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二時間目:あだ名付けるの好きな人って必ず1人はいたと思う。


「じゃあ、蘭雛[ランスウ]ちゃんは香港からやってきたんだ。」


「ハイ、父の仕事の都合やら何やらで日本にやってきましタ!」


そう話すのは大人気アイドルの永崎結と本日引っ越してきた李蘭雛。

ただいま一時間目の最中だが担任の佐藤先生がいない(トイレに行った)ため、お話大会になっている。そんな二人の会話に入ってきた一人の女子・前野希蝶[きちょう]。


「李さん

貴方香港から来たって言ったわよね?」


「?

ハイ、そうですヨ」


「オ~ッホホ、だからそんなに訛りのあるしゃべり方なんですの?

ダサいにも程がありますわ!」


「!」


「前野さん!

そんな言い方は無いんじゃないの!?」




「あら?

私はただ自分の思った事を言っただけですのよ?そんな風に言うなんてアイドルも口が悪いのね!」


「この話にアイドルなんて関係無いでしょ!!」


「あわわヮ…

お、落ち着いて下さいヨ!

皆さんビックリしてまス!!!」


険悪のムードの結と前野。それをなだめようとする蘭雛。

そんな蘭雛に救世主が現れる。


「おい」


「!

あ…、佐藤君」


「どうしたんですの?

新[あらた]君」


「仮にも今授業中なんだからよ、静かにしようぜ」


「!」


「………ま、まあ新君がそう言うのなら永崎さん?

ここは一時休戦よ!」


「その言い方じゃ…

こ、これからも戦うんですカ…?」


「私は戦う気なんてサラサラ無いけど、貴方が蘭雛ちゃんにまた嫌味を言うんなら受けてたつわ!」


「……私気にしないのデ、ケンカはヤメテ欲しいんですケド…」


「あいつらに何言ったて無駄だぜ。」


「へ?」


どうにかして二人をなだめようとする蘭雛に佐藤新は言葉を放つ。


「ど、どうしてですカ?」


「お前は日本に来たばかりっぽいから知らねぇみたいだけどよ、あの茶髪でサインドテールやってる永崎結ってさ大人気のアイドルなんだよ」


「そ、そうなんですカ!?

あとサイドテールですヨ。ンはいりませんからネ!」


新の言う事に驚きながらもボケに対し一つ一つ丁寧にツッコむ蘭雛。

しかし新はそんな蘭雛を無視して言葉を続ける。


「なんかさ、あのベリーベリーショートの奴がアイドル目指してて羨ましいからか何なんだかよく永崎にチョッカイだすんだよ」


「そうなんですカ…」


ベリーは2つもいりませんヨ、と言うツッコミは飛ばし蘭雛は何か思い出したかのように新に尋ねる。


「そういえば、結ちゃんみたいな人を化粧品の看板で見ましタ!」


「その化粧品のイメージガールに選ばれて人気になったらしいぜ」


「へぇ~

スゴいんですネ。結ちゃんは………」


そう言った蘭雛はこの教室に入る前の事を思い出した。










――――――――――――――――――――――――………………










「1年5組ですカ?」


「うむ、そうなんじゃ不本意ながらもそのクラスにしか入れなくてな本当に不本意なんじゃが………」


「どうしてそんなに不本意なんですカ?」


「1年5組と言うのはこのぶっ飛んだ学校の中でも最強クラスでぶっ飛んでんの。

だからあまりそんなクラスには入れたくなかったんだけどね……」


「別に構いませんヨ!

そんなぶっ飛んだ所の方が私も居やすいと思いますかラ!」


「いや、そうなんだろうけどね……」


「心配しないで下さいヨ!

