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第1話

◇6月10日(火)


「なんだこのアプリは?」


 朝起きて何気なくスマホを操作していたら、ダウンロードした覚えのないアプリが入っていた。


 赤色の背景に黄色で「R」と書かれたシンプルなアイコン。怪訝に思いながらもタップしてアプリを開いてみる。すると次のような文章が画面に表示された。


===================================================


クラスルーレットを起動しました。


おはようございます、財前七希(ざいぜんななき)さん。今日からあなたは月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日にこのアプリ「クラスルーレット」を起動してもらいます。


アプリを起動すると1〜30の数字が刻まれたルーレットが表示されます。画面上のルーレットをタップするとルーレットが回転します。


月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日の朝7時に1回、ルーレットを回転させてください(それ以外の時間帯や土曜日、日曜日にはルーレットは回転できないようになっています)。


===================================================


どうやらこの謎のアプリの名前は「クラスルーレット」というらしい。


そしてなぜか俺の名前が知られている。まあ、別に構わないが。


平日の朝に1回、アプリ内のルーレットを回せと書かれているが、何が起こるというのだろうか?当たる数字によっては景品でももらえるのだろうか?


そんな楽観的な気分で続きの文章を読むために画面をスクロールする。


===================================================


 ルーレットで当たった数字の出席番号のクラスメイトが、その日の0時に死亡します。


===================================================


 クラスメイトが──死亡する? そんな馬鹿げたことが書かれているわけがない。文章を読み返してみるが、画面には確かにそう書かれていた。


 冗談にしては不謹慎なアプリだ。どこの誰がこんなくだらないものを開発したのだろう。それとも、俺が流行に乗り遅れているだけで世間では今、こういう類のものが流行っているのだろうか?


 さらに画面をスクロールする。


===================================================


 尚、金曜日にルーレットが当たった生徒は、死亡するのは日曜日の0時となります。


===================================================


 金曜日のみ、死亡するのはその日の0時ではなく二日後の日曜日0時であり、言い換えるなら土日に死亡者は出ないということか。

 

 変な仕様だな。土日営業はなし。まるで市役所や銀行みたいだ。

 

 そして最後にこう書かれていた。


===================================================


 ルーレットを回し忘れた場合、その日の0時にクラスメイト全員が死亡するのでご注意ください。


=====================================


 毎日ルーレットを回せよ、さもないと恐ろしいペナルティを与えるぞ、と言いたいのだろうか? 脅し文句を使ってまでアプリを起動させたいという開発者の性格の悪さが垣間見える。


 全くもってくだらないな。


 スマホをベッドに放り出し自室を出る。

 

 母親が用意してくれた朝食を食べ終え自室に戻ると、スマホからテーマパークで流れているようなポップで明るいBGMが流れていた。


「『クラスルーレット』を起動してください」画面にはそのようなメッセージが表示されている。時計を見るとちょうど7時だった。


 何ともまあ律儀なアプリだ。というか、一応人が死ぬっていうコンセプトのアプリなのに、通知音がこんなにも明るい音楽でいいのだろうか? そんなことを考えながらアプリを起動させる。すると画面には、黄色の円を30等分したルーレットが表示された。等分された各所には1から30の数字が赤色で書かれている。


「一応やってみるか」くだらないと思いつつも、俺は画面に表示されているルーレットをタップした。


 するとルーレットが高速で回転し出した。「もう一度タップしてルーレットを止めてください」というメッセージが表示される。ルーレットの回転速度はとてつもなく速い。ハムスターの回し車の何十倍もの速さである。目押しをするのは不可能だろう。メッセージの指示に従い、画面をタップするとルーレットの速度は徐々に緩やかになり、動きを止めた。


 当たった番号は「22」だった。


 アプリは自動的に切れて、スタート画面となった。


「出席番号『22』って誰だっけ?」いちいちクラスメイトの出席番号なんて覚えていない。一つ言えることは、自分の出席番号は11のため、今日の0時に俺が死ぬことはない。


 ──実にくだらないな。


 さて、学校に行く準備をするか。

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