017 お互いに地雷を踏みまくる回
ー登場人物紹介ー
※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー
◆大道正火斗・3年生。実家は大企業の財閥グループ。
◆大道水樹・正火斗の妹。2年生。
◆安西秀一・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。
◆浅倉奏衣・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。
◆桂木慎・2年生。明るくフレンドリー。
◆神宮寺清雅・1年生。ややお調子者?
◆椎名美鈴・1年生。真面目でしっかり者。
◇桜田風晴・田舎の農業高校2年生。
◇真淵聖・風晴の同級生。話すのが苦手。
○華蔵理人・華蔵家現当主。
○華蔵透子・理人の妹。
結局 髪を直毛に整えられ、グレーの着物と紋付の羽織りを着て眼鏡を外し──"当主・華蔵理人"と正火斗はなった。
女中達からは着付けの間も完成してからも……多分必要以上に身体を触られていた気はする。
何にせよ完成させて出ていくと、別室で待っていたミステリー同好会メンバーに
「おお────!!」
と感心された。
「当主! 当主っぽいです!」
「正火斗これはこれでまたカッコイイよ!!」
「理人さんっぽい雰囲気もあるくらいです!」
「あとは頼んだ」
神宮寺、浅倉、椎名、そして最後に秀一だ。
水樹は特に何も言わず微笑んでいる──艶やかな振袖に身を包んで。
いないメンバーがふと気になった。
「風晴と桂木、あとは聖は……?」
尋ねると4人は顔を見合わせている。
「それがちょっと……ミラクルなクリスマスにしようって……」
「私達のためにしてくれているのよ」
「僕はどうかなって止めたんですけどね」
「まずは実験・検証してみないと」
最後に水樹が力強く言った。
「私はいけると信じてる!」
話が全く見えない──正火斗は聞いた。
「一体何の話だ……?」
そこにバタバタと走る足音がして、ふすまが開く!
「「お待たせ!」」
と風晴と桂木と、もう1人藤色の振袖の女の子が現れた。セミロングの切り添えられ黒髪に青色の髪留めをしている。
「君は……?」
誰だろうと正火斗が尋ねようとした時
「キャ───────! 可愛い! 可愛いよ、聖!」
と水樹が悲鳴に近い声を上げている。
「聖なのか!!??」
正火斗が驚いて肩をつかむと、確かにコクコクとうなずいている。
カツラを被りすっかり化粧もされて紅も塗られ標準越えの女子が出来上がっていた。────いいのか?それで!
「悪く無いと思うんだよ。正火斗が聖に告白しても何しても、浅倉も傷つきもしないだろうし、笑い話だろ。
正火斗は完璧に演技って割り切れるし、聖は傷つかない。」
発案者である桂木が言った。風晴も付け足す。
「聖は知らない人と話さないから声をださないければ、バレないでいけると思う。しかも"当主が好意を示した相手"として狙われても、オレ達が守ってやれる」
風晴は続いて、可愛い感じになった聖に向いた。
「聖、何かあってもオレが守るから!……正火斗の告白を受けてやってくれ。その可愛いまんまでいて」
聖はしばらく考えて、難しい顔をして言った。
「正火斗の告白受けるの…………風晴がいいんじゃない?」
風晴は聖が気の毒になった。
(コイツだって嫌なんだろうな。男子なのに……でも)
「オレに可愛い要素はナイ! 無理! 聖にしかできない!! 頼む! お前が正火斗の告白受け止めてやってくれ!!」
と言い聞かせる。
本格的にややこしくなってきた。
「可愛くなくても……いいんじゃない? 風晴は……綺麗だから。……心が」
(ありがとう聖、お前こそいいヤツで可愛い。だけど)
「それ多分振られるタイプの男子なんだと思う。オレ告白されたのに秒で振られたし」
だいぶ話がそれた。
「あ! その話聞いたよ、聖から。でも桜田ちゃんと約束通り"友達から始めよう"って言ったんでしょう?
私は好きだよ、そう言う男子」
「水樹、風晴が好きなの!!??」
言い終わるか終わらないかのうちに秀一は食いついた!
水樹は彼氏をなだめ始める。
正火斗の方は横から浅倉に声をかけられた。
「桂木はああ言ってたけど……正火斗、その……大丈夫?
なんだか真淵聖くん本当に凄く愛らしいんだけど!?」
これには正火斗は明確に答えた。
「あり得ない。大丈夫だから」
しかし後ろでは
「僕も誰かに告白したいです! 透子さんとか! 相手にされなければ、こっちは消えないんですよね。いやでも……行方不明になっちゃったりして……。ハハハ!」
と神宮寺が言っている。
桂木は風晴に
「お前も辛い目に遭ってたんだな。──けど大丈夫! オレならいつでも365日お前を愛してる!! 心の友!!」
と告げて
「いらねーよ」
と一蹴されていた。
椎名はそれを少し羨ましいような顔で見ている。
正火斗は状況の混沌さに昨日とは違う不安に襲われていた。
今回は深刻な事件が起こらないことを 切に願う。
何かがあっても、頭が働かない気がする
こんなので推理なんて……無理だ
────人間関係が ややこしすぎる…………




