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弱者だった俺が転生すると強者になっていた。  作者: 石立 諷太
トーナメント戦
19/52

#23 如月 奏多VS《無敗の騎士》神無月 桜 Ⅰ

リングへ上がると五月蠅いほどの声が聞こえなくなった。

(あれ・・・? 皆口は動いているのに何で声が聞こえないんだ?)


「驚いたでしょう。」


そう声をかけてきたのは生徒会長の神無月だった。


「正直驚いています。 その理由をうかがってもいいですか?」

「そんなの大したことないわよ。 ただ、魔法でこのリング以外の外からの声は

聞こえなくしているだけ。」

「そうなんですね。 それに何か意味はあるんですか?」

「えぇ、勿論あるわよ。 平等に戦えるようにって意味がね。」


(それもそうか・・・ 戦闘中に気を散らせないためにってもあるのか・・・)


神無月はすでに剣を鞘にしまっており、いつでも始めれるという合図を審判に出していた。

審判は確認するとこちらを向いてきたので、早々と精霊を剣に変えた。

奏多もいつでも大丈夫という視線を向けるとなにやら魔法で連絡をとり、


『皆様長らくお待たせいたしました!  これより第一回トーナメント戦を行いたいと

思います! 実況を務めるのは生徒会副会長 石崎(いしざき) 亜由美(あゆみ)と本当は

生徒会会長もいるはずなのですが、トーナメント戦一戦目に当たっていますので本日は

代わりに理事長先生に来ていただきました。 それでは!


まず東に立っていますのは高等部三年《無敗の騎士》 神無月 桜選手!

この学園に入って以来未だに無敗を誇る最強騎士! その無敗を誇る強さ故つけられた

二つ名が皆様も知っているでしょう《無敗の騎士》

この二つ名を決して消せないとまで言われた正真正銘の最強騎士!

今宵も見せてもらいましょう! 無敗の騎士の実力を!』


『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』


魔法で無音にしているとは言え、マイクはこの歓声を拾いリング上に響かせる。


『続いて西に立っていますのは高等部一年 如月 奏多!

トーナメント初戦にして相手がこの学園最強騎士 この窮地から這い上がり学園

最強の騎士を打ち倒すことが出来るのかー?! 』


『がんばれ! 如月 君!』

『応援してるぞ! 』


こちらもこちらで負けない歓喜。

だが、それより奏多の前に立っている最強(化け物) をだけを見ていた。

ただの緊張ではない。 この最強(化け物) に勝てる確率はほんの僅か。

その考えに怯えている。

(目の前に立っただけでわかる。 相手の実力、そして絶対的なまでの迫力。)


『それでは、 第一戦を始めたいと思います!』


実況者がそういうと大きな音の鐘が鳴り試合が開始した。

初めに動いたのは・・・・・・ どちらも動かなかった。

普通ならば先制攻撃が得なのだが、相手の最大能力(スペック) を知っていなければ

出来ないことだ。 もし知らずに先制攻撃をしてしまうと返り討ちに合う確率が

物凄く高い。 ましてや、この学園の最強。《無敗の騎士》 と呼ばれるまでの

実力者。 そんな化け物相手に先制攻撃をするバカな奴はいない。


『両者どうしたのか! どちらも先手を打たない!』

『先手を打てないのですわ。』

『どうしてです?』

『もしも、如月 奏多が先手を打ってしまえば絶対に返り討ちにあって終いですわ。

かと言って、絶対的なまでの強者 《無敗の騎士》 神無月 桜 も如月 奏多の

最大能力(スペック) を知らない。 こんな状況で先手を打つ騎士は負けますわ。』

『なるほど~ 流石理事長先生。 私なら先手を打っていたかも知れません。』

『それは、神無月の最大能力(スペック) を知っているからこそできる技なの』


両者見合ったまま戦況が全く変わらない。 ただただ時間だけが過ぎていく・・・・・・

かと思われたその時

神無月が動きを見せた。


その攻撃は・・・・・・学園五位と戦っていた時に見せた炸裂魔法。

最大能力(スペック) を知らないで真っ向勝負は危険。

だからこそ遠隔攻撃を選んだのだろう。


『おっと! 先手を打ってきたのは神無月選手! この魔力の塊は炸裂魔法でしょう!

