荷馬車?
何があるのかはわからないから、なるべく音を立てずにそっと近づいていったよ
気配の近くに行くたびに足が震える
空気が重くなっていく気がするよ
「たしかに、何かの気配がありますね。この先に何が?」
声を潜めながらシヴァさんからの質問をうけたけど
「わかりませんが、とてもいやな気配です」
気配の正体なんてわかりませんよ
「確かに、数人の気配があるようだな」
シヴァさんもカーティスさんもだんだんと気配を感じ始めたようです
「だが・・・あの距離から気配を感じるとはさすがだな」
「ええ、街道からかなり森に入ってきましたからね。あの位置から気配を感じるとは、恐ろしいものがありますね」
なんか色々言われているけど、私が感じたのは人の気配ではなく、人の悪意の塊?のようなものだったんだけど。
がさがさ
さらに草木を分け入ると、獣道より少し大きめな道へとでたみたい
あきらかに、人工よね?
だって、獣道には車輪の跡なんてできないよ
道に沿って、歩いていくと高い塀に囲まれた門のようなものが見えてきたよ
どうやら門番がいるみたい
ふぅっと息を吐いて気配を消すよ
何があるかわからないから、ひとまず偵察だよね
ここで待ってほしいと、手で合図を出して私一人で門の近くまで歩いてみる
とりあえず、門の付近にはいくつかのトラップが見え隠れしてるから
踏まないように、注意を払いながら付近に目を配ると
塀の奥から音が聞こえてきて、門が開いた
中に入るような無謀はしないけど、開いたときに中を覗くのは忘れないよ
門から出てきたのは荷台のついた大きいけどボロボロな馬車、これって荷馬車っていうのかな
日本では見たことがないけど、そんな感じの荷馬車が門をくぐってこちらに向かってきたよ
荷台からとても嫌な気配
近づきたくはないけれど、門をくぐって速度が落ちているのを見てそっと近づく
門番の死角になるように気をつけながら荷の中をそっと覗いてみたよ
たくさんの草が積まれていただけの荷馬車
あまり時間がなかったけど、それだけっぽい
でも、その草の独特の臭いには心当たりがあったよ
とても嫌な臭い
この世界でも同じものが作られているのか、ただ単に匂いだけが一緒なのかは判断できないけれど
いやな気配の意味も、これがあの草なら・・・
少量であれば、痛みを消すこともできるが、量を間違えれば幻覚などを見せ気分を高揚させたりもし、異常な執着を持ってしまう草・・私たちの世界でいう大麻草の臭いだ




