57.ホワイトデー殺人事件
ガイシャは、室生孝史。食品会社の営業部長だ。口に幾つものチョコが放り込まれ、窒息死した。井関さん。
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。
井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
新垣舞・・・捜査四課課長。警部補。
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『ホワイトデー殺人事件』本部。
昼食の後、捜査会議が始まった。
そして、志摩管理官が説明を始めた。
「ガイシャは、室生孝史。食品会社の営業部長だ。口に幾つものチョコが放り込まれ、窒息死した。井関さん。」
「手脚を結束バンドで縛られた跡があります。絶命したのを確認して、結束バンドを切って逃走したんでしょうね。現場に鋏類、結束バンドは無かった。個人的な意見ですけどねえ。このガイシャには同情出来ないな。被疑者いっぱいいそうだな。」
「今、井関さんが言ったように、怨恨もたれることをしているガイシャだ。バレンタインデーのお返し、を禁止した。今年から。バレンタインデーで貰うのはOKだと。」
「大抵は、バレンタインデーの贈り物自体を禁止しますけどね、お返しがイヤな点は同じだが、これは我が儘過ぎる。バレンタインデーもホワイトデーも根拠ないのは事実だが、これは酷い。」と大曲先輩は言った。
「状況証拠的には、な。村松、こういうの何て言うんだっけ?」
「はい、せんぱぁい。『予断は禁物』でぇす。」
それもそうだ。
「村松。辻さん達と一緒に行って、女子社員の評判聞いてこい。」
「はぁあい。」
午後2時。自動車中。
「眩目、何くすくす笑っている。」
「村松は、蘭子の言うこと、素直に聞くなあ、と思って。」
「あれ?お前、知らなかった?アイツ、クビになるとこだったんだぞ、所轄時代。回りからイジメられて。だから、事件にイジメが絡むと必死になるんだ。蘭子はな、『使い道は幾らでもある。脳軟化症には判らない』って言って引っ張ってきたんだ。時々、囮捜査にも行くだろ?本領発揮さ。」
「ふうん、そうなんですかあ。確かに面白い所もあるし・・・あ。演技ですか?」
「多分な。蘭子には、恩義感じているのさ。」
午後3時。室生家。
立ち番の警察官に挨拶して、室生の書斎を大曲先輩が、俺はその他を調べた。
「先輩、ありました!!」
思わず俺は声を上げた。
室生家には、冷蔵庫が3つあって、3つ目は通電していなかった。
どうやら『冷暗庫』に使っているようだ。写真愛好家は、そういった場所にフイルムを収納する場合がある。
「マイクロSDか。でかした、眩目。PCに保存しているデータは、何かおかしいんだ。秋野に調べて貰おう。」
午後5時。捜査一課横の大会議室。『ホワイトデー殺人事件』本部。
取り調べ室から、管理官と蘭子が出てきた。
新垣が出てきて、外に消えた。
「ガイシャは、反社と繋がっていた。そして、ホシもだ。ホシは、村松が怪しいと言った、三村睦子。三村は、ガイシャが「お返し禁止」を言ったのを、状況証拠に利用した。本当は、『変だ似る』をめぐる仲間割れだった。今、舞達がガサイレに向かった。まあ、ウチは2倍返しや3倍返しに文句言う人間はいないけどな。」
蘭子の言葉に、男子は、皆下を向いた。
午後7時。眩目家。
今夜は、麻婆豆腐だ。
「腕挙げたな、真吉。次は・・・。」
蘭子は舌なめずりをした。
やっぱり恐い奥さんだ。
―完―




