↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊王になりまして  作者:
旅の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/55

◆その罪は永遠


 

 精霊王様たちは沢山働きました。

 神様から与えられた世界を守るというお仕事です。

 

 勤勉に、思慮深(しりょぶか)く、時には怠惰(たいだ)に。

 

 彼らは世界を作る。

 彼らは世界を守る。

 

 (やが)て世界が育ってくると精霊王の仕事はぐんと増えてしまいました。精霊王の手が届かぬところは生き物が生まれない。神様がそれではダメだと精霊樹を精霊王達に託し、彼らは大切に精霊樹を育てました。

 

 やがてそこから精霊達が生まれいでて、世界は更なる成長へと向かい、彩りました。

 

 精霊王が亡くなっても、次の精霊王が産まれるので世界は今も成長を続けられていました。

 

 『なんで』

 

 けれども水の精霊王様だけ十数年前から生まれてこなくなってしまったのです。

 

 

 

 川はかれ、井戸も枯れ、土地が死に、そこに住む生き物も死んでいく。

 

 精霊王はかけてはならぬのです。彼らは世界自身であるから。

 一柱かけるだけで世界は終わりへと向かってしまう。水がなければどうやって生きればいいのでしょう。

 

 

 

 水精霊王様は、まだ私達を許してくれないのでしょうか。

 

 あの優しい水精霊王様は

 

 もう世界を愛せなくなってしまったのでしょうか。

 

 『せいれいおう…さま』

 

 唯一(ゆいいつ)人に寄り()って来た彼はもう二度と産まれないのでしょうか。

 

 寝物語として聞かされた話。

 

 世界の成り立ちと、水精霊王様がまだ世界を許せてないから産まれてこないのかもしれないと絶望に近いものを聞かされた。

 

 お母さんはでもねと最後に必ず付け加える。

 “水精霊王様は、きっと許すだとか許さないだとか考えていないとおもうのよ”

 

 

 “きっと疲れてしまったのね、ずっと働きどおしだったもの ”

 

 “彼らが頑張った分、今度は生かされている私たちが我慢する番なのよカナリア”

 

 “だから”

 

 

 “かの方々を恨んではダメよ”

 

 「僕がもう少し早く来れたなら」

 

 この人がもっと早く産まれてくれれば。

 

 お母さんは

 死ななかったんだろう。

 

 

 この人がもっと早く世界に水を溢れさせてくれれば。

 

 そう考えられたら楽なんだろう。

 

 信じられないという気持ちが、浮かぶ。でも、この人は悪くない。だって。

 

 私が急かしたんだ。

 

 『悪くないよ、アルヴィス…様は。だって、私がもっと待っていたら良かった話なんだもの』

 

 もう少し我慢出来ていたら。テルナマリンに水精霊王が来たんだからこっちに来てくれるって可能性の方が高かったのに。

 それでも少しでも喜びに触れたくてお母さんを急かして旅に出たのは私だ。

 

 

 『私が、お母さんを殺したの、その罪はいくら恩人のアルヴィス様にだってあげられない!』

 

 私が背負わなきゃいけない。私がずっと後悔し続けなければいけない。私を守るために死んだお母さんの為に。守られた私がそれを覚え続けなきゃいけない。

 

 だから、私のせいなの。

 

 

 私が殺したのよお母さんを。

 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。