Where is my room?
ずらずら続くレッドカーペットのしかれた階段を上る。
そして私を導く碧い髪と瞳をもつ美少女・・・・・・。
これが「強制」じゃなかったら夢見心地なんだけど。
私がこっそりついたため息に敏感に反応し、美少女が口を開いた。
「御子様、どうなさいました?お加減がお悪いのでしょうか?」
いや、可愛い。可愛いけど。
ぶっちゃけ慣れてない私にとっては疲れる。
「いや、あの、その御子様と呼ぶの、やめてもらえません?あとできれば敬語も。」
「そんな!!世界の宝である御子様にため口をきくなんて!!!」
「私、前の世界では一般庶民だったしさ。そう、ナツキって呼んでくださいな。」
「そうは言っても・・・」
美少女しばし沈黙。
思いついたように顔を上げる。
「では、ナツキ様、と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか?」
「うん、まあ、良いと思う。」
ちょっとは妥協しなきゃね。
しかし、心なしか美少女の顔が赤いような気がするんだけど、どうしたんだろう。
「で、あなたの名前は?」
「失礼しました。わたくし、リディア・マーフィーと申します。」
「へー。リディアって綺麗な響きだね。うん、ぴったり。」
「そんな・・・・・」
だからなぜそこで赤くなる。
「あ、わたくし今後ナツキ様のメイド兼ボディーガードをやらせていただくこととなりましたので、よろしくお願いします。」
「ボディーガード!?」
思わず、リディアをまじまじ見てしまった。
海のような色の長い髪。
同じ色の瞳。
華奢な肩や腰。
背は150センチくらいでかなり小さめ。
私が170と長身なため、上から見下ろす形になってしまう。
いや、どこからどうみても、マッチョな刺客と殺り合うようには見えない。
「はい。これでもわたくし、腕には自信があります。」
にっこり。
「ギルバート様やアルフレッド様にはさすがに及びませんが、国中でその次くらいには位置しておりますよ?」
「ええええええええええ!!!!」
まじかよ。
っていうか王様つえー。
そんな話をしているうちに渡り廊下を超え、スカイツリー、とはいかないけど、びよよーんと縦長い塔の前に来た。
なんかすごーーーくいやな予感がする。
「ねえ、もしかして、私の部屋ってこの上?」
「はい。」
にっこり。
「まさか、登るの?」
「いいえ、少々お待ちください。」
リディアは塔の中央に入ると何やら空中に手を伸ばし、動かしている。
しばらくすると上のほうからうぃーーんという音が聞こえ、
「嘘・・・」
ドラゴンが来た。
体長約5メートル。
高さ約2メートル。
緑を基調とした美しい色のうろこで全身がおおわれている。
その瞳も緑。草原の光のように柔らかく、美しい。
すごい。
「どうぞ、お乗りください。」
「良いの?こんな綺麗な生き物に乗っちゃっていいの???」
「彼もナツキ様をお運びできることを喜んでおりますから。」
思わず、「彼」の眼を覗き込む。
『本当に良いの?』
『もちろんさ、ベイベー。俺の仕事はこれぐらいだし。お前ナツキっていうんだな。俺はルキアだ。よろしくな、ベイベー。』
『よ、よろしくルキア。』
こんなにスムーズに会話できるとは。
さすがドラゴン。
それにしてものりが・・・イタリア系?まさかね。
「ナツキ様・・・?」
「あ、リディア、どした?」
「今ドラゴンと見つめあっておられましたがどうなさったのですか?」
「いや、ちょっとはじめましてを。」
「うふふ、御冗談を。」
「けっこうリアルなんだけどな。」
少なくともドラゴンと眼で会話するのは、人間と眼で会話するよりずっと楽だと思う。
あと金魚とかも無理かも。哺乳類・鳥類系はいける気がする。
ハチョウ類・両生類は・・・どうなんだろう。
理解し合えそうでしあえないもどかしさを味わいそうな気がする。
『おい、さっさと乗れや。』
うわ、ルキアごめん。
「あ、じゃあリディア乗るね?』
「お気を付けください。」
馬みたいに鞍はまったく付いていない。
だからルキアにかがんでもらって、うろこに足をかけ、一気に身体を引き上げる。
「えいっと。」
あ、意外と乗り心地良い。
リディアは慣れたもんで、もっと優雅に跨る。
『いーか?』
首をひねり尋ねるルキアに眼で答える。
ドラゴンはふわりと舞い上がる。
「ってうわ!!すご!!良い!!めちゃくちゃ良い!!浮遊感最高!!!!」
もともと遊園地でジェットコースターを乗りまくるタイプだ。
ふわふわして上昇していくのは、しかもドラゴンに乗って舞い上がるのは、極上の幸せだ。
3分ほど上昇すると大きなバルコニーみたいなところがあって、そこにルキアは舞い降りる。
そしてそこには厚い木のドアと、金のドアノブ。
「お部屋に到着いたしました。」
なんか私の部屋すごくね?