いざとなれば私の秘密をバラして仲良くなりますかラ!」


「それが一番心配なんだけどね………」










思ってたより、ぶっ飛んだ所では無かったみたいですネ。

心配して損したかもしれませン。


 そう思った蘭雛だが次の瞬間自分の考えが甘いのに気付いた。



「あ~らたくん!」


そう新の事を呼ぶのは新の悪友兼親友の樋村彪斗[あやと]。


「あや!どうしたんだよ?」


「大変だよ。

3組の人から聞いたんだけど………

すごく大変なんだよ」


な、何がスゴく大変なんでしょうカ………


「二時間目、田中先生が休みだから五里[ゴリ]先生に変わるんだって!」


「ゴリに?」


「うん!!」


「…ゴ、ゴリ………?」


「……あ!転校生の…李……

えと…李、李…リィ~」


「蘭雛でス。」


「そうそう蘭ちゃん!」


「蘭…ちゃん…?」


「だって、蘭雛って何か覚えづらいんだもん。

だからそう呼んでいい?」


「ハ、ハイ!

そう呼んで下さイ!」


あだ名は友達の証だと父が言ってましタ!

これは、仲良くなれるチャンスかもしれませン!!



「あの、貴方は何ていう名前なんですカ?」


「僕?

僕はね、樋村彪斗。

ヨロシクね。」


「ハイ!ヨロシクでス!!

えと、貴方は?」


そう言って蘭雛は新の方を向く。

新は面倒くさそうに蘭雛の質問に答えた。


「オレ?

オレはな、ジョーン・スペスクルト・アレキサンダーだ」


「盛大に大嘘を吐かないで下さイ!!」


「この人はね…

佐藤新って言うんだよ。」


「あレ?佐藤って確か先生の名前も…」


「そう、佐藤大悟先生って言うんだよ。」


「同じ名字ですカ…」


「うん!」


「……………」


「…どうしたの?

蘭ちゃん」


廊下の所で聞いてただけだけド…

あの出席を取る時のバランス良い漫才………

もしかして…………


「あっくんは佐藤先生の隠し子なんですカ!?」


「いや、違うよ」


「てかなんだよ、そのあっくんって……」


「へ?

だって新って名前なんですよネ?」


「あ、あぁ」

「だから略してあっくんって呼ぶ事にしたんでス」


「何故略したあだ名が本来より文字数あるんだよ」


「…………………










あァ!!!」


「馬鹿だろ…

お前」


「馬鹿じゃないですヨ!」


「ただ自分の過ちに気付くのが遅いだけなんでス!」


「かっこ良さげに言うなや」


「でも良いじゃん。

あっくんって!

ね?蓮君」


彪斗は1人静かに机に座っていた少年・戸叶[とがの]蓮に同意を求めた。


「良いんじゃねぇの…」


特に関心を示さない蓮だったが隣の席の津田蘭の様子を見て彪斗に言った。


「あのさ、蘭ちゃんじゃ津田と被るんじゃね?」


「津田……?」


「津田つうのは…、ホラ蓮の隣に座ってる眼鏡っ子。

声小さいから隣の蓮にしか何言ってるかわかんねえだよ。」


「被るって事はあの子も蘭ちゃんって呼ばれてるんですカ?」


「いや、あいつは本名が蘭だから」


「そうなんですカ!?

もろ株ってるじゃないですカ!!」


「だね」


「彪斗君が言える立場じゃないでしょウ」


「あだ名付けたのあやだしな」


「えぇ~、じゃあね………

蘭ちゃん、じゃなくてスゥちゃんって呼ぶね!」


「スゥ……ちゃん?」


「うん!」


「あ、あの、スゥって響きがあれじゃないですカ!!

だったら、もうあだ名じゃなくても…」


「………駄目?」


今にも泣きそうなウルウルな目になった彪斗に蘭雛が勝てる訳も無く……


「……駄目なんかじゃないですヨ………」














































校長さン……

このクラスはぶっ飛んだ、と言うより………






「永野さん?

仕事があるんじゃないのかしら?」


「今日は予定無いの!

前野さんには関係無いでしょ!」


「何ですって!?」




「ゴリかぁ」


「大変だね!

あ、スゥちゃん。

ゴリって言うのはね…」


「…………………」


「お~い、転校生。

津田もスゥちゃんって呼びたいらしいんだけど………」












滅茶苦茶ですヨ……











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