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異世界にきちゃったみたい?  作者: 耶汰姫
リュヒトリア公国
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サイラスの場合 1 別視点

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その日私は緊急招集を受け、ある部屋へと通される

何があったのかと、私の師匠であるこのリュヒトリア公国宰相閣下リエル・デューガンをはじめとし、軍の幹部、内務の幹部そして、外で顔をさらす事の無い暗部たちも勢ぞろいしている

その面々も戦々恐々とした面持ちだった


いったい何が起きているんだ?


私も指示された位置に座ると、この召集主である陛下の登場を待った


ばんっ


重厚な扉を先触れが押し開け、陛下が部屋に入ってこられた


「皆も知ってのとおり、この国に予言の娘が現れた」


陛下の声はいつになく暗いものだった


「娘に護衛とつけることにいたす。この国にいて害をなすようであれば即座にケジメをつけるためにも必要じゃと思うからじゃ。みな異論はないな?」

「陛下、恐れながら。護衛と監視だけではなくこちらへ取り込むことも考えての人選がよろしいかと」


陛下はしばし思案するようであったが、短く是とおっしゃられた

これでますますあの娘の立ち位置は不安定のものになったな

などと、他人事のように考えていた私にその役が下った

冗談じゃないぞ!!!


リエル宰相閣下に拾っていただいてから、これまで国に尽くすために血のにじむような努力をしてきたのだ。それをそんな訳のわからない異世界の娘のために割く時間などあろうはずが無い

上からの命令だろうと、私は断固拒否だ

そう思って抗議の声をあげようとした時、敬愛するリエル宰相閣下がこちらを見ていたことに気がついた

なんだ?

不思議に思ってそのお顔から意思を探ろうと試みた


「これにて閉会。皆、頼んだぞ」


陛下の声で我に返ったが、もう遅かった

いったい閣下は何を伝えたかったのか、私はもやもやとする心を押さえ、誰もいなくなった所を見計らい閣下のところへ歩み寄った


「閣下・・」


なんと言葉を繋げてよいのかわからず、ただ閣下の前に立っていた私に閣下は優しく微笑んでくださった


「サイラス、このたびの任務あなたを推薦したのは私なのです」


俺は驚き、目を見開いたまま固まってしまった

どういうことなのだ

あの閣下が私をこんなくだらない任務に当てるなど

これでも閣下の右腕としてこの国を支えてきたと自負している

その私に今なぜ・・・


「サイラス、聞きなさい。この任務、あなたが考えている以上に大切なことなのです。そして私の最も信頼できる部下である君に託すほか無いのです」


敬愛する閣下にもっとも信頼できると言われ、舞い上がらないほうがおかしい

このときの私はさぞ間抜けな顔をしていたと思う


「サイラス、私はあの子を守ってやって欲しいと思っているのです。この国から、そして悪意あるものから」


どういう意味だ、国としての方針は護衛と監視、出来るならその力を掌握することにあると思われる

それを、この国から守れとは?


「あの子にもしものことがあれば、精霊とはもう二度と心を通わせることが出来ないような気がするのです。実際あの子の周りには多くの精霊の意思が取り巻いています」

「それではますますこの国にとって取り込むべき相手なのでは」


私には閣下の言いたいことがよくわからなかった

閣下の仰るとおりの娘の力ならばなおさら他国に遅れを取る訳にもいくまい


「サイラス、よく聞きなさい。これは私と貴方との秘密ですよ。もし、あの子に何かあれば精霊はこの世界を見限るでしょう。そうなれば今なんとか生活に使っている魔石もそこを尽き、もう二度と魔法は使えない世界となってしまいます」

「なっ!!!」


私はその可能性に気がついた

もし、この世界から完全に精霊がいなくなってしまったのなら、市民、いや、この王宮でさえ今までのような暮らしはできなくなるだろう

それがどういうことに繋がるのか、考えただけでも恐ろしいことだ




少しサイラス視点が続きます

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