40話 因縁の仲
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① -1 " +(間1行)はその人が思っていることを示します。基本的には、その作品の主人公(今作ならみつお君)のことを示します。違う場合もあります。
①-2 "+(間2行)はテレパシーを示します。用法はカギ括弧と同じで実際に口で話している(対話)か脳内で会話をしているかの差になります。
② ' はその人のセリフ中に小声で何かを言う時に使われます。(言葉で表すなら、「✧✧と、呟いた」となるのかな)
③「「」」(多重鍵括弧)重なってる鍵括弧の数に応じて同時に喋ります。
④----で敷き詰められている場合大きな場面(場所と視点)切り替えとなっています。例えば自陣視点と敵陣地視点の切り替えなど。ただし「数分後」などの時間に関わるのには適応外です。
⑤3回改行は小さな場面切り替えを示します。
⑥〖〗は魔法の詠唱文を表します。
⑦『』+間2行は過去の誰かが話した内容を示します
その他は、普通の記載の方法と同じです。質問等ありましたら、遠慮なくどうぞ。出来る限りお答えします。
その宣言と共に陶くんは一瞬で毛利君まで距離を詰めその勢いのまま拳を送った。
しかしその攻撃はわかっていたかのように体を仰け反らせることに避けた。
ブヴォン
拳はフックだったようで陶くんからみて右から左にラケットを勢いよく振ったような音を立てて、少し風が生じた。
「チッ」
と舌打ちをしつつも反対の拳で仰け反った毛利君に向かって拳を振り下ろした。
グヴォン
すごい音を立てつつ風を少し吹かせたものの毛利君はそれに対しては後ろにバックステップを踏む形で避けた。
「いって」
仰け反った形でのバックステップだったので受身は取れたものの体制を崩して後ろ向きに倒れた。
「まだだ!」
と言いつつ1歩で近づいて毛利くん目掛けて拳を振り下ろした。
ブンッ
またラケットが空気を切る音を立てながら風を少し吹かせた。
しかし毛利君はその攻撃に対して右に転がることにより避けることに成功した。
その際腕が伸びていたので当たったら危ないのではないかと感じたところではある。
「よいしょっと、とりあえず動きは封じれたんじゃないか」
と寝転がっていた毛利君は勢いよく起き上がった。
一方の陶くんは地面に拳が手首までめり込んで動きが止まっていた。
「ほう、我の行動を読み切ったか」
何があったのか。
それはただ単純に毛利君のアビリティで地面を変質させて拳をめり込ませた上で固めている。
だから腕をのばしたわけだ。
だいぶ危ない賭けのように感じるが..
「まあ散々戦ってきたんだから行動パターンくらい見えてくるよな」
との事。
確かに何度も戦っているのは先程陶くんが言っていた。
だが簡単に言っているがこれはかなり高度な技術だ。
以前話したように毛利君のアビリティ、【Alteration】は極わずかな限られた範囲でしか変質させることはできない。
拳を手首まで沈めようと思えばかなり範囲が狭まる。
具体的な範囲は拳2個がピッタリ入る程度だろう。
拳2個、と言ってかなり広いように感じるかもしれない。
確かに前回のように足1個がやっととかそのようなレベルでは無いので範囲は広いように感じるかもしれない。
それでも今回のも普通に考えて狭い。
しかも寝転がって攻撃を当てる的が無数に存在する中で誤差があまり許されない状況で拳の来る位置を的確に判断している。
「お前拳を当てるとき必ずと言っていいほど腹を狙ってくるだろ?そこに狙ったら案外難しくもないぜ」
いやだからってドンピシャで沼の中心に拳が飛んでくるとかどういう技術をしているのだろうか。
│熟熟福沢くんが可哀想だ。
「そうか。代わりと言ってはなんだ」
というと毛利君の目の前から陶くんが地面ごと消えた。
「この程度の速度なら出せるようになっだぞ」
「まじかっ」
と地面がくっついてない方の拳で顎にアッパーカットを入れ込んだ。
そのまま攻撃を仕掛ける陶くん。
次はジャンプをして回転蹴りを腹に目掛けてお見舞いした。
「ぐっ、、」
その勢いのまま壁に衝突する毛利君。
しかし陶君は攻撃の手を止めない。
回転蹴りをお見舞いしたあとすぐ両足を揃えて後ろに高速の蹴りを入れた。
これは攻撃目的では無い。
ぷゅぅぅぅぅ
甲高い音を出しつつ強めの風を吹かせている陶くん。
その勢いを利用して陶くんのところに移動した。
ある程度、というよりそこそこ地面に比べると遅くはなっているがそれでも一般的には高速だ。
すごい速度で毛利くんに近づき一回転した後その勢いのままかかと落としを繰り出した。
回転をすることにより回転エネルギーを得ようとしたのだろう。
ヒュン!