如月選手はどう防ぐのでしょうか?!』


炸裂魔法のスペリングが完成。 と同時に神無月は撃ち放った。

そのファイヤーボールは、昨日見た威力より劣っていた。

だからこそ少しの魔力の壁で守ることが出来た。


(この威力は多分・・・第五位が使ってたくらいだろう・・・まだ大丈夫だ・・・)


炸裂によって熾された煙が消えると、視界には神無月の姿は無かった。


(やばい! 見失った!)


「後ろですよ(マスター) !!!」


咄嗟に体を捻り神無月の縦一閃を剣で受け止めた。

だが、その威力は凄まじく奏多はリングの壁まで飛ばされ、めり込むことは無かったが

大きなクレーターを作り、地面に倒れた。


(なんて一撃の重さ・・・ 渡辺先生の一撃よりも遥かに重い・・・・・・ これが

学園の生徒最強・・・・・・ 考えるより先に・・・立ち上がらなくては・・・)


なんとか立ち上がったが、今の一撃で体中はボロボロで立ち上がるのもやっとだった。

花蓮(剣) を杖にして立っていた。


「大丈夫ですか? (マスター)

「あ、あぁ・・・大丈夫だこれくらい・・・」


杖にしていた剣を構えた。

剣を構えた時には神無月の姿はもう無くなっており、瞬きすると態勢を低くした

神無月の姿があった。


「やばぃ!」

「遅い!」


反応がワンテンポほど遅れ・・・・・・ 無かった。 花蓮がその攻撃を予想していた

みたいで、防御結界で斬撃を防いだ。


「助かった。 花蓮」


奏多は神無月の間合いから前へ飛んで抜け、一旦体制を整えようとした。


『おっと! 如月選手、神無月選手の間合いから抜けた!!」


それに彼女は驚いていたみたいで、跳んで間合いから抜ける隙が出来た。

それは奏多にとって好都合だった。

愛梨は回復魔術を起動しており、完全に体が修復できた。


「なかなか、やりますね。 私の見立て的に学園二位の実力と言ったほどでしょうか・・・

高等部一年生にしてはお強いですね」

「それはどうも。 手を抜いてくれるのは有難いのですが、本気で戦って頂けませんか?」


それに答える事無く神無月は真っ向勝負に出ていた。

(これは・・・・・・真正面から斬りあったら確実に押し負ける・・・・・・)

かと言って躱すことはほぼ不可能だろう。

(ここは真正面から斬りあう!)

それを選択した。


『おっと! これはどういうことでしょう?! あれほどの実力の差を見せつけられてなお

神無月選手の真っ向勝負を受けて挑んだ!!!!!!』

『それは、最善の事ですわ。 あの状態で躱していたら如月に致命的なまでの

隙生まれ、次の一撃で終わっていたでしょう。』

『確かにそうですね。 神無月選手のスピードは常人の目に追えないほどの速さ。

これを一瞬の判断のみで躱すことは不可能に近いでしょう。

だから突っ込むという答えに至ったのでしょう! この戦闘はますます面白く

なってきました!』


(神無月先輩と俺の真っ向勝負・・・・・・ 神無月の攻撃を動体視力のみで追うのは

俺であっても不可能だ・・・・・・ ならば!)

そう思い、彼女の腕の動きのみで、その太刀筋を読んだ。

だが、彼女の一撃一撃があまりの重さに押し負けていた。


最後の攻撃を防ぎ、すぐさま間合いから遠のいた。

奏多の手は今の攻防で痺れており

(あの連続攻撃でも威力はさほど劣らない・・・・・・ どうしてだ・・・?

