51.余計なお世話殺人事件
「ガイシャは、西山壮。特殊詐欺の常習犯。マエがある。最近は、『LED詐欺』をやっていたらしい。LED詐欺って言うのは・・・。」
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。
井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。蘭子と同期。
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『特殊詐欺常習者殺人事件』本部。
昼食の後、捜査会議が始まった。
そして、志摩管理官が説明を始めた。
「ガイシャは、西山壮。特殊詐欺の常習犯。マエがある。最近は、『LED詐欺』をやっていたらしい。LED詐欺って言うのは・・・。」
「呼ばれました?」と神道が入ってきた。」
「呼んでないぞぉ。」
「蘭子、意地悪するなよ。ちゃんと倍返しするからっさあ。」
「あ、呼んだ気がする。」
「LED詐欺っていうのは、従来の蛍光灯・電球が『水銀』含まれているからって国際ナンチャラ会議で決まって、従来の蛍光灯・電球の国内生産が終了し、輸入も禁止されるから切り替えなくてはいけない、って話。詐欺犯にとっては、おいしいおいしいおいしい話。」
「美味しくないぞ。」と、井関が割り込んだ。
「地デジ化した時の騒ぎ、覚えています?アレ、後から知ったけど、アンテナ立てる必要あったのは、東京都だけらしいですよ。他の道府県でUHF局の電波を受信している家庭は、UHFアンテナをわざわざ立てる必要が無かったんです。テレビやDVDレコーダーにチューナー付きのもあったし、テレビに接続する地デジチューナーがあれば受信出来た。ところが、政府広報が間抜けなキャンペーンしたお陰で、アンテナだけ立てて、チューナーなくて。後で買い足した家庭もあった。地デジ詐欺は、素人の、今は『情報弱者』、『情弱』の高齢者なんかを騙す特殊詐欺が流行った。昔の『シロアリ駆除』と同じ手口。戸別訪問して、調べてあげます、って言って、何もしない手口。アンテナ立ててないのに、立てたって言って金をせびる。LED詐欺も件数は少ないが、これから増えるでしょう。蛍光灯・電球の製造は既に終り、輸入禁止は来年・再来年に段階的に行われる。ここで問題なのは、『無理に入れると発火する』と言う話。全ての場合じゃないんです。それは、古い家屋で、古いタイプの配線している場合のみ。グロータイプって配線の場合、グローランプと蛍光灯を自力で交換出来ます。工事不要。今言った、古いタイプでグロータイプでない場合は工事が必要で、『タマ』入れ替えるだけだと発火の恐れがある。地デジ化の時みたいに、政府広報の下手くそな告知と、テレビ等の「無責任な放送」、特殊詐欺犯の三つ巴で、来年末以降、混乱が予想されます。ふう。」
「で、その手口で西山が嵌めた高齢者の身内がホシってことか。」と、大曲先輩が纏めた。
「決まったな。西山の交友関係、西山の家を洗う。」
午後3時。西山家。
「先輩、西山って、どういう人間だったんでしょう?てか、特殊詐欺する奴は、ご近所さには、悪さしないのかな?」
「ケースバイケースだろうな。蘭子に言ってみ。」
俺は、蘭子に電話した。
大曲先輩は、西山のPCのパスワードを見付けて、起動させた。
「よく分かりますねえ。あ、蒔さんが、近所をもう一度聞き込みするそうです。」
「ん?パスワードなあ。ユー、オー、エス。簡単だな。」
後ろで見学していると、「出てきた。ゴミ箱はな。定期的に掃除しないといけないのよ。」と大曲先輩は言った。
何と、『被害者リスト』と言うべきものがあった。住所・氏名・電話番号。マメだ。
近所の人の名前もあった。
蒔さんが入ってきた。
「大曲さん。近所で・・・。」
「田倉さん、だよね。」と言いながら、大曲先輩はPCを指さした。
午後5時。捜査一課横の大会議室。『特殊詐欺常習者殺人事件』本部。
取り調べ室から蘭子が出てきた。
「田倉さんの甥っ子が元ボクサーだった。撲殺が鮮やかだった訳だ。叔母さんの話を聞き、家中調べたが、LED蛍光灯は見付からない。甥っ子が問いただし、開き直って、殴れるものなら殴ってみ、と言うから殴った。即死だった、と言っている。出頭したことだけは褒めておいた。」
午後7時。眩目家。
俺は、大道さんに聞いた情報を元に調べていた。
「ウチは、大丈夫だよ。新築のマンション、アパートは大抵大丈夫って、大道が言っていた。安いウチに買い変えて取り替えればいい、ってさ。」
「そうなんだ。」
「明るい方が、お前を・・・うふふ。」
え、うふふって、何???
―完―




