第11話 再会
「ミーシャ!」
抱えた女を差し出した。
受け取った男は、泣きながら女の頬をなでる。
「気を失っているだけだ」
「ありがとうございます」
何が起きたのか。
どうなったのか。
一切聞いてこない。
ここにこの女がいて息をしている。
それだけが重要なことなんだろう。
「ううう。。。。あっ、ライ!」
感動の再会って奴だな。
うるうるした瞳で見つめ合ってやがる。
そのうえ・・・ほら、抱き合ってさ。
えっ、なんでキスしているんだよ。
お前ら付き合っているって言ってなかったじゃんかよ。
ただのパーティの仲間だって。
まぁ、いいんだけどさ。
こちとら婚約者に裏切られて間男を首ちょんぱして、女をゴブリンにプレゼントした後だというのにさ。
まぁ、それはこいつらには関係ないことだけどな。
「本当にありがとうございました」
「もう2度と会えないとあきらめていたのに・・・なんでもしますから、何でも言ってください」
別にやって欲しいことなんてないさ。
大抵のことは自分で、できるしな。
「お礼と言ってはなんですが、一緒に食事はどうですか?彼女の料理は上手いと評判なんですよ」
そんなことしなくていいとは言ったんだが、「是非」って押し切られてしまった。
彼女とそいつは今、自分達の部屋だというところで料理をしている。
かまどもついた仕様らしくて、仲良くふたりで料理中。
俺はふたりが見える部屋でただ待っている。
いちゃいちゃしているふたりを見ながら。。。。
これって、お礼と言うより、罰ゲームでしかないよな。
裏切った仲間を成敗した俺に、仲間の素晴らしさを伝えるための罰ゲームかよ。
「どう、お口に合いますか?」
そんなふたりで、キラキラした目で見られちゃ、言わざるょーを得ないだろう。
「ああ、うまいよ」
何、ふたりでハイタッチなんかしているんだ?
何、ふたりで褒め合っているんだ?
やっぱり罰ゲームだろ、これ。
食べ終わったら、さっさとそこから帰ったよ、もちろん。
もっとお礼をしたいというふたりを残して、さっさとね。
もう人を信じることはない。
そう心に決めているから、ふたりのことをうらやましいなどとは思わない。
だけど、単に女がいないという状況はイマイチだな。
ラブラブ状態を見せつけられたくらいでダメージを受けている俺。
そんな状態でいい訳がない。
いいことを思いついた。
「そうだ!ハーレムを作ろう」
それも悪魔的なハーレムをな。
ここにきて、まさかのテンプレなハーレム展開かぁ。
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
明日も4話アップの予定です。
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