実際かかと落としの速度は凄まじく風を切る音と少々の風を生じつつも超高速のかかと落としをしている。
「( ゜д゜)ハッ!」
と少し我に返ったのか毛利くんは転がることにより何とか直撃を回避することには成功した。
そのお陰で地面と衝突した陶くんは砂煙に巻かれた。
その中、ダッシュで抜けてきた毛利君。
「はあ、はあ、、危ねぇ」
ブォン
と凄まじい音と共に砂煙は霧散し、高速の風が毛利くんに直撃した。
「まだやるかよ...!」
と腕で防御しながらもそう返した。
「そうか、お前のアビリティで体の一部を鋼鉄のように固くすることで致命傷を免れたか」
「まあな。一発目は反応できなかったからモロに受けたけど2発目はそうやって対応したさ」
との事。
たが鋼鉄にしたはずの脇腹は確かに人間の体に戻っているはずなのに一部まるで何かが崩れ落ちたかのように少しだけえぐれている部分がある。
顎はというと少しボロついていたがどちらかと言うと蹴りの方が被害が大きそうだ。
鋼鉄すら少し崩壊させる蹴りってどんな勢いだよ。
むしろそれで耐えている毛利くんも怖い話だが..
"あーやばい。普通にこれ勝てない..."
と心の中で少し絶望している毛利君。
確かにここまできたら圧倒的な力量差だ。
少々無理ゲーというのが強そうだ。
"とりあえずいつもの戦法を取るしかないか..."
「どうした?来ないならこちらから行くぞ!」
といいつ元々の速度で詰めてきた。
それでもかなり速い筈だ。
だが毛利君は避けている。
やはりすごい技術力だ。
その後も高速の拳が何度も飛んだ。
その度風を薙切る音を立てている。
そんな中でも冷静に避ける毛利君。
そして毛利くんも少しづつ拘束をすることができていた。
しかし圧倒的な力の前にあたかも無効化されたかのような動きを見せる。
明らかに格の差が現れていた。
いやこれは格の差をではない。
シンプルな能力の内容の問題だ。
つまり圧倒的な相性不利。
可哀想かな、無理ゲーみたいな状況になってしまっている。
「はあ、はあ、」
しばらく戦った。
毛利君はフルマラソンのあとかのように息切れを起こしていた。
「ふん、所詮はこの程度か」
一方の陶くんは一切の息切れを起こして居ない。
むしろ自宅で過ごしているのかと言わんばかりの息遣いだ。
「やっぱ、、勝てねぇか...」
これには絶望の色を見せる毛利君。
ではなぜ毛利くんは陶君から15回も勝利をもぎ取ることができたのか。
過去を振り返ってみよう。
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「今日も勝負だ!」
幼少の頃、我は毛利から飽きるほど戦いを挑まれた。
「今日もか?仕方がないな!」
その当時35戦無敗という圧倒的な記録を誇っていた。
我から見ても毛利の能力に対して我の力はオーバーワークのように感じられた。
なぜゆえか。
理由は単純。
それは毛利が殴り合いで正面衝突を繰り返してきたからだ。
無謀だ。
正面衝突だけは我の圧倒的な有利を持っていた。
それを飽きることなく何度も何度も、35回繰り返した。
こういう時我はどうするか。
簡単だ。
我も正面衝突で叩き潰す。
2、3発、運が良ければ一撃で勝利をもぎ取れた。
今日も36回目の正面衝突で来ると思っていた。
そういう傾向を持っていた毛利だ。
いつものように我は正面衝突をした。
だが、今日は違った。
毛利は正面直撃を予想したのか、
「かかったな!」
と横に避けつつ地面に少しの段差を作っていた。
我も幼少の頃はただ足が速いだけだった。
その速度のまま段差を蹴り飛ばすほど力は無い。
故に転げてしまった。
「!?」
その当時の話だが移動中は我でも認識が困難を要していた。
それがため移動中は無意識になっていることが常だった。
だから倒れる時も気がついたのは倒れ込んだ時だった。
「まだまだ!」
といい毛利は我の手を着こうとしたところに手を一瞬│翳した。
