!
『効果も戦闘ダメージをも破壊されないドラゴンか………さぁ、お手並み拝見といこうか穂香』
「はい………」
やだね~嫌みったらしい応援! モンペアの重圧に潰される子供みたいだ。
それでも穂香は冷静に反撃のカードスキャンを繰り出す。
『マテリアルツールカード、【宝札を祈る銅像】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎ツールカード◎
【宝札を祈る銅像】
属性:無 EG:③ DP1000
・効果:互いのプレイヤーはカードを
発動する度にカードを1枚ドローする。
◎――――――――――――――――――◎
(あれはドロー促進ツール! これじゃ手札枯渇されないし、≪オーク・インカネーション≫のステータスもカード消費で変動されない! ――ちょっとマズイかな……)
前々回の史也・奈々子戦での布陣張りの時もそうだったが、序盤から着々と追い詰める為の準備をしているときがこのゲームにおいて一番警戒すべき所だ。
自分に不利なカードが立っているときは直ぐに除去をしていかないと、対処できずに手遅れになる可能性もなきにしもあらず。
スピードバトルとなれば尚更、迅速な対応が必要になるのだ。
(こうなったら早くダメージを与えて、このゲームを終わらせるしかない!)
槍一郎、ここで勝負に出るか!?
「≪ライトクリスタル・ドラゴン≫、≪エア・ファルコン≫で同時攻撃だ!!」
防御体制を解いて、2体のユニットで速攻の如く特攻した!
2体とも[フライヤー]能力を持ち、穂香のユニットを通り抜けそのままダイレクトを狙う!!
『おやおや………大した事は無さそうだな』
(要らない)ギャラリーの賢士朗に応答するかのように、穂香が『カウンター・レスポンス』を発動させた!
『アクションカード、【デス・ブレイカー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【デス・ブレイカー】属性:黒 EG:②
・効果:フィールド上のユニットを1体破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
ゆ、ユニット破壊カードだ!!
「槍一郎さんの≪エア・ファルコン≫を破壊します」
黒属性の専売特許は『破壊』。そのストレートな効果に従い、≪エア・ファルコン≫は木っ端微塵に破壊された!
更に穂香がカードを発動させた事によって≪宝札を祈る銅像≫の効果により、デッキからカードを1枚ドロー。
「≪ライトクリスタル・ドラゴン≫の攻撃は通します」
カードの効果で破壊されないドラゴンを素っ気ない対応で進行させる穂香。
〔穂香 HP1700→1300〕
アメイジングカード、5色の属性を操る穂香。その場に相応するカードを出すところを見て、全くの死角が見えていない。
(なんだか、変な感覚だ……フィールドもHPも勝っているし、ドラゴンはダメージも破壊もされやしない。筈なのに………勝っている気が全然しない――!!)
槍一郎がゲームをしている時は、その感覚に身を任せて勝つか負けるかを感じ取れるというらしいが……、その感覚が全くないということは、彼にとっては非常事態に等しい事なのだ。
――相手の動きが全く読めない戦いほど、恐ろしいものはない……!!
これが魂の遺伝子【GNA】を秘めたプレイヤー、大森穂香の実力か!?
槍一郎に最大の危機が迫る――!!!
次回の更新は3月30日(月)を予定しています!
お楽しみに!!
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