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稲荷神社で出会った、守護霊いなりに振り回されています!  作者: みりぐらむ
稲荷神社の守護霊、信じます!(序章)
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稲荷神社はブラック会社です!

いなりと出会ってからキラキラ学園生活☆

というわけには行かなかった・・・。


祭の手伝いを毎日させられている桜。



ブラック会社だ〜〜!! by桜


「うっ疲れた・・・。」

そう言って、私は持っていた大きな謎の石・・・というか岩を地面に置いた。

「いなりくん、これはなんのために使うの・・・?」

へっとへとに疲れた。

HP?そんなのとっくの昔に0だよ!!

「桜!終わった??もう一個あるからよろしく!!」

気づくと、置いた岩の上に人影。

・・・いなりくんだ。

私は、『使い』にされたんだよね・・・。

あの化け物と戦うのかと思ったら意外と力仕事の重労働ばっかり。

ブラック会社だ〜〜!!

と、心の中で叫ぶ。

何日間か、いろんなところからいろんなものを、この稲荷神社に運んできている。

その間にすっかりいなりくんとは打ち解けた・・・つもり。

化け物と戦うより、こっちの方が疲れる・・・なんてことはない、よね。

「いやもう一個って・・・。」

いなりくんが座っている岩に目をやる。

・・・何キロあるんだよ!!

見当もつかない。

・・・もう一個?嘘だと信じたい!!

「嘘だよね??」

「嘘じゃないよ〜〜!」

いなりくんは海の方にある倉庫を指差す。

岩を取り出した場所だ。

皮肉なことに、その倉庫の中から

『コンニチワ』とこの岩よりも一回り大きい岩が顔を出している。

「・・・あのねぇ、これ重いの。人使い荒くないですか!?」

「だってぇ、俺幽霊だから『人』使いなんてわかんないしぃ、そもそも最初っからそういう話、だよね??桜!」

「『そういう話』って・・・。『色々とする』しか聞いてないんだけど!?」

あと、幽霊と言っても幽霊って元は人間だよね!?

「ほら!働け働け!」

「わかりましたよ!この幽霊狐!」

この煽り癖が時々出てくる狐、いなりくん。

正体は?願いはいつ叶えてくれる?見当もつかないよ!!

汗をダラダラと流しながら、私は大岩をなんとか運んでくる。


〜中1女子、願ったきらきらは流れる汗でした〜


なんてことにはなりたくないよ!

水筒に入っていた残り少ないお茶を一気に飲み干す。

いなりくんはぴょこん、と岩から飛び降りて新しく運んできた岩に座る。

「使いって、影と戦うんじゃなかったの・・・?」

「うん、それもそうだけど?」

「全然戦ってないよね。私。」

「そりゃそうじゃん。桜は影とは戦えない。」

「なんで!?重労働のままとか嫌だよ!?」

「だって武器ないじゃん。」

思った以上に正論が返ってきた。

・・・こういう時だけ正しいこと言ってくるのなんかムカつく!!

「・・・じゃあこの岩は何に使うの??『使わない。俺のおもちゃ』なんて言ったら埋めるよ?」

「土葬は早いって!祭りだよ祭り!」

いなりくんは最初に座っていた岩にまた座る。

「祭りって・・?」

来神祭ライシンサイ!」

いなりくんは尻尾を大きく振る。

・・・この尻尾、犬か。狐じゃないのか。

犬だとしたら、お手とおすわりを教えてやりたいものだ。

「らい、しんさい・・・?どこかで聞いたことのあるような。」

この村、祭りは死ぬほど珍しいのに!!

思い出せない自分がなさけないっ

「来神祭はね、10年に一度の祭り。」

「なんの祭りなの・・・?」

「神様がこの村に来るっていう祭りだよ!」

「来神祭ね・・・。こんな岩をどこへ置くのか・・・。」

生きてはないのに、重すぎる岩を恨んでしまう。

・・・いや、この場合いなりくんを恨むのか?

「楽しみだなぁ、祭り。何食べよう。」

「来神祭はね、神様が来るって言ったじゃん。」

・・・しれっと言ったこと無視されてる!!

「うん。」

「なんと、本物が来るんだよ!!」

「うん。」

「・・・驚かないの?」

「だって、守護霊がいるんだよ?大体、影だとか裏世界だとか・・・。神様がいない方がおかしいくらいだよ!」

「ちぇ。」

「ちぇ、じゃなくってさ・・・。食べ物おすすめある?」

「おすすめも何も、桜には影と戦ってもらうよ☆」

・・・は?

「なんでなんでなんでなんで!?願いを叶えるには祭りは必須だよ!!」

「まだ早い、まだ早いから!願いはインスタントラーメンじゃないんだよ!お湯入れて三分じゃできないんだよ!!」

「願いにお湯なんて注げるものかっ!」

・・・影と戦う?