その当時から毛利の能力は把握していた。
どうやらものを変質させるようだった。
そして理解の通り地面は泥のようにぬかるんだ。
ちょうどそこに我の左手は入り込んだ。
「..これくらい!」
我は息巻いて、いや焦りが大きかったのだろう、すぐさま立ち上がろうとした。
底までは近かった。
しかし、
「させない!」
ともう一度地面に手を翳し地面を硬質化した。
そして我は硬質化した地面から抜け出そうとしたが叶わなかった。
「!?」
悲しいかな。
我にはそこまでの対応能力を持ち合わせてなかった。
故に我ができたことといえばもう片方の腕を振り回す程度だった。
だが毛利はもう離れてしまっておりそこから眺めていた。
「俺さ、別に殴って勝つ必要なくねって思ったんよ。だからこれも勝ちのうちだよね?( ⸝⸝ ᴖ.ᴖ ⸝⸝ )」
純粋な笑顔。
我に勝とうと何度も熟考をしたのだろう。
こればかりは我も認めざるを得なかった。
「...そうだな、お前の勝ちだ」
これが我の初めての負けだった。
以降我はしばしば負けて行った。
この試合を含めたここからの試合だけで見ると敗北率は4割に届こうとしていた。
いわゆる五分の試合が続いていた。
当然我も負けるのは些か不愉快だった。
故に鍛えに鍛えあげた。
そして今はその力を発揮して圧倒的な力で潰している。
久しく見ていない圧倒的な力での勝利。
それが目前に近づいていると思っていた。
たが我の予感は警戒をしろと言わんとしている。
何故かは我も理解に困難を要している。
不可解、その一言が心の中をどよめいている。
"臆することもない"
そう我は振り切り、
「この一撃で終いにする」
と宣言と共に構えをとった。
「ああ、ここから勝つのが圧倒的に面白いだろうな!」
何を世迷いごとを。
「我は負けぬ!」
そういい攻撃を仕掛けた。
数瞬風が│靡いた。
それは陶君の拳から、陶くん自身が移動することにより放たれる風ではない。
この風は互いの緊張感と最後の一撃という重た空気から成るものだと毛利君は認識していた。
毛利君は考える、避けるか諦めるか。
後者は有り得なかった。
なぜなら未だに毛利君は勝つ気でいたからだ。
無謀、そんな事は十も承知だった。
能力による相性が圧倒的な不利を誇っていたのも十も承知。
毛利君も初めは若かった。
友達と戦う、じゃれ合いみたいなものだった。
だが回数を重ねる度負けが積もる。
毛利君も負けず嫌いが出てしまったのが悪さした。
負けが積もる度勝ちへの執着が湧いてくる。
初めは思考が弱かった。
ただ単な正面衝突を仕掛けていた。
勝てるわけもないのに。
だが毛利君は正々堂々正面衝突して勝ってこその勝利だと確信していたからだ。
だが現実はそう甘くは無い。
降り積もる負け。
何度試そうと勝てるわけがなかった。
当然だ。
その戦いにおいて毛利君は圧倒的な不利を被る。
むしろ勝ってしまうと陶君が弱すぎるという判定になってしまう。
陶君は若き頃から強かった。
今の通常速度と変わらない力を当時から持っていた。
何故か。
才能。
その一言に尽きた。
能力を持った時からこの程度の力を持っていた。
伸ばしたことといえば持続時間くらいだ。
そんな相手だ。
勝てるわけがなかった。
だから36回目の前、勝ち方を変えた。
自分の有利な点で勝てばいい。
別に殴り倒す必要はない。
そう気づいた毛利くんは強かった。
先に話したようにそれ以降の毛利くんの勝利率は4割に届こうとしていた。
能力値的には特筆すべき点が違うだけで互いに強いものを持っていた。
そんな状態で挑んだトーナメント戦。
ここに来て陶君は力をあげてきた。
ここで上げられると勝利は見えなくなってしまう毛利君。
実際今負けがかなり現実的になっている、というより必然に近くなっていた。
そして今は最後の一撃。
先に話したように諦めて殴られるのはなかった。
負けるつもりは更々なかったからだ。
では避けるのか?