そこにこそ突破する鍵があるはず・・・・・・)

だがその突破口が見つかっても、彼女はまだ本気を出してはいない。


奏多は彼女の最大能力(スペック) を完全に把握しきっていない。

だから突破口を見つけてもどうしようもない・・・・・・


(奥の手を使うか・・・? いや、まだだ! あれを見切られて

しまったら俺の勝つ確率は万に一つもなくなってしまう。 ならどうする俺・・・)


彼女はそう簡単に考えさせてはくれなかった。

また、間合いを詰められ連続攻撃が襲った。

その攻撃を奏多は完全には防ぎきれず、肩、横腹、左頬に斬撃の跡が残っていた。

そこからは鮮やかで真っ赤な血が垂れてきていて、地面に斑点を作り出していた。


(くっ・・・ 完全には受けきれなかったか。 それでもこの傷は浅い。 多分この攻撃じゃ

致命傷に至らせれないと、神無月先輩も確信しただろう・・・ でも、今攻撃を変えら

れると反応が出来ない・・・)


そう思っていたが奏多の考えは取り越し苦労だった。

彼女は先ほどと同じく近接戦の斬撃を放ってきて、 その攻撃を防いでいた・・・

(さっきまでとは勝手が違う! いや、違いすぎる!)

先ほどまでとは比べ物にならないくらいの速さで放ってきており一撃も重くなってきている。


『如月選手、神無月選手の攻撃に手も足も出ない! このまま押し切られてしまうのか?』


「お兄ちゃん・・・・・・」

「これはやばいな・・・ 奏多、さっきとは違う攻撃に気が付いていないようだね・・・」

「え?」

「気が付かない? さっきまで生徒会長は3.6.4のテンポで突き出していた・・・。

でも、今は8.14.9のテンポで突いている。」

「ってことは・・・」

「うん。 さっきの1秒で3.6.4のテンポが8.14.9のテンポに変わっている。

つまり、さっきの1秒で13回の攻撃が今は31回。

多分これに気づいている人も少ないだろうね。」

「そ・・・それ・は・・・奏多・・・さんが・・負ける・・って・こと・?」

「そうなんですか?! 聖夜さん!」

「まだ、負けるとは決まってないけど、これに気づけなかったら多分・・・ね・・・」


(マスター) たちの会話に入り込まず精霊たちは真剣に勝負を見ていた。


「そういえば今思ったんだけど、いろはちゃんの精霊は?」

「見せて・・・なか・・った・ね・・・・姿を・・現せ・・て・・・香織(かおり)


そう言うといろはの目の前に姿を現せた。

それは、清楚な黒髪のショートカットで鮮やかな赤眼で周りから視線を集めるほどの

美しさ。 体系は少し小柄でとても可愛らしい精霊だった。


「どうしたの(マスター)


喋り方もとても幼さを感じさせロリ〇ンの男性なら確実にノックアウトしているだろう。

そんな美しさを見せる精霊にこよみは目を奪われていた。


「みんなに・・・自己・・紹介・してあげて・・・?」

「わかった! (マスター)

私はね (マスター) の精霊。 香織。 これからよろしくね♪」

「う、うん・・・・・・よろしくね♪」


その時こよみはなぜか精霊に対して嫉妬してしまった。


「そんなことより(マスター) 試合の方はいいのですか?」

『あっ・・・』


そこにいた誰もが思い出したように言った。



『ここで、如月選手横腹を貫かれた! ここまで主導権を握り続けている神無月選手。

このまま押し切ってしまうのか?! それとも! 如月選手が耐え抜くのか?!』


(くそっ! でも致命傷にはならない。 一旦引いてくれ・・・・・・)


そんなことを考えていると神無月は自分から間合いの外へと出た。


「如月君。 君は本当に強い。 でもまだその実力じゃあ私には及ばない。

けど、君は何か切り札を持っているようだね・・・たくさんの。

それを使うわ無いと本当に負けちゃいますよ?」

「よくわかりましたね・・・・・・先輩・・・

でも・・・まだ、使うときには至ってません!」

「そうですか。 では行きます!」


その言葉と同時に俺の後ろに彼女が現れた・・・・・・

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