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炎と白銀と〜聖夜の洋館の悲劇〜僕達の推理2  作者: シロクマシロウ子
第3章 欺きの聖者達

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017 お互いに地雷を踏みまくる回

ー登場人物紹介ー


※◆は鳳翔院学園高等部ミステリー同好会メンバー

大道正火斗だいどうまさひと・3年生。実家は大企業の財閥グループ。

大道水樹だいどうみずき・正火斗の妹。2年生。

安西秀一あんざいしゅういち・部長2年生。父親は大道グループ傘下企業役員。

浅倉奏衣あさくらかなえ・副部長2年生。中等部の頃から正火斗に片想い。

桂木慎かつらぎしん・2年生。明るくフレンドリー。

神宮寺清雅じんぐうじきよまさ・1年生。ややお調子者?

椎名美鈴しいなみすず・1年生。真面目でしっかり者。


桜田風晴さくらだかぜはる・田舎の農業高校2年生。

真淵聖まぶちひじり・風晴の同級生。話すのが苦手。


華蔵理人かぐらりひと・華蔵家現当主。

華蔵透子かぐらとうこ・理人の妹。

 



 結局 髪を直毛に整えられ、グレーの着物と紋付(もんつき)羽織(はお)りを着て眼鏡(めがね)(はず)し──"当主・華蔵理人(かぐらりひと)"と正火斗(まさひと)はなった。

 女中達からは着付けの間も完成してからも……多分必要以上に身体を(さわ)られていた気はする。

 何にせよ完成させて出ていくと、別室で待っていたミステリー同好会メンバーに


「おお────!!」


 と感心された。


「当主! 当主っぽいです!」

「正火斗これはこれでまたカッコイイよ!!」

「理人さんっぽい雰囲気(ふんいき)もあるくらいです!」

「あとは(たの)んだ」


 神宮寺、浅倉、椎名、そして最後に秀一だ。

 水樹は特に何も言わず微笑(ほほえ)んでいる──(あで)やかな振袖(ふりそで)に身を(つつ)んで。

 いないメンバーがふと気になった。


「風晴と桂木、あとは聖は……?」


 (たず)ねると4人は顔を見合わせている。


「それがちょっと……ミラクルなクリスマスにしようって……」

「私達のためにしてくれているのよ」

「僕はどうかなって止めたんですけどね」

「まずは実験・検証してみないと」


 最後に水樹が力強く言った。


「私はいけると信じてる!」


 話が全く見えない──正火斗は聞いた。


一体(いったい)何の話だ……?」


 そこにバタバタと走る足音がして、ふすまが開く!


「「お待たせ!」」


 と風晴と桂木と、もう1人藤色(ふじいろ)の振袖の女の子が現れた。セミロングの切り添えられ黒髪に青色の髪留(かみど)めをしている。


「君は……?」


 誰だろうと正火斗が尋ねようとした時


「キャ───────! 可愛い! 可愛いよ、()!」


 と水樹が悲鳴に近い声を上げている。


「聖なのか!!??」

 

 正火斗が驚いて肩をつかむと、確かにコクコクとうなずいている。

 カツラを(かぶ)りすっかり化粧もされて(べに)()られ標準(ひょうじゅん)()えの女子が出来上がっていた。────いいのか?それで!


「悪く無いと思うんだよ。正火斗が聖に告白しても何しても、浅倉も傷つきもしないだろうし、笑い話だろ。

 正火斗は完璧に演技って割り切れるし、聖は傷つかない。」


 発案者である桂木が言った。風晴も付け足す。


「聖は知らない人と話さないから声をださないければ、バレないでいけると思う。しかも"当主が好意(こうい)(しめ)した相手"として狙われても、オレ達が守ってやれる」


 風晴は続いて、可愛い感じになった聖に向いた。


「聖、何かあってもオレが守るから!……正火斗の告白を受けてやってくれ。その可愛いまんまでいて」


 聖はしばらく考えて、難しい顔をして言った。


「正火斗の告白受けるの…………風晴がいいんじゃない?」


 風晴は聖が気の毒になった。


(コイツだって嫌なんだろうな。男子なのに……でも)


「オレに可愛い要素(ようそ)はナイ! 無理! 聖にしかできない!! 頼む! お前が正火斗の告白受け止めてやってくれ!!」


 と言い聞かせる。

本格的にややこしくなってきた。


「可愛くなくても……いいんじゃない? 風晴は……綺麗だから。……心が」


 (ありがとう聖、お前こそいいヤツで可愛い。だけど)


「それ多分振られるタイプの男子なんだと思う。オレ告白されたのに秒で振られたし」


 だいぶ話がそれた。


「あ! その話聞いたよ、聖から。でも桜田ちゃんと約束通り"友達から始めよう"って言ったんでしょう?

私は好きだよ、そう言う男子」

「水樹、風晴が好きなの!!??」


 言い終わるか終わらないかのうちに秀一は食いついた!

 水樹は彼氏をなだめ始める。

 正火斗の方は横から浅倉に声をかけられた。


「桂木はああ言ってたけど……正火斗、その……大丈夫?

 なんだか真淵聖くん本当に(すご)(あい)らしいんだけど!?」


 これには正火斗は明確(めいかく)に答えた。


「あり()ない。大丈夫だから」


 しかし後ろでは


「僕も誰かに告白したいです! 透子さんとか! 相手にされなければ、こっちは消えないんですよね。いやでも……行方不明になっちゃったりして……。ハハハ!」


 と神宮寺が言っている。

 桂木は風晴に


「お前も辛い目に()ってたんだな。──けど大丈夫! オレならいつでも365日お前を愛してる!! 心の友!!」


 と()げて


「いらねーよ」


 と一蹴(いっしゅう)されていた。

 椎名はそれを少し(うら)ましいような顔で見ている。



 正火斗は状況(じょうきょう)混沌(カオス)さに昨日とは違う不安に(おそ)われていた。



 今回は深刻(しんこく)な事件が起こらないことを (せつ)に願う。




 何かがあっても、頭が働かない気がする

 こんなので推理なんて……無理だ




 ────人間関係が ややこしすぎる…………








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