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異世界廃村復興記  作者: 野薔薇 零雅
第3章 邪神竜 襲来!!
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戦闘開始!!!

 邪神竜との戦闘が始まった。最初に攻撃を仕掛けたのは邪神竜の方からだ。邪神竜は自分の前足の爪を闇の瘴気(しょうき)(まと)わせてエリールに襲いかかった。


『まずは小娘からだ、死ねい!』


 エリールが危ない。でも、エリールはこの攻撃をひらりとかわしてミョルニルに命令を出す。


「ミョルニル、今よ!」

「ウォーーー!!」


 この命令を聞いたミョルニルは邪神竜の顔面に渾身(こんしん)の右ストレートを入れた。ミョルニルの攻撃を喰らった邪神竜は一瞬よろけたが、すぐに体勢を立て直し、口から黒い炎を吐き出してそれをミョルニルに浴びせた。


地獄の炎(ヘル・ブレス)!!!』

「ヌォーーーッ!」


 黒い炎を喰らったミョルニルは背中から倒れたしまった。


「ミョルニルーーー!!!」

「俺ハ大丈夫ダガ、チッ力ガ入ラナイ・・・」


 ミョルニルは闇の瘴気(しょうき)の影響で力が(うば)われているようだ。闇の瘴気(しょうき)を払う方法はないのだろうか?


「練っ!上を見て!」

「上?」


 エリールの言う通りに空を見上げると、いつの間にか邪神竜は上空に飛んでいた。ざっと十メートルぐらいだろう。


『おい小僧!俺に歯向かったことを後悔させてやる』


 そう言うと邪神竜の周りに奇妙な幾何学模様(きかがくもよう)が現れ、雲一つもない青空が少しずつ黒色に染まっていく。あれは魔方陣か?なにかの魔法を使う気か!


『ふはははは、魔法が使えるのはお前らだけじゃねえんだよ!平


 邪神竜が魔法を唱えると、黒く染まった空から無数の黒い槍が夕立のように降り注ぐ。

 このままじゃ、僕達もろとも全滅してしまう。


 絶体絶命に(おちい)ったその時。


「みんな、ミョルニルのところに集まって、早く!」


 僕達はエリールの指示に従いすぐに集まった。

 そして、エリールが杖を上空に掲げて魔法の詠唱する。


「聖なる光よ、(みな)を守りたまえ、『ホーリー・バリア』!」


 詠唱を終えると僕達の周りにドーム状の光の壁が張られ黒い槍の攻撃から僕達を守ってくれた。

 攻撃を防ぎずつもミョルニルに(まと)わりついている闇の瘴気(しょうき)を魔法で(はら)った。


「浄化の光よ、邪悪な闇を(はら)いたまえ、『ディスペル』」

「アリガトウゴザイマス、エリール様、コレデ再ビ戦エマス」


 邪神竜の攻撃が止み、僕達の周りに張られた光の壁が消えた。

 エリールは力が抜けたかのように倒れそうになるが、僕はエリールを腕をつかんだおかげで倒れずに済んだ。おそらく僕達を守るために魔力の使い過ぎが原因だろう。


「エリール大丈夫か?」

「私は・・・大丈夫よ。ちょっとフラついただけでまだ戦えるから安心して」


 これ以上戦闘が長引けば僕たちが負けるのは目に見えている。早期に決着をつけないといけないが、邪神竜は空にいて飛び道具を使わない限りは対処できない。どうやって地上に落とせばいいのだろうか・・・


『ふん、俺の漆黒の俄雨(ブラック・スコール)を耐えきるとは中々やるじゃないか。なら、これならどうだ!』


 邪神竜の両前足に闇の瘴気(しょうき)が集まってくる。奴はなにかすごい技を使う気だ。

 なんとか反撃をしないと本当に全滅してしまう。どうすればいいものか・・・


 すると突然、ハーグが上空にいる邪神竜に向かって炎を吐いた。だが、邪神竜までの距離が足りない。

 それをカバーするかのようにコットンがハーグの炎に向かって風魔法を放った。炎と風が混ざり合って強力な炎が生み出し邪神竜に向かって飛んでいく。


『これならいける』


 僕はそんな淡い期待をしたが、邪神竜はあっさりと炎をよけた。


『そんな炎攻撃で怯む俺ではないわ!』


 やはり邪神竜を倒すのは一筋縄ではいかないようだ。邪神竜は再度攻撃の体勢を整えた。


 今度はリリの攻撃が始まった。リリの角から雷が帯びはじめ、角と角の間に球体が複数個出来て、邪神竜に狙いを定めて、拳銃のように一発ずつ発射した。続けてシザーも同じようにしっぽから毒の弾を邪神竜にめがけて連射した。


 だが、邪神竜はリリの雷攻撃もシザーの毒攻撃もひらりとかわす。 


『何度やっても同じことだ』


 邪神竜は三度(みたび)攻撃の体勢を整えた。


 今度こそ闇の瘴気(しょうき)を使った攻撃を放とうとしたその時、この攻撃を待ったかのようにいつの間にか邪神竜の後方にいたトリ丸が行動に出た。


 邪神竜は僕達のことしか見ていないこと視野の範囲外にいたためトリ丸の存在が分からないことをいいことにトリ丸は普通の(にわとり)ではありえないスピードで邪神竜も真下へ向かい、走った勢いをそのままに垂直にジャンプをして飛び蹴りをする。


 そしてトリ丸の強烈な蹴りが邪神竜の顎に直撃し、そのまま上空へ飛んでいく。


『グァ!?』


 邪神竜は前足に()めていた闇の瘴気(しょうき)が消滅し、顎に攻撃が当たったことによって体が大きくのけ反った。


 上空へ飛んだトリ丸は落下する勢いで特撮ヒーローの必殺技のような蹴り技を放つ、そしてトリ丸の蹴り技は邪神竜の右翼の根元に当たり翼を破壊した。


 右翼を失い、気が動転している邪神竜はそのまま地面にたたきつけられるように落下した。


 これはチャンスだと言わんばかりにアトラ達が取り押さえようとしたが、邪神竜はしぶとくアトラ達を振り払い、体を起こして僕達を怒りの眼差(まなざ)しで(にら)みつける。


『ふっふざっけるなーーーーーー!!!』


 怒り狂っている邪神竜は闇の瘴気(しょうき)を使って失った右翼を再生させたなのだ。

 今まで以上に闇の瘴気(しょうき)を放ち僕達を威嚇する。


 どうやら僕達と邪神竜との戦いはまだ続くようだ・・・

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