なら重労働の方がましっ!裏世界で祭りやってるんなら話は別だけどさ。

「大体、いなりくん武器ないから戦えないって言ってたじゃん!」

「武器ないなら作ればいいじゃん!!」

「・・・え?」

武器を、作る!?

「桜、そのポーチを見せて。」

今は一応、放課後。

学校帰りに毎日ちょこっと寄ってはこき使われる。

制服、かばん、そしてポーチ。

・・・そういうことね。

ポーチを開けると、黒い銃があった。

空砲だけどね。

「そうそう!それそれ!」

いなりくんはポーチの中に手を突っ込んで銃を取り出す。

「・・・驚かないの?」

『神様が来る』と言ったときのいなりくんの気持ちが今ならよく、わかる気がする。

「なんとなく、わかっちゃうんだよね。桜、射撃部でしょ?」

「・・・あたり。なんで知ってんの?珍しい部活なのに。」

小憎たらしい笑顔だ。

・・・煽り性能高いな!!

「だって、ここの中学強くなかった?全国大会とかにも出てて。一回、優勝していたよね。」

「昔のことだけどね。」

私たち射撃部が1番栄えていたのは、平成初期の時代。

いなりくんの言う通り、優勝したこともある。

・・・けれど、今はすっかり弱々しい。

「で?」

いなりくんはチャームを剣に変化させると、地面に突き刺した。

・・・裏世界に移動!!

真っ黒な世界へ移動する。

私がなんで最初、裏世界に来てしまったのかはわかっていないまま。

今は助かっていたからよかったけど。

・・・もし助かっていなかったら?

そう考えると、体が震えた。

・・・でも、影が少ない。

いや、いない。

・・・なんで?

ふと、いなりくんの方を見ると銃を持っていた。

引き金に指がかかっている。

それ、空砲だよ?

と言おうとした。

すると、

バン

と、空気を引き裂く音を立てて弾が飛び出してきた。

「・・・なんで!?」

「ね!幽霊の世界って、ほんとなんでもありなんだよ。」

いなりくんは

ふふん、

と胸を張る。

「いなりくんの裏世界じゃないでしょ・・・。」

「俺のものでもあるけどね!」

「いや違うでしょ・・・。」

やけに真実じみたこと言うけどさ、信じないからね!

「これで、桜は戦わなきゃ行けない・・・。」

「やだ!」

「だから使いになったからには戦おうよ!」

「ヤダヤダ!」

「子供かよ!」

「子供が『子供かよ!』って言うな!てか私未成年だし!」

「じゃあさ、『願いが叶えられるかも』って言ったら?」

「・・・祭りには参加できないのにどうやって?」

「神様が来るから、お願いすればいいんだよ!」

「・・・祭りには参加できないのに?」

「そこまできたらもう、祭りに参加したいだけじゃん。」

「違うし!!」

「祭りより、確率は上がるよ?」

「『確率』って・・・。使いになる対価に叶えてくれるってことじゃないのね・・・。」

「いつかは絶対に叶えてやるから!」

そう言ういなりくんはなんだかいつもより偉大というか・・・頼もしく見えた。

「・・・でもさ、影と戦うって言っても少なくない?相手がいないよ?」

裏世界はシン、と静け返っている。

「影は人の恨みや憎しみから生まれてくる。それは前言ったよね。」

「うん。」

私は頷いた。

「そして、核を狙って裏世界に現れる。これも知ってるね。」

「前聞いた。」

再び、私は頷く。

「じゃあ、狙うものがなければ?」

いなりくんは懐から核を取り出した。

・・・まぶしくなるっ

そう思って、私は反射的に目を瞑った。

けれども、全然瞼の外が明るくならない。

そっと目を開けてみると、いなりくんは核を持っていた。

けれど、あの時よりなんだか見窄らしくなっている。光も豆電球レベルだ。

「・・・何それ。」

「核だよ。神様が人間界に来る準備期間だから、光が弱い。」

「そうか!影は光がないと、核の場所がわからないから襲ってこない!」

そう言うことか!!

「だから、こっちにきたらすごく明るくなる。頼りにしてるよ!さ・く・ら♪」

「わかりましたよ!こうなったら神様見つけてやります〜!」

いなりくんは満足そうに微笑むと、剣を地面へと突き刺した。

裏世界から、戻ってくる。

今日はこれでおしまい、と言うことでほっと安心した。

のも束の間

『明日はもっと働いてもらうよ☆』

と言われて、安堵が絶望へと変わってしまった。

・・・ブラック会社だ〜〜!

本日二度目の叫びを私はあげた。

⚠︎これはリメイク版です!内容は変わってません!


ここまで読んでくださってありがとうございます!!

次話では来神祭の様子を書いています!!


面白い、と思っていただけたらブクマ・評価よろしくお願いします!

3話も是非お読みください!

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