毛利君は考える。
"多分、あの最高速度で来る。予測で動いても多分良けれないだろうな..."
つまり、当たらざるを得ないというわけだ。
一般的に考えれば詰みだ。
たがそんなこと毛利君は想定済みだ。
更々避ける気などなかった。
では一体毛利君は何をするのか。
「ああ、ここから勝つのが圧倒的に面白いだろうな!」
と攻撃を予測して一旦バックステップを踏みながら陶君に煽る毛利君。
そうすると陶君は目の前から消えた。
どこに消えたのか。
"もうここまで来てるのかよ...!"
なんと陶君はまるで一瞬時が止まったような速度で毛利くんの腹目掛けて拳が飛んできていた。
それはまるで一瞬だが原さんのような速度を誇った。
さすがに原さんには届いていないようには見えたが限りなく近い速度をたたき出していた。
そんな速度の拳を受けてみよう。
余裕で負けだ。
むしろ│生すら怪しさを持ち始める。
"でもな、想定通りだ!"
とバックステップの状態から陶君に抱きついた。
その瞬間拳は毛利君の腹に当たった。
「ぐヴォ...」
今にも吐瀉物が飛び出しそうな声を出しつつも抱きついた。
「!?」
その瞬間陶君の肩甲骨あたりが溶ける感覚が走った。
「死んだらお互い様な!」
「...面白い!」
なんと毛利君は陶君の肩甲骨両方とも変質させてとかしているのだ。
えっと、普通に死ぬよこれ。
無茶苦茶するんだな...。
てか伊藤先生止めないの、これ。
えげつないくらい盛り上がるけど...。
いや、この速度帯なら一瞬過ぎてみえないのかもしれないな。
話を戻して、1秒と経たずに陶君の肩甲骨は両方とも溶けた。
そうすると陶君の腕は肩が抜けたようにぶらんとしていた。
「これで終わりだと思うなよ!」
とい言いつつ陶君の拳の衝撃を利用して毛利くんの下半身を持ち上げて陶君の背中を滑るようにして陶君の腰を触れようとした。
「ふっ、甘いな」
とこちらも言いつつ、陶君は右足を軽く上げて超高速の蹴りを入れた。
「グハッ」
悲しいことに毛利くんはこの攻撃により陶君からみて左手方向に吹き飛ばされた。
そのお陰で腰には届かず背骨を少し触れて終わった。
腰には届かなかったが背骨に少しだけ触れることに成功しているので陶君の背骨は少し溶けた。
にも関わずだ。
にも関わず陶君は左足だけで毛利君の方に高速移動で近づいた。
この時の速度はいつもより少し速い程度だった。
もう限界が近い、というより死んでてもおかしくない程度だった。
そしてもう一度右足でかかと落としを決めた。
「ガハッ..」
その影響により跳ねる毛利君。
「いい攻撃だったぞ」
と言うと陶君は右足を元の位置に戻しつつ蹴り上げた。
が、
「このまま終わらせねーよ!」
と言いつつ頬をビンタした。
その影響により陶君の頬は溶けた。
が、大したダメージでは無いと思うが陶君にとっては大したこと無かったのか蹴り上げを決めた。
そして毛利君は天井に当たりそのまま落下をして気絶をした。
そのわずか数秒後陶君も倒れた。
「...僅差ですがギリギリまで立っていた陶君の勝利!!!!」
これにより陶君の勝利が確定したみたいが、何だこの試合。
Bad Killer 40話 因縁の仲 fin.




